閑話:新人たちと親睦を深めよう
短くなってしまったし、ほぼ会話のみなので閑話ということで。
「第一回、すろ~らいふ・モンスターズ新人歓迎狩り大会!」
キャー、ドンドンパフパフ!
マニコのマニコの号令とともにチンドン屋装備で盛り上げる俺。それを見んてU子が大笑いしている。
「なにそれー、チョーウケルんですけどー」
「あ、あの、そんなに笑ったらダメなんじゃないですか……?」
「いや、これは笑いをとるための装備だからな、ペコリカも存分に笑ってくれていいぞ」
「あ、その……すみません……」
「ですよね~。タイミング逃したら~笑いって引いていきますよね~」
「笑いを強制するなんて、ゼットくんは芸人の風上にも置けませんね」
「げ、芸人じゃないし」
「実験のたびに持ちネタ披露してるじゃない。十分芸人でしょ?」
「だから、別に死ぬのは持ちネタじゃねぇって言ってるだろ!」
「みんなで楽しもうっていう姿勢は、評価できると思うよ」
「マ……マニコ……」
「ただ、スベってることも多いよね」
「マ……マニコ……」
「あはは、皆さん仲がいいですね。羨ましいです」
「ぺこっちもその仲間じゃん。ま、新人同士仲良くやりましょ」
「ぺ、ぺこっちって私のことですかぁ。なんだか照れますね」
「お、あだ名か? いいぞあだ名は。仲良しの第一歩だ。俺にもつけてくれよU子」
「んー……ゼットn……」
「それはだめだ!」
「エーなんでよ~」
「なんでもだ、他ならなんでもいいけど、それだけはだめだ」
「んじゃ、思いつかない。からゼットはゼットね。他のメンバーには全部つけてひとりだけ仲間外れなんだから」
「んんん、まぁ仕方ない、あの名前で呼ばれるのだけは絶対に阻止しなければだからな」
「最強怪獣の名前にどんなトラウマ抱えてんだか……で、今日はこの人数で狩りに行くってことでいいのね、そんな獲物がいるところってあったっけ?」
「コボルトたちからの依頼でな。餌を採取している場所にジャングルジャガーが大勢うろつくようになったから退治してほしいってことだ」
「え? コボルトたちってしゃべれたっけ?」
「こつこつ教えてひらがなならかけるようになったのさ。そして依頼書を作ってくれたのだ」
「平仮名だけで~、なんだか読みにくいですね~。でもぼいん代わりの肉球判がとってもかわいいです~」
「だろ? わざわざエヴァさんに書式作ってもらった力作だぜ」
「うわ、しかも何に書いてあるのかと思ったらこれ、カメの皮よね? 羊皮紙ならぬ亀皮紙ってわけ?」
「濃い茶色地に白い文字で書かれていて、そこもキュートだろ?」
「これがカメの皮って知らなけりゃね」
「はーい、それじゃー、親睦会兼ギルド発足以来初のクエストに出発だよー」
ということで、俺たちはコボルトの木の実採取場に向かうことにした。




