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黒月  作者: 火村虎太郎
武蔵黒月出撃門の戦い 最終決戦
33/42

勝てっ!くそ先輩!


「なっ・・なんだこれ・・」

「ひでえ・・・のの君・・」

「マジか・・・」


始まった、石田 対 誠


「よええ・・」

「こんなにも弱いのか?のの君」

「いやっ、石田さんが強すぎるんだろ」


「うぐっ・・うぐっ・・」誠


すでに倒れて、蹴られている誠

無様にガードしてるだけ・・



「ふ~・・止めるか・・」覇王

「・・・ですかね・・・」二代目


見てて分かる、圧倒的力の差・・


「まっ・・まだっ!・・」誠

「あたり前じゃ、ぼけっ!殺してやるよ」石田


「・・・・・折れては無い・・か」覇王

「・・ですね」二代目


まだ目がギラギラと・・


「バッ!」


「おお~、何とか立ったぞ」

「でも、立っても・・」

「ああ、さっきもワンパンで倒れたしな・・」


そして、

喧嘩の弱い・・知らない奴が、やっと肝が据わってよくするのが・・


「うおおおおお」誠

「ははは」石田


ただ頭から突っ込んで行く・・

何か、これが、根性みたいな・・

あいつ、頭から突っ込みやがったぞ・・とか言われる・・予定。


「うおっ!頭から突っ込みやがった」

「ああ、やっぱ根性あるな」


って、喧嘩あんまり知らない奴は騙せる


(くだらねえ・・圧倒的力量差だったら、目潰しか、金的・・)ゼロ

(本当に喧嘩弱いな・・こいつ、それって・・)井伊


だが何度も、何度も・・


「うおおおおお」誠

「ちっ、面倒くせえな・・」石田


以外にこの突っ込みは、実は攻撃ではなく、防御なのだ。

石田からしてみれば、決定打を打ち込めない状況・・

ただ、突っ込んで来たのを、横に払い蹴りを出すくらいしか・・


(くそっ、下手にパンチだしたら、俺の拳が折れちまう・・)石田

(やりにくいな・・頭にパンチが当たったら、下手したら折れる)米谷

(まさか、それを狙ってるのか?)ヤンチ


喧嘩を知ってる奴は、こう思えてきだす


そして、唯一、誠が勝てるかも知れないのが、この・・


下手に怪我したくない・・こんなカス相手に・・

無駄な体力使いたくない・・


(もう、合わせるか、突っ込んで来たところを横からパンチで)石田


「うおおおお」誠


(くく・・来たっ・・ここ!)石田


「ドッ!!」


「・・つー・・・つぅー・・・」誠


「ボタッ・・ボタッ・・ボタッ・・」と、流れ出てくる鼻血


だが、必死で声を押し殺す。

少し荒い息づかいの音だけで。


(血っ・・恐いっ・・止まらねえ・・なんだよこれ・・

 病院っ・・正宗ぇ・・誰か止めてくれよ・・)誠


だが、動きが止まれば攻撃が始まる。


「死ねやー!」石田

「うわああああ」誠


無様に後ろに逃げる誠


「くそだな・・騙されたよ・・何もかんも・・」

「じゃあ何のために裏切ったんだよ・・」

「あれで、黒北?だせえ・・」


「まだ、終わってねえだろうが!」火村


(だせえ・・あいつのせいで、黒北の格も下がる・・

 一番の恥は、火村・・後輩がとか言ってわざわざ一番前で・・)ヤンチ


一番前で地面に座り込んで見てる火村


(黒北なら見せて見ろやっ)火村


だが・・


「うわああ」誠


「てめえ、コノヤロウっ逃げんじゃねえよ」石田


「ぶはははは、なんだありゃ」

「必死で逃げてるよ、わはははは」

「早く決定打殴られて終われよカスっ!」


「うっ・・う・・うう」誠


「ぶははは、泣きやがったぜ」

「これだけの人の前で泣く根性のほうがすげえな。ははは」

「おいっ、がんばれよ~クソカス野郎!」

「居るんだな、黒北にもポンコツがよーわははは」


拭う涙・・

これだけの大勢の前で・・

ただ逃げ回って・・


黒北以外の者は大笑い


「おらっ」石田

「ドッ!」


「痛っ!うぐっ!うぐっ・・」誠


ただガードしてるだけ・・必死で隠す顔・・


「おめえ、クソだせえ真似すんなや!黒北だろうが!」コー


(コー君も、イライラしてる・・)ゼロ


「くっ・・そうだ!早く引っ込めや!

 黒北の恥晒しっ!弱いなら一丁前の不良気取るんじゃねえぞ!」ヤンチ


(ヤンチまで・・そして、俺も押さえ切れない・・)ゼロ


「覚悟があって、全員不良してんだよ!

 痛がるくらいなら、最初っから出てくるんじゃねえ!」ゼロ


遠くで見てるイイと愛


「・・・どうしたの・・あいつら?ヤンチまで・・」イイ

「・・・先輩がやられてるのが、悔しいのよ・・」愛


「・・そうなの?でも敵じゃあ・・」イイ

「それでも、まず先に、同じ学校の先輩が、やられてるってのに・・」愛


くそ、ムズムズする・・


「どれだけ、俺達が修羅場くぐって来たと思ってんだ!」コー

「何度喧嘩で俺等が死にかけたと思ってんだ!」ゼロ

「どれだけ、俺達が涙流して、生きてきたと思ってんだ!」ヤンチ


お前に何が分かる!?

不良の覚悟・・辛さ・・

簡単にここまで辿りついてねえ・・

かっこよさだけで、くだらねえ不良気取るんじゃねえ・・


さっさと・・


「負けろー!」「負けろー!」「負けろー!」 ヤンチ・コー・ゼロ


(勝てっ!先輩っ。どんな汚い手~使ってでも!)ヤンチ

(力に変えろ!後輩にバカにされてるぞ!行けっ!)ゼロ

(黒北なら勝て!勝てっ!くそ先輩っ)コー



「くっ・・くそ一年が・・

 うおおおおおおおおおお」誠



もう、恥ずかしくもクソもねえ・・

負けてやるっ。



「ガードしたまま体当たりを繰り返せ!」火村


「はいっ!」誠


(ちっ・・的確・・決定打を防ぎながら、相手の体力を奪う・・

 だが、石田も飛び切りの喧嘩屋・・どうする?)米谷


丸まった体で突っ込んでくる誠


決定打を打ち込むには、脳を揺らすこと・・


顎・・

もしくは、戦意を喪失できる、鼻をへし折るか・・

急所の耳・・


どれも、小さく、このガードした誠では、当たらない。


こうなると、二段階になる。

まず、ガードを下げさす・・

とにかく、強力な一打を打ち込めば、自然と、手はそこに行く

腹・・腕・・足・・

体が痛がれば、すぐに、手はその場所を押さえだす・・


血もそうだ・・

バラがよく使う手だ。

血が大量に噴き出れば、誰しも、手で押さえたくなるし

戦意も落ちる・・


だが、飛び切りの喧嘩屋なら・・


(俺なら、膝・・・一番硬い所で、ガードごとぶち壊す・・)ヤンチ

(膝だ・・突っ込んで来たとこに合わせれば、ガードの腕でも折れる)米谷

(飛び膝・・ガードの間を狙って・・外れてもガードをぶち破る)鬼丸


「飛ぶぞっ!!!」火村

「えっ!?」誠


「ばっ!くそっ!」石田


えっ・・・・


一瞬顔を上げ、動きの止まった誠。

タイミングが、ずれた石田。


まだ石田は飛んで着地前・・

しかも、飛びながら上げた右膝のせいで、次の体勢が取れない。

まず左足だけで着地してから、右足が地面に落ちてくる、変な体勢・・


もし、誠が石田に打ち込めるチャンスがあるのなら・・・



ここ。



「打てぇええぇぇ!!」火村


「はぁいっ!」誠


渾身の・・一撃を。

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