木枯らし
いつものように目覚めて始まる朝。
外では風が小枝を揺らし空気を裂いている
空は青白く、どうやら早朝の様子がうかがわれる
そんな何気ない日常の始まりが僕は好きだ。
おもむろに起き上がり、朝食の準備をしようか・・・いやめんどくさいな
今日は何をしようどこへいこう、何と触れ合おうか。
「着替え・・・」
いつものようにお気に入りの服に着替え、荷物をチェックし準備万端
僕は毎日外へ出ることが日課といえば日課だ
むしろそれ以外にすることも特にない
毎日がが淡泊ではあるが、それを怠惰だの退屈だのは感じない
正確には‟感じなくなった”と言うほうがいいのかな
初めのうちは、世間体だのプライドなどが邪魔をしていた時期もあったがそんなことはどうだってよくなる。
悪い意味で時間が解決してくれる。人生なんてそんなもの
そんなことを妄想しつつ、外へ出かける
「寒いな...」
そんな声を外の世界に落としてしまうほどに寒い朝だった
そんな都内某所
いつものルートを通り、いつもの電車に乗り込む。
車やバスは移動手段として使わない
そういえば、自宅にもシートを被った車があったな
なんてことを思いながら見渡すと
車内はいつも通りほぼ満員
ほぼ毎日、同じ時間に乗っているので、大体いつもいる人の顔も覚えることがある
妙な知り合いができるのが定時の満員電車の注目ポイント
そんなに満員電車のことを豪語している僕ではあるが実はさほど満員電車が好きではない
なぜなら、満員電車には多くの人が押し寄せる物理的な嫌な面もあるが、なにより多くの人が疲れ、憂鬱な表情を浮かべている。
人それぞれではあるが、そんな状況に身を置きたくはないと思う私の一面がある。
会社の奴隷とはよく言ったもので、皆が皆幸せではない。
ただ、そんな人たちを見て自由な自分を振り返り。心の優越感を感じてしまう
小さい人間だと自分でもわかっている。でもそんな気の持ちようでなければ自分は生きていけない人間だともわかっている。
くだらない事を考えていたら、目的地についていた
「そうだな、まずは本屋でも行くか」
本屋やCDショップへ行き新刊や新譜を見に行って買うのはとても楽しい。
こういう一人の時間は落ち着くし大切だ
どんな時も、自分の時間を作ることはこころのモチベーションへとつながってくる
とはいえ、最近このような趣味になにか新鮮さが足りないとも感じている。
まあ、新しい趣味を探すような気力もないし結局は行動へ移さないのがいつものパターン
自分でもわかっているように、すべてにアパシーだし矛盾した意見をよく持つ性格である
分かっている、分かってる、それでも
いいや、思ったところで何も現状は変わらない。そんなことを思ったところで時間の無駄だ。
そうこうしているうちに、自宅へ帰る時間に
そそくさと帰宅準備を始める
この時間は、割と好きだ
家に帰り暖かいご飯を食べながら一日の収穫を振り返る時間などたまらない・・・
食事は質素な物ばかりだが、僕にとっては十分なものだ
味はいささか美味しいとは言えないが食べれないほどでもない。
死ぬわけでもないし。まあいいかな
食器をかたずけ、風呂へ入る。
家の中はぬくもりを感じられないが、風呂とベッドは僕にぬくもりをくれる
身も心も温まったところでする事も無しに、テレビやアニメを見て眠くなるまで過ごす。
そんな一日が僕は好きだ
うとうとしてきたところを見はかり、ベッドに入る。
「今日も一日、無生産な一日だった...」
目を閉じ
気づいた時には眠りに落ちていた
夢の中では誰もが自由だ。なんにでもなれるし、理想もかなえられるし、不幸にもなれる。
人間のありとあらゆるシチュエーションも体感できる
時に、人間はどこまでも自由でずっと不自由なのだ
と、ガラにも無いことも時々考える
時間は経ち
朝になり同じような日がまた始まる
窓から木漏れ日が垂れ、数枚の写真を照らす
外の景色とは一変、空気の寒さが肌を刺し、目を覚ます
今日は何日だ?
寝ぼけながら、うとうととスマホを手にする
「あぁ...今日はあの日か...」
世の中にはいつどのような事変が起きるかは誰にもわからない
これは、幸か不幸かその事変に巻き込まれた一人の人間の物語
お久しぶりですたぴおか。です!
この度、初の短編小説を書いてみました
ふと思ったことをちょいちょいと綴ってみました
主人公のセリフはほぼなく思っていることがすべてです、年齢や時代の括りは特にありません
それと、この作品に関しましては、とくに決められた答えなどは存在しないと考えており
読者さんの読んで感じた答えがそれぞれのこの作品の答えです。
なので皆さんどんどん想像しちゃってください!!
拙い文章ですが、読んでくださった方の暇つぶしにでもなれば幸いです
また、文章に自信がないのでアドバイスや感想をいただけたらうれしいです