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黒月  作者: 火村虎太郎
武蔵黒月出撃門 赤姫争奪戦
40/42

もっと強くなる為に・・


「行けええ!ヤンチ!」

「おお!殺せ!殺せ~」

「しゃっはは!これが王政復古じゃ!」


「がんばれっ!火村さんっ」

「まだ行けるっがんばれっ!」



(・・何・・・)



「しつこいな~。疲れちゃうよ・・」ヤンチ

「・・く・・そぉ・・くそぉ・・」火村


「とどめ、とどめ~」

「派手にぶっ飛ばせ最後!」


「火村さんっあんた黒北の番長だろ!」

「一年に負けるなんて絶対許されないんだよ!」

「頼むっ。がんばれ・・がんばれ・・火村さん・・」



(火村さんが押されてるのか・・・)


(えっ!?)


火村さんが、押されてる?


じゃあ・・


俺は?


「・・・気づいたか・・正宗」岸

「えっ・・岸・・それに山田・・」正宗


まだ激闘・・いや、いたぶられてる音は聞こえる


「うぐわあああ」火村

「ははっ根性だけか~黒北の番長は!。」ヤンチ


岸と山田に抱きかかえられて見える光景


「ドッ!」

「がはああ!」


矢貫に殴られて、吹っ飛ぶ火村さんが見える。

それでも、何度も。何度も立ち上がり・・


「・・・・ぉ・・・・ぉ・・」火村

「もう、何言ってるかも、わかんないよ・・止めないの?」ヤンチ


「止めんっ。まだ心が折れてない。」二代目

「うん。」覇王



「・・すまなかった・・誠も死んだんだってな・・」岸

「ああ・・ぐすっ・・俺ら・・知らなくて・・それに・・」山田


怖くて・・一年にやられるのが・・


「・・もう、遅ぇよ・・・」正宗

「うう・・うぐっ・・すまん・・すまん正宗ぇ」岸


「・・俺・・負けたのか?・・何も記憶が無い・・」正宗

「・・・負けだ。」岸

「それでもがんばったよ、二発まで耐えてた・・」山田


じゃあ・・


「たった三発で沈んだのか俺・・・俺の攻撃は?」正宗

「・・・・・・・」岸

「・・一発も・・」山田


なんてこと・・・

これほどの熱い気持ちで望んで、根性さえあればどうにかなると・・

誠もアン先輩も俺に力を貸してくれなかった・・


今、やっと、気づく。体が重い・・顔に腹・・


(痛い・・顔が二発に、腹に一発か・・)正宗


「パコン・・」


「おお!火村の反撃が当たった!」

「いやっ、弱い。もう威力さえない」


「・・・・・・・・・」ヤンチ


「やっ・・やべえ・・本気モードになるぞ」剛健

「死ぬぞ・・火村」ゼロ


まだ本気じゃないらしい・・

もう次元が違う。中学生が敵う相手じゃない・・


「シャカ・・シャカ・・」ってヤンチが動けば音がする、だせえ格好


「俺、あんなのに負けたのか?」正宗

「なあ・・考え方だが・・」岸

「ああ・・」山田


耐え抜くのが俺らの使命・・いや修行なんじゃ・・


「そうすれば、今は、まだ無理でも・・」岸

「ああいつか、あいつらも超えるような」山田


不良に。


「後一年、あいつらにヤキ食らい続けるか・・」正宗

「根性つくぞー。もう先輩も居ないしな来年」岸

「ああ・・耐え切ったら、でかくなるぞ俺達」山田


だから・・


「もう一度・・正宗を頭に・・」岸

「ああ・・来年の黒北の番長は正宗しかいないしな」山田


番長・・・俺が・・黒北の・・



「ドっ!」


「うわああああ!やりやがったアイツ!」剛健

「知らねーぞ俺!」ゼロ


ヤンチがまさかの・・


「なんで!止めねーんだ!このやろう!

 お前の目は、節穴か~!」ヤンチ


「くっ・・このガキ・・」二代目


ヤンチが二代目を殴打


「・・いやっ・・お前の言うことが正解だ・・よしっ・・」覇王


「まった!・・・」火村

「ひっ・・火村」二代目


何度も何度も立ち上がってくる火村


(負けさせたくない・・次の黒月愚連隊の総長を担う男・・

 なのに、どうして・・たかだか一年に・・)二代目


二代目は、来年わずか15の火村を総長にしようと・・

先輩のガンや、飯塚も同じ考え。

やっと出てきた突き抜けた存在。天才。


だが、それが、今・・


「それ以上の天才が居るってことだ・・」覇王


見るも無残に・・顔面はすでにボコボコ



「あと・・一発・・」火村


「あと一発?」二代目


「あと、一発まで・・耐えられる・・・だから・・」火村


止めないでくれ・・・


(何の意味も無い・・だが、まだ残りの気力尽きるまでやると・・

 たった、一発のために・・だがこれが、番長の意地・・)正宗


「よく、見ておこうや・・」岸

「ああ。本物の不良の生き様・・」山田


そう・・本物だ。この人は・・

純粋で、硬派で・・強くて・・根性もすごくて・・

悪い所なんて一つも無い。

あるなら、不器用な所くらい・・


いつも後輩にも、無言で金投げつけてジュース代くれるような人だ

本当はケンゾー君やアンさんとも仲良くしたいのに、

番長だからって、変に距離とって、冷めた番長像作って・・




「じゃあ、殴れや!ほれっ」


ヤンチがそういって頬を出す。


「おお・・もしでも、この一発をねじ込めば・・」

「大逆転?」

「だが、耐えられたら、次の攻撃に火村さんは耐えられない・・」


「ふっ・・時代が悪かったのかな・・」火村

「俺の時代の近くで生まれたのがな」ヤンチ


「いいのか?ぶち込むぞ・・」火村

「先輩の根性に敬意を・・」ヤンチ


「よしっ・・行けっ火村」二代目

「耐えろ~ヤンチ」剛健


「・・・・・」覇王


「ポク・・」


「・・・・・・」ヤンチ

「・・・・っ・・」火村(すまん・・愛・・俺・・弱いわ・・)


終わった・・・

なんとも弱いパンチ

僅かに、矢貫の顔面に触れただけ・・



すぐに矢貫が打ち込む・・躊躇無し・・


「バゴンっ!!!」


「ドっ・・」


僅かな意識

倒れてもまだ僅かに、伸びる手

目も、相手も追う

きっと立ち上がろうとしている・・



「・・・・手当て・・」覇王

「はいっ」二代目



まだ誰も声を上げない・・


負けざま・・

無様じゃない。


そう教えてくれる。火村・鬼丸・ケンゾーと。


「・・離せ・・」


火村がすぐ意識が戻り・・自らの足で立ち

抱えて連れて帰ろうとする取り巻きを離し。


「・・来年は・・正宗・・

 そして、再来年は・・矢貫・・頼むぞ・・黒北を・・」火村


「・・押忍・・」ヤンチ

「押忍っ!ありがとうございますっ」正宗


最高の言葉だ・・


「うん・・」二代目

「うん・・じゃあ・・」


「勝者・・・矢貫ぃ!」覇王


「おおおおおおおお!」



長い激戦が終わった・・

もっと、せめて根性出して・・いや、勝てると思ってた・・

背負った物のでかさで・・



「うわああんん」ヤンチ


「・・・・・」正宗


「うわああん・・やった・・やった」ゼロ

「うぐっ・・うぐっ・・王政復古したぞ・・」剛健


一年達が泣き出す。

それを、鬼丸とケンゾーがなだめる。


きっと、俺よりもっと大きな物、背負ってたんだろう・・


「矢貫・・すまなかった・・兄貴の事は・・鬼丸も・・」二代目

「いえっ・・それは、初代と米谷の事なんでもう・・」鬼丸


後で聞けば、矢貫と鬼丸の兄貴は初代と米谷達に殺されたと・・


「正宗・・行こう・・」岸


もう、お邪魔だ・・

最後のイベントには・・


「ああ・・行こう。新しい未来へ・・」正宗

「へっ。バカヤロウがっ!」岸

「ああ。ほれっ肩使え」山田




もっと強くなる為に・・

新しい未来へ。


夢乗せて・・


お前の分まで。


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