表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

1-1

気分転換で戦国時代+VRMMO物書いてみました。

見切り発車で調べながらやってますが、間違っているところがあってもご容赦を!

 君の手で戦国時代を変えて行け!

 君の活躍次第で城主にも大名にもなれる! あの有名武将の配下として働ける! 全ては君次第! というキャッチコピーを元に、販売された新作VRMMORPG――虎嘯(こしょう)――。

 既に販売から一年が経過しようとしているが、未だプレイヤーの人口は衰えていない。



「ということで、お前も虎嘯始めようぜ」

「何がということなんだよ」


 仕事中にいきなりゲームの話をしてくる、大学時代からの友人の柏木 智哉(かしわぎともや)はどうやら俺をゲームに誘っているようだ。


「だってお前、戦国時代やシミュレーションとか好きだろ?」

「まぁ好きだけどさ」

「だったらやろうぜ? どうせ夜相手してくる恋人も趣味もロクにないんだし」

「ほっとけ」


 俺、川口 晴喜(かわぐちはるき)はPCで仕事をしながら友人の言葉を適当に流す。

 大学の時こいつと名前が近いせいか、付き合いができて以来、なんだかんだで同じ会社に入社して同じ部署で働いている。


「晴喜くん~、一緒にやろうぜ~? つか手伝ってやるからさ~」

「そんな事言ってないでさっさと仕事しろ。また部長に怒られるぞ」

「へいへーい」


 智哉はぶー垂れながら仕事に戻る。

 まったく、こいつが怒られると俺も一緒に面倒見ろって怒られるんだよ。

 ホント理不尽だぜ。


 昼の休憩時間になり、俺と智哉は二人して屋上で弁当を食う。


「んで、どうすんだよ」

「さっきの話か?」

「そうそう」

「話からすると戦国時代のVRゲームって感じだが……」

「まぁ普通だとファンタジー系だよな。でも虎嘯は違う。ガチの戦国時代だ」


 智哉の説明によると、年代は織田軍が桶狭間で今川義元を討ち取った後の織徳同盟締結の頃からゲームスタートらしい。

 そしてプレイヤーは、各々所属したい大名を選んで自由にできるらしい。

 自由と言っても、情報を他国に垂れ流したりなどの間諜の真似をしてバレたりすると、その国では指名手配のようになるため、ある程度の制限はある。

 

 更に言えば、敵が人であるためR18指定になっているようだ。

 それにも関わらず、プレイヤーの人口は数万にも及んでるという。

 智哉曰く、男なら城主や大名になってみたいとかもあるんじゃね、ということらしい。

 また歴史好きとって、有名な武将に仕えて働けるというのも魅力らしい。


「んで、ちなみにお値段は?」

「今ならなんと紹介特典もついて49800!」


 まぁVRゲームだから高いとは思っていたが……。

 実家暮らしだし、それぐらいなら払えるけど…。


「ちなみに紹介特典ってなんだ?」

「普通にプレイすると、本当に下っ端から始まるんだけど、その紹介特典ってのがあると先行プレイヤーの紹介IDを打ち込むとある程度優遇してくれるんだよ。要は推挙ってことだな」

「んで、その紹介IDってお前のを打ち込むのか?」

「そうそう。ちなみに俺は織田軍で村の領主やってる」


 俺はそれを聞いて嫌そうな顔をする。

 それを見た智哉は慌ててフォローをする。


「別に俺の下に就かないといけないってことじゃねえぞ! 紹介特典で始めると、紹介者と一緒にやるか部屋住みとして俺の上司に当たる人の配下として所属するってことだ」

「そうなると強制的に上の上司が決まらねえか?」

「そこら辺は大丈夫だ。例えばだけど、柴田勝家に仕えたいとかだったらその旨を上司に申請すればいい。普通だったら無理だけど、俺らプレイヤーはそういった事が可能だ。でも、そう簡単に上司は変えられないから選ぶなら注意しろよ」


 そう考えると、自分の上司によっては出世に響いて来るわけか。

 柴田勝家や丹羽長秀とかは無難に出世するけど、没落するような武将の下だと出世はできそうにもなくなっちゃうのか。

 俺の先読みを察したのか、智哉は説明を付け加える。


「ちなみに、このゲームには各国にダンジョンがあってな、そこから色々な材料や素材を取ってくることによって自軍を強化できたりする。だから史実では死亡してた武将も、プレイヤー次第では生存したり大活躍したりする」

「ってことは、本当に俺ら次第で歴史が変わったりするのか」


 例えばだけど、プレイヤー次第では三方ヶ原や長篠みたいに敗者側を勝たせることもできるのか。

 まぁ逆に言えば、敵対プレイヤーによっては勝ち戦が負け戦にもなるってことか。


「と言っても、基本的に大名家は史実通りに進もうとするし、プレイヤーの進言なんてよほど信頼されてないと聞いてもらえないけどな」

「そらそうだろ。会社と一緒だ。信用してほしければ結果を出せってことだろ」


 戦国時代なんてそこら辺が余計に厳しいだろうしな。

 ミス一つで死に直結するし。


「んでどうすんだ?」

「まぁ特にやるもんもないし、やるわ」

「じゃ、帰ったら紹介ID携帯に送っとくから、それ起動時に打ち込めよー」

「あいよ」


 さて、そろそろ昼休みも終わるし、仕事頑張りますか。

 てか在庫あるんだよな?



 本日の仕事も無事定時に終わったので、俺と智哉はゲームショップに向かう。

 招待特典もついたせいか、意外に在庫が少なくなっていたようで、俺が購入する時には十個あったのが四個に減っていたという。


 購入後家に帰り、飯は風呂を済ませた後、さっそく起動準備に移る。

 起動準備については、前々から身体スキャンを行うことはわかっていたのでスムーズに済ますことができた。

 そしてどのVRゲームの例に漏れず、虎嘯のゲームギアは頭に被るヘルメットタイプだった。

 なのでゲームをやる時は、なるべく楽な姿勢――つまり寝る時の状態がいいということだ。


 起動準備も終わり、招待IDも打ち込み終わったので、さっそく俺はゲームを起動する。


「ゲームスタート」


 そして俺の意識はゲームの世界へと飛ばされた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ