貧乏日常。
「なっ!ヤンチ君っ野良犬!保険所に電話!」舞
「ああ・・友達の家の犬だ・・」ヤンチ
「ヤンチ君、人が路上で倒れてる!救急車!」舞
「ああ・・寝てるだけだね・・」ヤンチ
「なっ!、道路で、たき火してる!」舞
「ああ・・ここ車の通り少ないし・・」ヤンチ
「あれっ?ヤンチ君、こっちに、手~振ってるよ、友達?」舞
「・・・知らないおじさん。付いていったら駄目だよ・・」ヤンチ
「ちゅっ、中学生が、路上にコタツだして、麻雀してる・・」舞
「ああ・・ゼロちゃんか・・」ヤンチ
すべてが、カルチャーショックの舞
「んっ?おおー。舞ねえ」剛健
「あっ!剛健君お久しぶり・・って・・何してるの?」舞
剛健は知ってる舞。
んで、路上で、裸でホース持ってる剛健。
「風呂だよ風呂。」剛健
「うん。まだ寒いのに根性あるよな。さすが剛健」ヤンチ
「えっ?えっ?」舞
って、剛健が、公園の水道にホース繋いで水浴び
「・・・シャンプーまでしだした・・」舞
「うんっ清潔が、大事だよね。」ヤンチ
「えっ?いやっ・・・」舞
んで、ゴシゴシタオルで、体まで洗い出す剛健
「・・・なんで、家で入らないの・・寒いのに・・」舞
「ああ・・ガスと水道止まってるんだって」ヤンチ
普通払いに行けばって思うが・・・
当然理由があるのだろう・・お金に困ってると・・
「・・・どうして、みんなこうなの?黒月って・・」舞
「運が無いんだろうね・・バカだし・・」ヤンチ
誰もが好きで貧乏じゃない・・
「・・・家行ってもいい?ヤンチ君の」舞
「・・・・・・・」ヤンチ
無言のままのヤンチ
「・・・ごめん・・別に、変な意味で行きたいって訳じゃ・・」舞
「・・うん・・・でも、嫌いになると思うよ・・・」ヤンチ
舞も聞いてはいる。ヤンチの家も貧乏だと・・
「もう、よっぽどの見てるし、大丈夫だよ。
それに、そんな事で嫌いにならないよ。」舞
「・・・・うん。ありがと。じゃあ、ちょっとだけ・・」ヤンチ
長屋が立ち並ぶ一角。
車さえ入って来れない場所。
「すごい・・裏道だ」舞
「いやっ、超、表道。ここじゃあ、国道。」ヤンチ
狭い路地にひしめき合う民家。
まるで迷路のよう・・
そして・・
「わっ!」おどろく舞
「・・・」ヤンチ
「すみません・・明日には、必ず・・」
「いい加減にしろよ、土下座してもらっても、一円にもならないんだよ!」チンピラ
(暴力団だ・・恐い・・)舞
「スッ」
「なっ!ヤンチ君っ」舞
ヤンチが、そのチンピラに向かって歩いて行く
「ドッ!」
「なっ!このガキっ何しやがるんだ!」チンピラ
ヤンチが行き成りチンピラを殴打
「なっ!止めなさい、ヤンチ!」
(えっ?)舞
「ヌラ・・」
「うっ・・・」チンピラ
「・・・明日来いって、言ってるだろ・・
明日、かーちゃん給料日なんだ・・」ヤンチ
(おっ、お母さん!)舞
「くっ・・分かったから、その物騒な刃物仕舞えや・・」チンピラ
ヤンチが、ナイフをチンピラに突きつける。
なんとかチンピラは退散。というより、少しすでに刺していたヤンチ
「ただいま、かーちゃん。これ、俺の彼女ね」「パンッ。パンッ。」
ヤンチが、土下座したせいで汚れた母のズボンをはたきながら。
「はっ始めまして、舞です。無月中の二年ですヤンチ君とは・・」舞
簡単な挨拶を済ませて家の中へ。
「ごめんなさいね。お恥ずかしい所見せてしまって」母
「いえっ。」舞
どこにも、色々な事情はあるもの・・・
「お父様が、早くに亡くなられたとか・・」舞
「ええ・・借金だけ残して。」母
「舞ねー(舞姐)、ウチも昔は無月に住んでたらしいよ」ヤンチ
まだ、ヤンチが物心付く前
「ちなみに、ウチ、黒月じゃあ、中の下だよ」ヤンチ
「・・・何となく、わかった・・さっき歩いて来て・・」舞
公園で風呂・・路上のたき火で暖を取る家族・・
ガスが止まってる所が多いのか、いたるとこに立ち上る夕飯の煙。
ここだけ、まだ、昭和初期で止まってるような・・
「いつでも、別れてあげなさいよ。こんなお嬢様騙してから・・」母
「ばっ!騙してねえよ」ヤンチ
「ははは。私が好きですから」舞
少しまた、絆が、深くなったような・・
帰り際・・
「・・本当に黒い・・」舞
「月ね・・。もう、煙が充満してるのかな?」空を眺めるヤンチ
だんだん夜が深くなるにつれて、黒くなる月
(んっ?ヤンチの声だ・・)
月が黒く見えるから黒月。
「チュっ」
「んんっ!」ヤンチ
「・・・っ」舞
(うわぁ・・もう駄目・・んなタイミングで、チューしてくるなんて・・)ヤンチ
「ふふ・・」舞
ぶち抜けてくる、愛情表現。
不意を突かれれば、いつもよりさらに早くなる鼓動・・・・
恋愛は舞が圧倒的に悪党・・
「見たっ!チューしやがって・・しかもエロかった・・」家の窓から顔出してる剛健
「うっ」ヤンチ
「わっ!剛健君・・ハズい・・見られた・・」舞
駅まででも、何か心配なので、無月まで送る事に。
とりあえず駅に向かうヤンチと舞。
また、黒月駅周辺は、ガラが悪い・・
激戦地である、不良の。
そして、遠くで見てる数人
「・・・なんだ?あの、フリフリの服・・」ジャギ
「だせえ、普通プージャーキティサンだろ?」
(プーマのジャージにキティーちゃんの健康サンダル。主にピンク色の)
「似合わねーよ、ヤンチ君には」
「お嬢様ねえ・・」
「ありゃあ、ホルモンも食ったことないな」
(ん?ジャギグループだ・・)ヤンチ
「恐いね・・不良って・・。」舞
「・・そいつの方が、もっとイカれてんじゃねえか」
「・・黒月始まって以来の悪党だよな・・」
「・・・・・・」ヤンチが立ち止まり、その声の主を冷めた目で睨み付ける
「やっ・・ヤンチ君・・」不安そうな舞だが・・
「くく・・恐ぇ、恐ぇ」正宗
「始まるぞ、明日から・・」誠
二年の二人。
「・・・・・・・何が?」ヤンチ
「くく・・じゃあな」正宗
「俺も最前線で、目立ちたいな・・」誠
何も言わず、あっさり、去っていく二人
「ヤンチ君・・行こっ・・」舞が、ヤンチに絡まった腕を引っ張る
「・・・・・・・」だがまだヤンチは、顔だけ振り返り二人の背中を見たまま・・
(恐いから・・男の人が殴り合うのを見るなんて・・
でも、動かないヤンチ君の足・・ヤンチ君・・・)舞
「振り返るなよ・・誠・・絶対まだ見てるぞ(ブル・・ブル・・)」少し震えてる正宗
「ああ・・なんちゅう、睨み・・(ブル・・ブル・・)」こちらも震える誠
普段は、かわいい顔したヤンチだが・・
不良なら、分かる・・・
ヤンチの恐さ・・・
たまに出る本物・・何年かに一人の逸材・・
悪党のカリスマ・・・
~~~次の日~~~
「一年に舐められてどうすんだ!お前等は、うまくしてやるから、潰せ!」
「くく・・さすが伝説の教師。使えるものは何でも使うな・・」火村
「不良特別選任体育教師か・・」アン
「んで、一回辞めたのに、また、この荒れた一年の為に復帰ね・・」狂犬
「本当、悪党教師だな・・」田淵
三年は、かつかつ知ってる伝説の悪党教師。
「シャアっ!行けやお前らっ!」アン
「ケツは俺が、拭いてやる」火村
「俺も参戦するぞ」田淵
「・・・・・」狂犬
三年の不良達
「よしっじゃあ・・」正宗
「ああ・・まずは、秩序をだ・・」増本
「くく・・いいアピール合戦になるな」ヒデ
「俺が一番輝いてやるよ・・」誠
「さあ。始めますか・・一年潰し・・」横沢
二年の不良達
「じゃあ行くぞっ・・」
「ああ・・」
「ボンタン狩りじゃあああああああ!」