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すろ~らいふ・モンスターズ~最弱機械族から始めるまったりプレイ~  作者: woza
シーズンわん:結成すろ~らいふモンスターズ編
9/65

第七話:狩り《ハンティング》に行こう。たとえば約束と成長

 さて、ジュエルタートルの居るエリアにやってきたのだがまずは観察だな。


 敵を知り己を知らば百戦危うからず。さっきはいきなり手を出してひどい目にあったしな。


 ジュエルタートル、大きさはゾウガメほどの石の甲羅を持つ亀のモンスター。動きは遅いが防御は高い、特に甲羅にこもった時の防御力は相当な体格を誇っていたルクスさんでもダメージを通せなかったほどらしい。


 まぁ、今見えている手足や首にも丈夫そうな鱗がびっしり生えているので俺の攻撃力だと通常状態でもダメージが通るかどうか怪しいな。


 ということは狙うは目か口の中、大きさからいって口の中か。


 俺は草むらに隠れるように、射程距離までこっそり近づいて様子をうかがう。


 ジュエルタートルはほとんど動かないが草を食べるためにくちをあける。そのタイミングをカウントすると約30秒ごと。タイミングを逃さないように静かにカウントを図る。


…………27


    …………28


         …………29


 今d……っ!


『システムメッセージ:スキル「隠伏」を1Lvで獲得しました』

「ぢゅふっ!」


 なんか機械なのに変な息漏れたよ! てかタイミング悪ぃなぁ、おい! いや、ある意味タイミングいいのか? いらないよそんなタイミングの良さはっ!


 ひとしきり心の中で突っ込んでから、ジュエルタートルのほうを確認したが、此方を一瞥しただけで再び草を食み始める。


 相手のAIがおおらかなのか、それとも手に入れたばかりの隠伏スキルが役に立ったのか。何とか見つからずに済んだようだ。


 気を取り直して、カウントを取り始める。


…………27


    …………28


         …………29


 よし、口が開いたっ!


 リンゴーン♪ 『マニコより着信があります。応答しますか? YES/NO』


 天・丼・か・よ・っ・w


 俺はタイミングをずらされて、また狙撃の機会を逃してしまう。


 つーか今日は入れないんじゃなかったのかあいつ? と思いながらもYESの文字をタッチした。


「あ、ゼット? 今大丈夫だった?」


「いや結構大丈夫じゃなかったけど、まぁ気にするな。で、何? 今日は入れないんじゃなかったの?」


「なんかごめんね、ちょっとだけ時間できたからさ。ゼットに聞きたいことがあってそれだけ聞いたら落ちる」


「なんだよ改まって?」


「いやさ、リアル……友達? が一緒にこのゲームやりたいって言ってるんだけど、拠点に私の領域使うからさ、一応ゼットにも話通しとかなきゃと思って」


「あぁ、そういうこと。全然大丈夫。つか、俺のほうも今日知りあった人と一緒にやりたいですねって話しててな。そっちは大丈夫か?」


「そうなんだ。うん、こっちも全然OKだよ。てか、このあたりで出会うってどんな人たちなの?」


「それは会ってからのお楽しみだな。一応、俺らと同じモンスタープレイヤーだ」


「うん、楽しみにしとく。あ、もう落ちなきゃだから切るね?」


「おう、んじゃまた明日」


「うん、また明日ね」


 あ~、何というか、また明日といえる相手がいるというのは実にいものだな。この年になるとリアル友達と会う機会も少なくなって、また明日なんて言う機会がないもんな。職場? ボッチではないけど別段仲のいい奴もいないしな。集団の飲みには付き合うけど、個人で飲みに行くやつはいない感じ?


 と、そんなこと言ってる間に目の前にちょうどいい感じでカウントスタートできそうな獲物がいるな。


 よし三度目の正直。


…………27


    …………28


         …………29

 今度こそっ!


 すかさず開いた口をめがけてディスクを発射する。うまくいったホールインワンだ。


 ジュエルタートルはいきなり口に入ってきた異物を吐きだして、体を甲羅の中に引っ込める。しかしもう遅い。ディスクはしっかりと口の中を傷つけたらしく、ジュエルタートルにははっきりと毒状態を表すエフェクトが付いていた。


 待つこと約三分。


 甲羅にこもりっぱなしだった首と手足が外にだらりと出てきて、ほぼ同時にジュエルタートルはドロップアイテムを残して光の粒子になって空気に溶けていく。


「さて、ドロップアイテムな何かなぁっと」


 ストレージに入れて名前を確認する。


『何かの原石』


 未鑑定アイテムか……明日マニコに鑑定してもらうかな?


 とにかく今日は狩りの日と決めてるんだ。アイテムの確認や検証は後回し、狩りまくるぞ!


 と、勢いで単調作業の様に亀狩りを繰り返していたら、スキル「精密動作」を獲得した。


 どうやら機工士スキルの派生の様で、スキルを使用したパーツ作成や、狙撃などの細かい動作を必要とする行動を行う時にTECへ修正が入るスキルであるらしい。


 これを上げていけば自分の技術では作れないような細かいパーツも、図面さえ引ければ作ることが可能になる。本職の技術や出ない自分にとって、これは大きい。


 戦闘面では、最終的に前衛を目指したい自分としては、やや使いずらい部類に入るか。まあ、しばらくは飛び道具便りなのでお世話になるだろう。


 あと、延々格上を狩り続けたせいか、SPが結構伸びて452になった。これで、念願のディスクグラインダが使えそうだ。


 新素材もいろいろゲットした。


 例の「何かの原石×21」を筆頭に、石亀の甲羅×3、石亀の鱗皮×15、鈍色の苔×7、虹色の砂×1と主に土、石系の素材に偏っているがなかなかのものである。


 なかなかの成長を遂げた実感と新素材ゲットのホクホク感を胸に、俺は拠点へと帰るのであった。


ちょい、短いけどきりがいいので今回はこれで。


新しいキーボードに慣れてないので(←いいわけ)誤字が多発しております気がついた方がおられましたら報告していただけると嬉しいです。

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