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日記その1

初めましての方は初めまして、白黒饅頭と申します。

前にもこのサイト様で書かせていただいており、様々な事情にて暫く筆を置いていました。

しかしまた書きたいと言う思いが募り、こうして新しいものを書いてしまいました。


今度こそ頑張っていきたいと思っておりますので、どうか応援の程宜しくお願いします。






○○月〇日 晴れ


転生した記念にと、異世界で日記を付けてみる事にした。冒頭からこんなこと書くとかイカレてんだろとか思われようが、どうせオレしかこの日記見返したりしないだろうし別に良いか。

異世界に来て変わったことと言えば自分の名前と姿形と何らかの特殊能力くらいで、その他はなにも変わっちゃいない。

名前は水無瀬真琴からアルト・アーウェルンクスとかいうくっそ元の面影がない名前に変化した。身分は平民なのに大層な名字か付いてて大丈夫とか思ったが、まあ気にすることじゃないか。







○○月∀日 晴れ


危うく三日坊主どころか一日坊主になるところだった。反省も後悔もしてないけど。

日記書き始めて次の日、夢枕にオレを転生させてくれた女神様が現れた。なんでも色々な事を省いてしまった為に再度説明しに来てくれたそうだ。アフターサービスが行き届いてる。

という訳でイカれたオレの能力を紹介するぜ!

無色魔法チート! 聖魔法チート! 闇魔法チート! 以上だ!

……これでどうやって満足しろと。こんなんじゃ満足出来ねぇぜ!

などというのは冗談でも何でもない。本当に攻撃系統の魔法は使えないらしい。才能も微塵も無いらしい。どうみても寄生です本当にありがとうございます。

でもバフデバフってさ、重要だよね。この世界の人々にそれが理解されているかは別として。

と言うことでこの与えられた能力で生きていく事になった。やったね。多分また日記書かなくなる。







○○月≫日 晴れ


思ったよりダメージが少なかったのか、今回は二日経ったら書こうって意思が出てきた。

能力を把握しとかなきゃと思って外に出て人気のない森の中で試してみた。無色魔法の一つ、補助魔法は自分の身体能力を著しく向上させることが出来るが、反動が酷い。1、2分使って動いただけなのに筋肉痛が酷すぎて日記を書くのさえ痛みを堪えなきゃ書けない。妨害魔法は言わずもがな相手の弱体化とか、そういう系統の魔法。使い方によっては凶悪極まりない。

聖魔法? 闇魔法? かっこいい(小並感)


あ、ちなみに無色魔法は炎とか水とか、そういう魔法以外の全てが含まれるらしい。つまり補助魔法は無色魔法に入る。それ以外の生活とかに役立ちそうなのも無色魔法に含まれるようだ。面倒臭いから補助魔法とかで統一しようややこしいから。








○○月†日 日青れ


一日経ったら嘘みたいに筋肉痛が治って一安心。寝返り打つ度に痛い痛い言いながら動く生き地獄は本当に勘弁願いたい。

これじゃ不便過ぎィ! とオレ氏、制御を決意。目標は筋肉痛になるかならないかのギリギリのレベルを見極められるようになりたい。毎回毎回補助魔法使って酷い筋肉痛とか正直言ってやってらんない。

それに差し当たり、当分の間は大体毎日筋肉痛に悩まされるだろう。思い描いてた楽してチート使ってヌルゲー生活は音を立てて崩れ去った。一体何がいけなかったんだろうか。







○○月◆日 晴れ


きんにくつうつらいしにたい




○○月〝〟日 晴れ



筋肉痛が若干マシになったから、多少は制御出来るようにはなった。我ながら判断基準が酷いと思う。数日ぶりに補助魔法じゃなくて他の魔法を使うと筋肉痛が発生しないからびっくりしたのは内緒だ。

特に闇魔法が思った以上にヤバかった。相も変わらず攻撃魔法は使えなかったが、別に直接攻撃出来ないからって相手にダメージを与えられない訳では無いと気づいた。

闇魔法の中に、影を操る魔法ってのがあった。相手の影を縛り付けて動けなくしたり、はたまた相手の動きを操れたり、更には影操って物に触れたり動かしたり持ち上げたり、そんなこともできた。かげのちからって すげー!


……はい実際に人に使って試してみました。なんか何時もの森で特訓してたらやけに騒がしかったから何事かと見に行ったら男の子が複数人でちっこい生き物を虐めてた。いい実験台……じゃなくて生き物を虐めちゃめっ! と覚えたての闇魔法を駆使して怖がらせて撤退させました。ちなみに虐められてた生き物はそっとリリースしました。良いことあるかな。







○○月≧日 晴れ


何か視線を感じる一日だった。何時ものように森でかっこいいポーズとったり魔法の練習したりしてたら、何かに見られてる感じがずっとしてた。しきりに周囲を確認してみたけど何も居なかったから気の所為だと思いたいけど、もし、万が一昨日追い返した男の子達だったとしたら覇王翔〇拳……じゃなくて闇魔法を使わざるを得ない。







○○月≫日 晴れ


今日も視線を感じる。気にしない様にしてたら昨日よりもずっと見られてた、そんな気がした。何かしてくるなら此方もそれなりの対応をしようと思うけど、なにも仕掛けてこない以上あんまり此方から何かしようとは思わない(しないとは言ってない)。

もし明日も同じく視線を感じるなら本腰を入れて犯人を見つけようと思う。何時までも見られてるのは気味が悪いしあまりいい気もしない。





○○月∑日


犯人を見つけた。闇魔法を使って動きを止めたりする簡易的なトラップを張り巡らせ、闇魔法を使って更に足止めをして、とどめに補助魔法を掛けて身体能力を底上げしてやっと捕まえられた。

犯人はこの前助けた生き物だった。ドラゴンの子供か、はたまた空を飛べるトカゲなのか分からない生き物。身体は全体的に紅く、パタパタと小さな翼を羽ばたかせて一生懸命オレの目の前で空中に浮かんでいた。試しにと頭を撫でてみると身体を震わせて満面の笑みを浮かべてた。何このなまもの可愛い。それが率直な感想だった。


けど何でオレをずっと見てたのかが気になる。助けてくれたヤツを数日も覚えてられる知能がソイツにある事にもびっくりしたし、ましてや一回見ただけだぞ? こう見えて知能は高いのか?

その日は森へお帰りとまたリリースした。流石に飼う度胸はない。






○○月∬日 晴れ


昨日リリースしたはずのアイツが、何時もの練習場所である森のとある場所にまたやって来た。今度はコソコソと遠巻きに見るんじゃなく間近までやって来てオレをジーッと見てた。やりにくいったらありゃしねえ。

結局練習に身が入らずに今日はいいやとあの謎の生き物で遊んでた。「と」じゃなくて「で」。ここ重要。


1時間2時間くらい遊んで疲れたーってなってたらあの生き物がいきなりどっかに飛んでって、帰ってきたかと思ったら木の実を小さい両手いっぱいに持って帰ってきた。差し出して来たので遠慮なく一つ摘んで口に放り込んだら予想以上に美味かった。形は丸っこくて、味はイチゴに良く似た感じだった。

今日一日はそんなこんなで謎の生き物と遊んでた。気がついたら日が傾いてたから大体5時間くらい遊んでたかな?







○○月£日 晴れ


今日もまたアイツはやってきた。今度は律儀に最初から手土産まで持って。でも何だかんだ言ってアイツと遊んだりするのも悪くないと思う自分がいる。

流石に今日は練習しようと視線を気にせずに何時ものように補助魔法を掛けてからシャドーしたり影を操ったりした。途中で構えと言わんばかりにアイツがオレの周りをずっとグルグルと飛行きてたから影の腕で捕まえて闇魔法で地面に縛り付けて動けなくした。最初はジタバタもがいてたが抜け出せないと理解したのか、途中から大人しくなった。本当にコイツ知能高いな。


気を取り直して昨日の分も入れて、今日は何時もより時間を掛けて合間合間に休憩を挟んで練習に励んだ。アイツが持ってきた木の実が美味いからついつい全部食べてしまった。怒るかと思ったらアイツは何故か喜んでたようだった。何考えてるかわかんね。

というかそろそろアイツ呼び止めて名前でも付けてやろうかな。でもそうしたら愛着湧いちゃうからなー……今は保留で良いか。







○○月★日 晴れ


謎の生き物を飼うことになりました(白目

どうしてそうなったかと言うと、今日も練習頑張るぞい! と意気揚々と家を出たら家の前にアイツがふわふわと浮かんでいた。そこで思考がフリーズして固まってたら母さんが家からタイミング悪く出てきてアイツを一目見て気に入り、そのまま我が家、というかオレのペットになることに。ウチそこまで裕福じゃないとか言ってたのは何処の誰だよとツッコミを入れたかったが母は強し。父さんも初めは反対してたが結局最後には気圧されて飼うことを許してた。何故そこで諦めたんだそこで! もっと頑張ってみろって!

あ、ちなみにアイツの名前はアリスとなった。なんでもオレが女の子だった場合に考えてた名前だそうだ。そんな事実知りとうなかった。




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