俺は、入る部活を間違えた
「本当の友達とは何か?」
俺はそんなことをつぶやいていて昼休みを過ごしていた。
新入生の友達関係が既に決まっている5月。
未だに俺は友達ができていない。
だが、俺は思う。
なぜ、人間はすぐに人にすがろうとするのだろうか…
いつも人はそうだ。逃げたいとき、寂しいとき、悲しいとき、すぐに人にすがろうとする。そして、気に食わないことがあれば、すぐに人間関係を切り離し、悪口をいい、暴力を振るい、そうして、いじめになっていく。
-俺はそんな道具のような友達はいらない-
そんなことを考えていたら、先生が俺を呼んだ。
「おい、皇。お前部活入ってなかったよな?」
「はい…」
あー俺部活入ってなかった…
「部員が2人で5月末までにあと3人入らないと廃部になってしまう部活があるんだ。そこに入ってみないか?その2人が言うには…」
「嫌です」
俺は速攻、そして、率直に返した。
「おい、待て待て!まだ最後まで言ってないだろ…試しに1週間だけでもいい。入ってみないか?お前まだ友達もいないみたいだし、いい機会じゃないか?」
1週間か…まぁ1週間ならいいか。
「ま、まぁ1週間だけなら…」
「さすが、皇。話が早くて助かる。私が仮入部届けを出しておくから、もう今日の放課後から行ってやってくれ。」
「わかりました。」
酷い部活だったら速攻やめよう。
1週間で友達できたら、俺もう5人は友達できてるよ?
そんな上手くいったら苦労しない…
そう思っていたうちに、昼休みが終わった。
***
--そして、放課後--
あー今日から部活が始まる…やっぱ断ればよかったかぁ…いつもなら帰って、Happy My Lifeを送る予定だったのに…
っていうか、本当にそんな軽い気持ちで入って迷惑なんじゃないか?そもそも部員は男なのか?男じゃなかったらどうすんだよ。俺速攻で逃げるぞ。
そんなことを思っていたら、既に俺は部室に着いていた。
ドアには学校研究部と書かれている。あー開けたくね。
「なんか怪しい名前だなぁ…」
と言ったそのとき、1人の女の子が勢いよくドアを開けてこう言った。
「あなたが新しい部員さんですね!
私はこの学校研究部部長、柊 梨乃です!
あと、怪しくありません…!!」
俺は驚いて尻餅をついた。
その子はクラス委員やってそうな子だった。なに、この子元気すぎ。なに俺の逃げる予定崩しちゃってんの?
「お、お、驚いただろ!もうちょっと静かに開けてくれ!」
「あなたが怪しいとか言うから悪いんです!あ、聞き忘れていましたが、あなたの名前は何ですか?」
生意気な女だ…
「ま、まぁいい…俺の名前は皇 蓮だ。」
そういや、部員は2人って言ってたよな。あと1人は誰だろう?
「もう1人の部員は誰だ?」
「あ、すみません。ちなみに女の子ですよ!今呼びますね。」
梨乃がこれだし素直な子がいいな。いやいやそんなこと思ってる場合じゃない。女の子が2人?今日俺、精神的に死んじゃうよ?そんなことを思っていると、もう1人の女の子がやってきた。
「は、初めて…私は姫野 紗彩です。これからよろしくお願いします。」
その子は高校生にしては背が低く、とても可愛い容姿をしていた。なんか、どこかで見たことあるような…まあいい。って、それよりマジで俺今日死ぬの?女の子2人?俺のこと殺しに来てるの?
「よ、よろひく」
俺は本当に精神的に麻痺ったみたいで、変な声が出てしまった。
「ロリコン。」
梨乃からそんな言葉が放たれた。
「は、はぁ?俺は断じてロリコンではない!!そんなことは置いといて、ここは何をする部活なんだ?」
話を変える俺。
「ここはこの学校の生徒について調べる部活だよ!あと、紗彩。こんなロリコン変態に近づいちゃダメだからね…!」
「ロリコン?何それ?」
え、マジで言ってるの?純粋過ぎじゃない?
いや、これは要注意だ!裏の顔があるかもしれない…
「おい、こんな純粋な子にそんなこと教えんなよ。あと、生徒について調べるってなんだよ。ストーカーかよ。」
この部活やばいと思い始めた俺。
「ストーカーじゃないよ。ただ人間関係とかどんな人とかを依頼されたら、調べるんだよ。ストーカーとか、やっぱり蓮は変態さんなんだね。」
一気に俺のこの部活やばいという気持ちが強まった。ガチでやばい部活だ。これで、校内の男子がストーカーしてるとか噂でたら、俺もう学校いかないよ?
「いや、それ普通にストーカーだから。ストーカー部活なら俺やめるわ。じゃあね。」
帰ろうとする俺の裾を掴んで紗彩が言う。
「ま、待ってください…まだお話しただけで私は名前も聞いてません…!やってみてから決めてください…!まだ、お話ししたいことありますし…」
こう言われると流石に帰りづらい。
マジかよ…これ本気で言ってるの?大体の男子、虜にしてるんじゃない?本当にあざとい。
「わ、わかった。俺の名前は皇 蓮だ。取りあえず、話をしよう…」
そう言って、俺は仕方なく部室へ入った。
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