サンタクロースのものがたり
今日は待ちに待ったクリスマスイブ。
女の子はじっと待っています。
今年こそサンタクロースに会うつもりなのです。
真夜中になりました。
ギーッ
ドアの開く音がしました。
女の子は期待に胸を膨らませています。
そおっと目を開きました。
ところが・・・
そこにいたのはパパとママではありませんか。
ではサンタクロースはパパとママなのでしょうか。
それともまだ来ていないのでしょうか。
そんな疑問は、パパの持っている物を見てはっきりしました。
パパは大きな包みのプレゼントを持っていたのです。
女の子はがっかりして泣きながら言いました。
「サンタクロースはいないのね。」
するとママが言いました。
「サンタクロースはいます。
私たちはサンタクロースに代わりを頼まれて
プレゼントを運んでいるのですよ。
世界中には貧しい子がたくさんいるのは知っているでしょう。
ほとんどの国の子にはパパやママがいて
私たちのように自分の子にプレゼントを渡せるけど、
貧しい子にはパパやママがいないかもしれない。
そんな子たちにもプレゼントが届くように、
サンタクロースが運ぶのです。
だからサンタクロースはいます。
しかし、私たちが幸せである限りサンタクロースは必要ないのです。
サンタクロースに会えないことほど幸せの証なのですよ。」と。