もう一度なんて、言えねえよ。
「おおおおお」
見てる奴の盛り上がりとは反対に・・
「・・うっ・・動かない?」
「いやっ・・もう明らか・・」
火村が一発を狙ってる・・
「肩脱臼してんのか?」
「ああ、ダランとしてるな」
(ちっ・・カウンター狙ってやがる。俺が突っ込んだ所か・・)鬼丸
(来いや・・一発で決める・・もうガードもしねえ・・いや、できねえ)火村
まだ距離を取ったままの二人
「・・だが、近づかなければ、倒せない」覇王
「・・・ですね」二代目総長
「かかかっ・・」米谷
(ちっ・・正直まずい・・あっさり負けろ火村さん・・)正宗
(これじゃあ・・小月が勝っちまう・・)誠
実際の残りは、
小月 米谷・石田・増本
王政 ヤンチ・鬼丸
黒北 火村・コー
正宗・誠は、あっさり負けるつもり。
次戦・石田は確定
この石田戦に黒北・王政はスルーを使える。
だがどちらも人数が少ないので・・
(もし俺が勝ったら?)鬼丸
動かず止まってるのは、この星計算もしてるから・・
(石田に対して次の選択チームウチ、ヤンチでスルーしたら
石田 対 コーが確定・・勝者はきっと石田・・
そうなれば、小月5人に、ウチが俺とヤンチ・・)鬼丸
(・・一応最悪の事を考えよう・・もし鬼丸君が負ければ・・)ヤンチ
石田 対 ヤンチが確定。
(んで、俺が勝ってもその次は・・)ヤンチ
火村でスルーして小月もスルーで、ヤンチ 対 コー
さらに、勝っても・・・
(全部俺だっ・・まずい・・)ヤンチ
最悪、7連戦・・
(黒北魂・・・。今完全に、ノーマークの・・・)火村
左で打つ・・・
(絶対に当たる。だが、どれだけほぼ外れ掛けた肩で押し込めるか・・)火村
「・・こりゃ・・火村さんあるぞ・・」正宗
「・・・どうして?」石田
「鬼丸は知りません・・いや、あまり仲の良くない王政の連中も・・」正宗
「・・何を?」石田
両利きの火村
「なるほど・・だから強いのか・・」米谷
「どっちでも打てるのか・・」石田
(・・・・万全・・左腕が高い。肘で顔面をガードするつもり
引いた右腕・・鬼丸君も一撃を狙ってる。
もう、次の事考えてる・・無駄な体力を消耗しないこと・・・)ヤンチ
「・・・スっ・・・」動き出す鬼丸。だがゆっくりと
「ちっ・・」火村
(そう、最善・・万全・・熱くなってない。冷静。)ヤンチ
「・・・ダッ!」
「えっ!」ヤンチ
(なっ!裏かいて飛び込んできやがった!)火村
少しニヤけたままの鬼丸が突っ込む。
(俺が・・・)鬼丸
(くくっ・・)火村
「貰ったぁあああああ!」火村
「うぬっ!?」ヤンチ
喧嘩を知ってるヤンチが見れば気づく・・
一番先に気づいたのはヤンチ・・
火村の足・・
先に一歩前に踏みこんだのが右足・・
「ガゴっ!!」
「うおおおおおおおお」観客
「・・月、最強の・・・鬼丸だぁ・・」鬼丸
「・・・・・・」火村
(負けた・・・)コー
「すげえ・・・」ヤンチ
(こんなにも強いのか・・・)火村
鬼丸・・・
「・・・・止めやがった・・」石田
「なんだ・・あの体勢・・」米谷
不意打ちで、渾身の左を打ち込んだ火村
鬼丸は・・
「体反転して、ガードに使った左で左を受け止めた・・」ヤンチ
今、体勢は、鬼丸が火村に背を向けた状態で左手で火村の左拳を掴んだ状態
「トリッキーだな・・」覇王
「ありゃ、強いわ・・」二代目
これで、接近戦に・・・
「がはあああ!」火村
「よしっ!さすが鬼丸君」ヤンチ
「くくく・・踊れやっ・・」鬼丸
「ごぱぁああ!」火村
まるで火村が踊ってるように・・
「なっ・・殴られるたびに、軽く浮いてねえか・・?」
「火村が倒れるの堪えてるから、そう見えるんだよ・・」
殴られた方向に体が流れるが、倒れるのを堪えて戻ってくる火村の体
そして今度は逆に打ち込む鬼丸・・右へ左へと・・
(くそっ!くそっ!)火村
「がんばれ!火村さんっ!まだ行けるっ・・」コー
(くそっ・・もうそれしか言えねえ・・ジリ貧・・
もう、渾身の一発を狙う場所もねえ・・
けど・・これが・・・)コー
「うおおおおおお!」火村
「チッ・・」
「うっ、かすった・・」ヤンチ
「ほうっ・・」鬼丸
「おおお!当たった!鬼丸の鼻から血!」
黒北魂・・
もう、顔面は腫れあがってる火村
圧倒的・・・鬼丸が強い。
「・・止めるか?もう?」覇王
「・・すいません・・もう少し・・」二代目
(火村っ・・火村っ・・)ガン(前黒北番長)
散れっ・・・
もう、咲き乱れた・・
「うおおおおお!」火村
「くく・・」鬼丸
「がはあああ!!!」火村
「くくく」鬼丸
(負けられねえ・・勝つんだ・・・)火村
「もう、いいっ。火村さん、倒れろ!
もう、アンタが強いのは、ここで見てる奴全員分かってる!」コー
「うおおおおお」火村
「くくく」鬼丸
「・・・死ぬぞ・・」覇王
「本望かと・・」二代目
「これが、番長同士のタイマン・・」イイ
「・・・・・・・」愛
「番長の意地か・・」ゼロ
「かっこいいよね・・ウチの番長も・・」ジャギ
(火村さん・・火村さん・・くそカッコええ・・)正宗
(これが、黒北の番長・・憧れの・・)誠
「負けられねえんだよ!うおおおお」火村
「くくく」鬼丸
「がはああああ!」火村
「踊れっ・・まだ倒れるな・・」鬼丸
俺の最強のライバルよ・・まだ・・倒れるな・・
「うっ!やべえぞ」
「もう、ふらついてる、倒れると決まるぞ」
「違う意味で踊りだした・・」
倒れるのを必死で堪えてる火村
右へ左へ、後ろへと、ふらふら・・そして・・
「うっ・・」膝を地面に付く火村
(決まったこれで・・。でもアッパレだ火村さん・・)コー
(・・ここ。・・だが・・鬼丸君は・・)ヤンチ
動かない。絶好の決定機だが・・
「・・来いっ・・まだだ・・」鬼丸
「くっ・・うおおおお!」また突っ込んで行く火村
(勝つっ!勝つっ!勝つっ!勝つんだ!
だせえかもしれねえ・・いやっだせえ・・
でも、お前がもう一度チャンスをくれたんだろ?
不器用な俺に・・・・カッコが付くように・・)火村
勝って・・
もう一度、お前と・・・
赤姫・・




