渾身の一撃を・・・
接戦・・・
お互い負けられないプライド
(くそっ!早めに決着付けないと・・)火村
押している火村だが
「かかかっ、理想の展開だな」米谷
「ああ・・長引けば長引くほど・・」石田
小月の有利だ
どっちが勝っても手負いの獅子・・
(まずい・・ここで接戦だと、もう、ウチの勝利は無くなる・・)コー
火村が勝ってもこの手負いでは、せいぜい後倒せて大物一人。
だが王政復古も同じ事なのだ・・
そろそろ星の計算をしだす者達
(これで、ケンゾー君が勝っても・・)ヤンチ
(ケンゾー君で、正宗、よくて増本まで・・
鬼丸君で石田、よくて、米谷・・
いやっ勝てるなこれ・・)ゼロ
結局、ヤンチと米谷になりそう?
「ぐっ・・・」ケンゾー
(よしっ、いい所入った)火村
ケンゾーの動きが止まる、喧嘩で接戦の場合、以外に効果的なのがボディーだ
お互い熱くなって、倒しにかかってるから、顔面ばかり狙う。
そして、そこそこ喧嘩できる奴なら顔面ガードしながらの攻撃だから・・
ガラ空きのボディー
「ケンゾー君っ!来てるよ!」ヤンチ
(わかってる・・見えてるよ・・だけど・・)ケンゾー
「がはあぁ!」ケンゾー
動かない体
「くっ・・うまい・・またガラ空きのボディーに行った・・」鬼丸
「以外に技術派だな火村・・」ヤンチ
(ヤバイ・・倒れたら終わる・・)ケンゾー
喧嘩で倒れれば、すぐに飛んで来るのが顔面への蹴りだ。
手でガードしても、ガードごと吹っ飛ばされる
(ケンゾー君っ・・)イイ
見てる・・あいつが・・
だせえ真似は出来ない・・
「もらった~」火村
(来た・・・)ケンゾー
突っ込んで行くケンゾー
「ガシっ!!」
「くっ!」火村
「おおー組んだぞ!」
抱き合った状態
いわゆる、クリンチ
(うまい・・だがクリンチ状態は、体力のある方・・腕力のある方が・・)ヤンチ
圧倒的有利、そのまま自分の優位になる体制に押し倒せるのだ
「ぐっ・ぐっ・・ぐっ・・」
喧嘩知らない連中から見れば、何やってるんだろうと思える光景
相撲取って遊んでるような、地味な戦い
だが、倒せば・・
「倒せっ!ケンゾー君!」ヤンチ
「火村さんっ倒せ!」コー
倒して上に乗れば・・マウントポジションを取れば、ほぼ決着だ・・
「うおおおおお」火村
「うおおおおお」ケンゾー
「ドっ!!」
「うおおっ横っ!」
お互い引かないもんだから、掴んだまま真横に倒れる二人
(どうなる?見たことも経験もないぞ)鬼丸
先に、起き上がるべきか・・
先にもう一ひねりで、上に乗るべきか・・
二人の出した選択は、
「ドガっ!」
「っ・・」
「・・・・・・」ヤンチ
「・・・・・・」鬼丸
決着・・・あっけなく・・・
五分じゃなかった・・
横に倒れて五分だと思ってた誰しも・・
だが、違った・・
手前が火村。奥がケンゾー。
倒れたのは、左・・・
たまたまなのか、狙ったのか・・
そこからお互いが出した答えは倒れた状態からのパンチ・・
相打ち・・
だが、利き腕は・・
「・・火村の勝ちだ・・」二代目
「おおおおお!」
上にある利き腕で殴った火村、
なれない左で殴りに行ったケンゾー。
意識無く倒れこんだままのケンゾー
「アンラッキー・・」ゼロ
「いや・・お互い分かっていたから、横に揺さぶってた・・」ヤンチ
「・・・・・うんっ。大丈夫だよケンゾー君。」イイ
それでも、クソかっこいいと思えるから大丈夫だ・・
まだ目も、睨みつけたままで・・
しばらくして意識の戻るケンゾー
「・・すまん・・」ケンゾー
「いやっ、アッパレ・・」鬼丸
「うん。名勝負だった」ヤンチ
「かかかっ・・」米谷
米谷の笑いが気になる・・
「つつ・・」火村
「くっ・・火村さん・・」コー
火村も、そこかしこを痛めた模様
小月の理想的展開
そして、次の選択権は火村派・・
当然コーが出るが・・
「誠でスルー」米谷
「くくく・・」石田
まあこうなる・・
「どうする?向こうはあと、一回スルー出来るから・・」ケンゾー
まず、鬼丸でスルーしたとしたら・・
次は、また火村の再登場。ここは確定
で、小月が石田でスルーすれば・・
火村 対 ヤンチ戦が確定・・
「こりゃ、おもしろくなるぞ、小月が選択を間違えたら・・」井伊
「何々?」ゼロ
火村にヤンチが勝てば・・
「次、米谷が確定・・」井伊
「おおっ、後、二戦で決着が付く!」ゼロ
「ヤンチでスルーだ!」鬼丸
(うん。頭いいな)覇王
これで、火村が確定。
「・・どうする?」石田
「・・・・」米谷
スルーすれば、火村 対 鬼丸確定だが・・
(俺でスルーすれば・・ウチは次が石田で確定・・向こうはどっちか・・
んで、負けても、残り、俺、増本・正宗・誠と、鬼丸、矢貫か・・
正直これでも、いい勝負・・)米谷
鬼丸なら、誠・正宗・増本の三連戦でも・・
(結局、最終決戦になるのか・・。理想は・・)米谷
石田で鬼丸を取る事。
そして、残りの人員でヤンチを手負いの傷にさせて・・
(俺が矢貫を取れば決着・・・となると・・)
「俺でスルー!」米谷
「おおおお」
これで、火村 対 鬼丸が決定。
圧倒的有利すぎる戦い・・
すでに、あの倒れた時ので左肩を痛めて上がらないほどの火村
そして、現・月のトップと思われる鬼丸・・・
「遂に、ぶつかるのか・・」
「すげえ戦い・・」
「ある意味、メインカード・・・」
因縁の対決・・
黒と白がぶつかる・・
(黒北魂じゃ・・)火村
黒月の意地・・・
正統後継者・・
何か誇り高く立ち上がる火村
「簡単には、行かねーか・・・・」鬼丸
「うん・・何か腹くくった・・きっと・・」ヤンチ
いきなり相打ち覚悟で来る・・
(もう、それしかねえ・・負けても、それが一番カッコがつく。
普通にやってもどうせ負ける。唯一可能性が有るのが・・)コー
引き分け狙い・・いやっ下手すれば勝てる・・
渾身の一発狙い・・
「気をつけて・・鬼丸君・・」ヤンチ
「ああ・・普通にやった方が楽だったかもな・・」鬼丸
死ぬ気の火村・・・
最後の炎をぶつけて来る・・
もう、チームが勝つことも諦めている。
ここ・・この鬼丸戦にすべてを・・
「始めろっ!」二代目
「おおおおおおお!」
渾身の一撃を・・・




