やっちった・・・
「くっ、倒しても倒しても!くそったれー」コー
「くそったれ、もう俺も出るぞ!
かわいい後輩が、やられてるの見てられるか!」火村
(コー・・・嫌われ者だけど以外に真っ直ぐな熱い男なんだな・・
それに比べ・・)ヤンチ
「行け~剛健~」バラ
「ぶち殺せ~黒北の裏切り者を!」アン
「・・・・・・っ」ヤンチ
「グっ!」
「・・・・・」ヤンチ
「・・今、出ようとしただろ・・」
腕を掴まれるヤンチ
そう、鬼丸とケンゾーだ
「・・・さすが先輩です。すべて、読んでます?」ヤンチ
「遅れてすまんな・・ちょっと裏工作してたんでな・・」ケンゾー
「ああ・・来たぞ・・米谷も・・」鬼丸
「うっ!」ヤンチ
ついに米谷も現れる。
石田と共に・・
「ふ~・・兵隊で勝つのは無理だったか・・」米谷
「それが一番リスクが無かったんだがな・・」石田
火村の参入などで、もう僅かな兵の小月。
それは、黒北も一緒だ・・
(結局、こうなるか・・)ヤンチ
「・・・もう今日決めようや・・・」米谷(火村疲れてやがる今なら楽勝)
「くっ・・」火村
「鬼丸君・・ケンゾー君・・どうすれば?」ヤンチ
「・・・明日だ・・・明日、生き残りタイマン決戦だ」鬼丸
「ああ、代表・・まあ、残りの猛者出してな」ケンゾー
「・・・もう、いいよ・・バラちゃん・・」ヤンチ
「・・・・・・ふっ・・」バラ(気づいてたか・・)
(今っ!)ゼロ
「ガッ!」「しゃあ捕まえた!ゼロちゃん!」二号
「うっ」バラ
「ドガァ!!」
「うっ・・・ぜ・・ろ・・」「ドっ・・」倒れるバラ
「コノヤロウ!裏切りやがったな!」石田
「この、くそ一年が!」米谷
「うわあああああ」「ドギャ!」「ドっ・・」倒れるゼロと二号
「ちっ・・」米谷
「ゼロちゃん・・」剛健
(・・・・・・)ヤンチ
(はいっ。パーフェクト。くくく)正宗
(よしっ。踊ってるぞ。俺達の手の中で!)誠
「・・・・・」ヤンチが正宗を睨みつける
「・・ニタ~~」っと笑う正宗
「・・・明日だ・・代表はここに来い・・」米谷
ここ出撃門で・・・
最終戦・・
生き残りタイマン戦?
「クソは、もう付いて来なくていいぞ」火村
帰りだした火村に付いて行かない男が二人
「・・・・・」増本
「・・・・・」正宗
「マジか!?アンタ等」剛健
「プッ!」
「仁義もくそもねえな」パッキンが唾を吐きかける
「・・・・・」正宗
「・・勝てば官軍・・」増本
(そう・・だが負ければ賊軍・・不良人生が終わる・・)誠
(アンは、あくまで火村派か・・どうせ、明日来ないはず・・
どうせ、二流の不良が使う手だろうな・・)ヤンチ
(パッキン・・あっぱれ・・お前が居ないと小月の兵隊を潰せなかった・・
両拳が、腫れ上がってる・・もう限界だったか・・)鬼丸
(くく・・大物一人落としただけで十分か・・)米谷
(折れてやがる・・。もう、パッキンは明日は無理。出たとこで、
この猛者共とのタイマンならすぐ負ける・・)石田
「ダラン・・」
「・・・・」パッキン
自分の腕を上げて見るが、拳に力が入らず、ダランとたれる
「ガッ」「ガッ」
ヤンチと剛健がそれに気づき、
すぐパッキンの手を取り、タオルなどでグルグル巻きにする
「・・・すげえっす・・両拳折れるまで殴り続けたなんて・・」剛健
「・・お疲れでした・・パッキン君・・」ヤンチ
「・・・ああ」パッキン
もう本人も分かっている。
もう、無理。
だが、鬼丸・ケンゾー・ヤンチを無傷で最終戦に出す事が出来た。
ゼロと二号も王政復古が手当て・・
だが・・
「いい・・どうせ、寮帰ったら、ヤキだ・・」二号
「・・ゼクっ・・すまん・・」ゼロ
二号はそれでも寮に戻らなければ・・
ペナルティーが待っている。
最後尾でフラフラと歩いて帰る二号
(出来た・・構図が・・きっちり)ヤンチ
ヤンチ・鬼丸・ケンゾー・剛健
火村・コー
米谷・石田・増本・バラ・正宗・誠
小月 対 火村ヤンチ側なら 6対6・・・
(正直微妙・・誠は弱いが、こっち側は、火村・コー・剛健と連戦続き・・
大体、どんなルール?勝ち抜き?そんなのやった事無いぞ・・)ヤンチ
明日の放課後・・決着が付く・・
「ピピピ・・」
(んっ?メール・・イイさんから、会おうか・・か)ヤンチ
ヤンチは赤月へ
~~~赤月~~~
「おいっす」イイ
「うんっ」ヤンチ
「・・・・」イイ
「・・・・」ヤンチ
どうしてだろう・・
付き合ってるはずなのに・・
前より、ギクシャクしてるって言うか・・
あれ以来、会うのもまだ三回目だ
「・・手でも握るか」イイ
「あっ・・うん・・」ヤンチ
まあ、あれ以来キスなんかもした事がない
まあ、いつも目に焼き付けて、帰って妄想はしてるが・・
(かわいいな・・やっぱよく見ると)ヤンチ
こっちを見てない時は異様に見てしまう
「明日か・・」イイ
「うん・・井伊大丈夫?バラちゃんにヤラれたとか・・」ヤンチ
今日の事だったらしい。あの出撃門に来る前にバラが井伊を襲撃
「・・どうするんだろ・・もう戻れないよね・・」ヤンチ
「無理だろうな・・でもしょうがないよ、どの先輩を選ぶかは自由・・」イイ
不良なんて、どの先輩に付いて行くか・・
どの後輩を早めに抑えるかである。
誰だって、先輩には頭の上がらないもの、
このヤンチや剛健だってそうだ。
たとえ鬼丸やケンゾーが悪党で間違った事してても付いていく。
先輩は裏切れない、恐いもの・・正しいと思えるもの・・
「・・絶対最後まで出るなよ・・」イイ
「・・・でも、よくルールが・・」ヤンチ
「簡単だよ。タイマンしていって、最後残った奴が勝ち」イイ
「んで、愛さんと、付き合える?・・・」ヤンチ
「・・だな」イイ
「・・・・」ヤンチ
「ピピピ・・」
「あっ、メール。明日のタイマンのルール?」ヤンチ
「どれどれ?」イイ
~~~タイマン決戦~~~
一戦ずつ行う。
誰がまず名乗り出るかは自由(チームで順番に)
それに対して誰が出るかも自由
もちろん同じ派閥同士でも構わない。
対戦相手が名乗り出ない時は、次のチームの者が名乗り出る。
引き分けは両者負け
兵を残していても頭が負ければそのチームは全員終了
~~~~~~~~~~~~~
「えっと・・まず、例えば、王政1番・火村2番・小月3番なら?」ヤンチ
「まず、王政の誰かが出る。それに対して、出るのは誰でもいい。」イイ
「んで、次が、火村から一人出て・・」ヤンチ
「誰もやりたくなくスルーしたら、
次の小月から一人、それに対して誰かが出る・・」イイ
「火村不利?」ヤンチ
「だな・・というより、米谷がなるべく出ないようにか?」イイ
単純そうで複雑そうだが・・
「やれば分かる・・まあ、この同じ派閥同士でもってのは、
愛の争奪戦も兼ねてるからか・・」イイ
「うん・・」ヤンチ
少し長めにイイの方を見つめる
「・・・・・・・・」ヤンチ
「・・・・・んっ?どうした?」イイ
その視線も外れる・・
「・・・・・・」ヤンチ
「・・・・・・」イイ
今、言うべきだろうか?
俺が頭おかしいんんだろうか?
どうして?ギクシャクしてるから?
すでに俺も引き込まれているの?
「・・・俺も・・参加したいっ・・・・愛さん・・争奪戦・・」ヤンチ
「・・・・・もういい・・バカっ!」イイ
やっちった・・
いっちった・・
うつむいたままのヤンチ
勝手に帰り出すイイ
ずっと、うつむいたままのヤンチ
もうあれから何分経っただろうか
不意に近くから聞こえる声・・
「・・・がんばれよ・・ヤンチ」イイ
「えっ?・・うわああんイイさん・・」ヤンチ
何時からか、戻って側に居てくれたイイ
最高に尊敬できる先輩だ。
~~~次の日の黒北の朝~~~
「うおっ!ヤンチ気合入ってるな」剛健
「髪真っ赤に染めてやったぜ」ヤンチ
「ヤンチ君がんばってね!」ジャギ
「がんばれヤンチ」女子
「すまんねヤンチ、俺等、力不足で」ハヤシ
「いやっみんな、よく戦ってくれた、ありがとう」ヤンチ
怪我人だらけの一年
「剛健放課後までしっかり体休めてろよ」ヤンチ
「おうっ、今日ホルモンも、持ってきてるぞ!」剛健
「いっぱい食って気合入れてけよ!」ハヤシ
~~給食の時間~~~
「ジュ~」
「ほれっ焼けたぞ」剛健
「タレ頂戴~」ヤンチ
「・・・・マジか?あいつ等・・」正宗
「緊張感ねえな・・」増本
屋上で焼肉してるヤンチ達
「アンさん、パクられたって?」増本
「ああ・・公務執行妨害・・今日来れねえ・・」正宗
(出た出た・・聞こえた・・いや、聞こえるように言ったのか・・)ヤンチ
負けるのが嫌なら、出なければいい。
それも、不良として格好がつく言い訳で・・
「キ~ンコ~ンっカ~ンコ~ン」
今日の授業もすべて終了
「ヤンチ、私達はさすがに、行けないから、ここで」ジャギ
「おうっ」ヤンチ
下手な不良は人数も多くなると思うので、見物も禁止に
まあ遠くから眺めるだけだ。
そりゃそうだ、黒月愚連隊の人間から、
その上のヤクザまで来る。もし、負けたほうが、約束を保護にしないように
二代目が頼んだ事。いわゆるコミッショナーは第三者の大物に任すのが一番だ。
「円陣組むぞ!」剛健
「おうっ!」ハヤシ
「うんっ」ジャギ
(円陣?)ヤンチ
一年の不良特別学級の者が剛健の音頭で円陣を組み・・
熱き思い・・仲間意識・・せめて俺達の気持ちも乗せて・・
不良特別学級で出会えた奇跡・・
行けっヤンチ。行けっ剛健。
「おうせ~~~いっ・・・ふっ」剛健
(えっ!?もしかして、全員で、『こっ』!?)ヤンチ
(うそっ・・ダサイ・・どうしよ?言うの?)ジャギ
(マジ?誰かが言い出した瞬間に、いやっそれだと遅いか!?)ハヤシ
「こっぉおお!!」剛健 一人バカでかい声で・・
「・・・・」ヤンチ
「・・・・」ジャキ
「・・・ぉ」ハヤシ
くそ、ムズムズする・・・
今年一番の、やっちった・・
少し早足すぎましたが、次話から最終決戦です。




