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黒月  作者: 火村虎太郎
武蔵黒月出撃門の戦い 最終決戦
36/42

最悪の・・終戦

まだ激闘の熱が残る出撃門


(この隙に、出てみるか・・いやっ、出たところで、

 小月にスルーされて、結局ヤンチ戦か・・)コー


「・・・・・・」米谷


「・・俺の、意見待ちね・・」覇王

「かと・・」二代目



「気づいている奴も居るが・・」覇王


すでに黒北は敗北。コーは争奪戦のみ参加可能。

裏切った誠だが、使用権利は小月。誠が勝てば小月の勝利とみなす

そして、次の戦いは・・


「この天才ヤンチに小月が選択しろ・・」覇王

「ですね。」二代目


ヤンチ 対 米谷・増本・正宗・誠


「・・・・誠だ!次は!」増本

「当たり前じゃ、ボケが!死んで来いやっ!」石田


ざわ・・


そりゃ、そうなる。裏切り者を餌食に・・


さすがに、もう小月の輪の中には戻ってない誠



「待てっ!!キャンセル。てか、代表の俺の言葉じゃないっ今の」米谷

「・・・まあ、いいだろう。あくまで大将の意見でな」覇王


(ほうっ・・以外に頭いいな。気づいたか?)鬼丸


「・・次は、正宗」米谷


ざわ・・



「・・・・・はいっ」正宗


「どうして?先に裏切り者の誠を潰すのが・・」

「いやっ・・正宗も裏切ると読んだのか?」

「なるほど、先に出しとけば・・」


「踏み絵だ・・こりゃ~・・」ゼロ

「うんっうんっ」ジャギ


正宗が前へ・・


(読まれてたか・・まあ、一緒か・・

 唯一の狙いは、先に増本か米谷が出た時に前に出ようと思ったが・・

 これじゃあ、俺、何にも仕事出来ねえ・・

 唯一出来る事は、この後輩になるべく体力使わさないように・・)正宗


ワンパンで負ける・・


終わる・・あっけなく。このビックイベントが・・

無様に後輩に殴られて・・・一発で・・


(いやっ・・俺の不良人生が終わる・・

 二代目も見てる・・後輩にワンパンでやられるような奴は・・)正宗


黒月愚連隊に入れてもらえるわけがない・・


(だが、俺が勝てば、王政は終わり。黒月愚連隊も米谷に・・

 二代目も追放・・ガンさんや火村さんの時代も来ない・・)正宗


「うおおおおっ」

「どうした!どうした!」

「何やってんだ!」


(くくく・・)ヤンチ


僅かに動く足・・


「・・・冗談だろ・・・」

「またか?・・」

「こりゃ・・おかしくなるぞ・・」


微妙・・・


「どいつも、こいつも、俺を舐めてんのか!」米谷

「くそガキ、このやろう」石田


待っていたヤンチ・・


(くく・・そうそう・・これで見えて来た俺の勝ちが・・)ヤンチ



「・・・うん。いいだろう。じゃあ、始めろ!お前等!」覇王


「おおお!」

「何なんだ!?これ!」

「バカな・・」


ヤンチより先に前に出た・・



「もし、一度だけ俺たちが殴り合うなら・・」誠

「くく・・ここだろうな」正宗


「今日の俺は、ノッてるぞ、正宗~」誠

「ああ。」正宗



第五戦 正宗 対 誠



(くくく・・潰せ潰せ~

 理想は正宗がこれに勝って増本まで取れば・・

 いやっ無理なのか・・)ヤンチ


正宗が勝っても、正宗 対 増本になるには、

先に増本が出て、その時にヤンチより先に正宗が前に出る事


(無理か・・絶対先に出すのは正宗・・)ヤンチ



「くそっ!やられた!」石田

「増本~用意しとけよ」米谷

「押忍っ」増本


(結局接戦になった・・だが、有利はまだウチ。増本に俺。)米谷

(ギリの勝負か?増本はヤンチ戦は勝ちには来ない・・

 手負いにするか、体力を奪いに来る・・)鬼丸


猛者との二連戦は非常にキツイ・・


だが・・


「チラッ・・」と赤姫の方を見るヤンチ


もう、先のことを考えている・・


これが引き分けなら・・


(俺・コー・火村・鬼丸・正宗・誠・・・。そう、争奪戦は・・)ヤンチ


負けた者だけ脱落。


(まだ権利が有る・・鬼丸君に火村も・・だが出るのか?鬼丸君・・)ヤンチ


が・・予期せぬ出来事が・・


「うおおお!」誠

「うがあああああ」」正宗


「えっ!すっ、すまん正宗っそうだった!」誠

「うぐうううぐ・・」正宗


「何が?・・」

「足?相当痛がってるぞ」


「そういえば、コーが、正宗の足へし折ってたな・・」ゼロ

「完治じゃなかったの?正宗君」ジャギ


(くく・・ナイス誠。これで、カッコが付く・・

 俺はまだ、怪我持ちだから負けたってな・・)正宗


(うまいな正宗。もう完治してるのに。よしっ俺が勝って・・)誠


「・・・止めろ!」覇王

「・・・・・・・」二代目


(それ来たっ)正宗

(よしっ。理想は引き分け・・)誠


(くだらねえ・・結局くそ先輩だったが・・残念だよ・・)ヤンチ


「・・・・無効試合だ・・権利も何もかも無し」覇王


(うっ・・)正宗

(嘘だろっ?気づいたのか?)誠



「不良の風上にも置けない奴等だ・・」覇王

「・・・・気づかないわけがない・・残念だよ・・

 少しは出来る不良・・後輩が居たと思ったのに・・」二代目


「ここは、ガチンコで戦う場所だ・・」覇王

「でもっ!俺たち同じ仲間で・・」正宗


「・・・・・・・・」覇王

「並べっ・・」二代目


「うっ・・」正宗


「ドギャ!」「ドギャ!」


ヤキ・・


「・・すまんね・・流れを止めて・・」覇王

「いえっ・・ちゃんと、裁いてくれるんですね。」米谷

「・・すみません・・俺が、しなければ行けない事を・・」火村


「どうなるんだこれ?」

「でも、それじゃあ、用意した小月が損なんじゃあ・・」

「ああ。裏切るって分かってなかったし・・」


「ふんふん・・」覇王

「確かに裏切るって分かってたら、他も用意出来ましたし・・

 まかせます・・判断は・・」二代目


(まずい・・なんてことしてくれたんだ・・)鬼丸

(よしっ!よしっ!よしっ!理想は・・)米谷


「そうだな・・小月の兵隊はみんな怪我持ちみたいだし、

 急遽ってなるとあれだろうから・・」覇王

「ですかね・・」二代目


「まあ、二人ってなると、王政にも悪いから・・

 どうだろう?米谷・・石田復活で、一人だけど」覇王


(しゃあ!理想!)米谷


「ええ・・まあそれで・・覇王さんが言うのであれば」米谷 (かかか)


(何が!それでだ!必死で笑い堪えてるじゃねえか!)鬼丸


だが、王政側は・・


「そりゃないぜ!ずりいよ!」

「反対!反対!復活反対!」


隠れて言ってるけど、きっと、ゼロとか・・


「別にいいけど・・」


「や・・ヤンチ・・」ゼロ


「うん。じゃあ・・」覇王


ヤンチが、発言。もうこれで確定・・石田復活。


(うん。気にして気持ちを下げるような男じゃない。

 勝てばいい。お前なら勝てる)鬼丸


これで、ヤンチ 対 米谷・石田・増本 が決定。



「ああ・・それと・・」


覇王が正宗と誠の方を向いて・・


「お前等、卒業したら、月、追放な。」覇王

「そっ・・そんなぁ・・」正宗

「バカな・・」誠


「早く消えろ!お前等に、この戦いを見る権利も無いっ!」二代目


どうして、こんな事に・・

たった一回、出来レースしようとしただけで・・



「スッ・・」


「・・・・・」覇王


ギャラリー側から現れて、頭を下げて、正宗と誠を連れて帰る男・・


「アン・・」火村

「俺の責任だ・・くだらない真似しちまった・・」アン


「なるほど・・アンの派閥・・後輩か」二代目

「ふんふん・・じゃあ・・」覇王


アンも、卒業後、月、追放。


「では・・」アン

「うぐっ・・うぐっ・・」正宗

「うう・・うう・・うぐっ」誠


せめてまだ泣きたくなかった・・

だが立ち去るまで、堪え切れなかった・・


誰もが無言でこの三人が立ち去るのを眺める・・


(くだらない真似か・・そうだよ、お前が出ればよかったんだアン)火村


(ほぼ、五分じゃねえか俺達・・火村・ケンゾーアンで・・

 戦わずに・・くすぶったままで終わるなんて・・バカヤロウが・・)ケンゾー


くだらない真似、戦略を立てたアン。

正宗と誠を使い、場をかき回し

自分は捕まって来れない振りで、最後に現れ手負いの火村を取ろうとした・・




「うう・・先輩っ・・すみません・・すみません・・」正宗

「うぐっ・・うぐっ・・」誠


何もかも終わる・・・

この残りの激闘も見ることもできずに・・

これほど、ふがいない事はない。ただ涙が出てくる・・

先に歩く憧れた先輩の背中が、悲しく見える・・

誰よりも黒月愚連隊に憧れた三人の夢が終わる。


だが、先輩は必死で堪えている。


声を出すのを・・


後ろから見てて分かる。


たまに顔を拭う手・・

カクカクと震える肩・・


最悪の・・終戦。

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