緊張感・・
誰もが感じている・・・
抗争は近い。
ちょっとした小競り合いではなく、もっと、大きな・・
不良の意地・・
この熱い情熱がすべて焼きつくような
~~黒北二年の校舎~~
「・・正宗・・もう・・」
「分かってる・・」正宗
覚悟・・
岸と山田は入院。誠の仕業・・
「だが、正直ウチ・・火村連合が一番弱い・・」
「・・・パッキンの兵隊(白月)も王政復古に付くか・・」正宗
「まあ、そうだろ・・」
簡単に人数見ても・・・
黒北火村連合 15人
小月 30人
王政復古 30人
「でも、やるっ。王政復古は後回し・・」
「ああ・・言うなれば、共通の敵が居る・・」
打倒 小月
特に、二年・・・
誠狩り。
「小月に入っただけで、ああも変わるなんて・・」
「・・・・」正宗
~~三年の校舎~~
「火村どうする?二年はもう、始まったぞ。俺も全力で火村を応援する」アン
「・・・・」火村
(米谷か・・・・昨日ガンさんから・・・)火村
~~昨日の夜~~
黒月
「お疲れさまですっ!」火村
「おうっ」ガン
ガン・去年の黒北の番長で黒月愚連隊のメンバー
誰も居ない夜中に呼び出された火村
「・・お前を俺は買っている・・」ガン
「はいっありがとうございます」火村
似たようなタイプである。素手の喧嘩にこだわるスタイルにしろ・・
「憧れてますんで・・ガンさんの背中見て・・追いかけて・・」火村
黒月愚連隊に入りたい・・
「だが・・」ガン
「本当なんですか?その話・・」火村
来年卒業したばかりの米谷が次の総長確定・・
「となると・・」火村
「来年・俺等、高2世代・・そして、高3世代も、米谷の下に・・
当然、お前が卒業して黒月愚連隊に入っても・・」ガン
「バカなっ!なんで、ガンさんが、俺等とタメの奴の下に!?」火村
憧れの先輩が年下の兵隊に・・しかも小月の無月出身の奴に・・
しかも、もし米谷が継げば、18の引退まで三年間総長?
となると、来年・再来年と、ガンが引退するまでガンは・・
「じゃあ、ガンさんの総長って時代は・・」火村
「来ない・・・」ガン
当然、現役メンバーはそれを良く思わない
ガンの一つ上の世代。こっちの方がガンより悲劇だ
僅か15のガキに18歳が兵隊として使われるなんて・・
当然、策を練る・・米谷より、総長にふさわしい逸材が居ると・・
火村を押し上げる。せめて同じ黒北の者に・・
「飯塚さんが・・」火村
「ああ・・俺も同じ意見だ。」ガン
ガンの一つ上の黒北番長である。現・黒月愚連隊の親衛隊隊長
火村が一年の時に三年だった飯塚
ちなみに、ガンは特攻隊長である。
「まあ、二つある・・お前が総長にたどり着く道が・・」火村
案が・・策が・・
無月の男に、しかも15のガキに黒月愚連隊など継がせたくない
「俺に出来る事なら・・」火村
一旦、米谷に継がし一年・二年と総長をやらせ、この火村が18の世代になった時に
もう一度、総長の再選・・米谷と火村で。
「でもっ!それじゃあ、飯塚さんとガンさんの時代は来ない!」火村
「だが、バカとハサミは使いようだ・・」ガン
米谷を敵に回すよりか、米谷で勢力を拡大する事も・・
米谷にも強力な兵隊は居る・・小5月・・
これも、当然流れで黒月愚連隊に、
だが、揉めるのは、目に見えている。
当然、火村世代の黒北ナンバー1グループも黒月愚連隊に入るのだ・・
だが、確かに考えようによっては、史上最強の黒月愚連隊になる事も・・
「・・もう一つは?・・」火村
「簡単な話・・」ガン
伝統・・
喧嘩に負けるような奴なら黒月愚連隊には入れない・・
いくら、次の総長が確定だろうとも・・
「木っ端にしちまえば・・」火村
「・・・・」ガン
何も言わずに帰り支度するガン
単車のエンジンを掛けて単車にまたがり
「すでに、上に、飯塚さんと、俺も進言してる・・」ガン
米谷より、いい奴が居る・・
この男も、15で黒月愚連隊を継ぐのに相応しいほどの・・
「・・俺等の時代は、来なくてもいい・・
お前は、俺や、飯塚さんが育てた黒北最高の逸材だと思ってる・・
お前が頭なら、付いていってやる・・」ガン
この男に、15から三年頭やらせて、俺等がバックアップすれば、見えてくるような
二年後に史上最強の黒月愚連隊に・・
そして東京制覇さえも・・
(くっ!先輩っ!先輩っ!)火村
(ふふ・・気負いすぎだ・・まあお前みたいに熱い男が必要・・)ガン
あんな、氷の様な男じゃなく・・
「・・じゃあな」ガン
「押忍っお疲れ様でしたっ」火村
軽く手を上げ走り出すガン
背中に誇り高くなびく黒月の文字
憧れの先輩の背中をずっと見送る
(一敗も出来ねえ・・取るっ・・米谷を・・小月を)火村
俺が15で黒月愚連隊の総長に・・
黒月の意地。貧乏の意地。
そして、この会話を聞いていた男が・・
(ふ~~~・・・俺じゃねえか・・・、期待はやっぱ火村・・だがくやしいが、
とりあえずは、全力でバックアップだ。でないと、俺の時代も来ねえ・・)アン
米谷取りに・・
アンも当然狙うは、黒月愚連隊総長の座
そして、自分が継いだ後は・・
(やっぱり、かわいい後輩・・正宗に継がせてえ・・)アン
~~~昼の赤月の繁華街~~~
ここ赤月にも、緊張はすでに伝わって来ている。
すでに始まっている小競り合い。
だが黒北と小月が、小競り合いで終わるはずがない。
(まあ、赤月は、ウチの番長ももう降りたから、戦火に巻き込まれる事は無い・・
よくて、白月まで・・ここは、言わばセーフティーゾーン・・)イイ
赤月の繁華街の路上でボーっと一人でジュース飲んでるイイ
いくら、小月が出撃門を押さえようとも、一年二年のペナルティーを考えれば、
小月でここに来れるのは、三年生くらい
(ケンゾー君も、抗争が始まるから、しばらく会わないって・・
舞も言ってたな、ヤンチが抗争が始まるから無月から出るなって・・
まあ、無月なら安全。ヤンチと舞も無月でデートすればいいし・・)イイ
誰もが感じている・・
この大きな渦に飲み込まれ出す月を・・
もう関係の無い赤月の不良でさえ、
さきほどから、妙に、周りを気にするそぶり。
何人かで集まって木刀まで所持
(だせえ・・お前等、イキっても、もう関係ないって・・
愛が言ってる事が少し分かってきたな・・)イイ
どうせ付き合うなら飛び切りの悪党と・・
(絶対付き合いたくないな・・あんな中途半端の不良と・・)イイ
この生徒達のカッコつけである。決して来ない敵に、
俺等はやる気だぞー
赤月舐めるなよー
やる事と言えば、まったく喧嘩しそうにない人間に思いっきり睨み利かすくらい
「ふふふふ~ん♪」剛健
(あっ!剛健だ。一人?ご機嫌だな。
はは、ぶち当たれぶち当たれ~ウチの赤月のカスとっ)イイ
遠くから鼻歌まじりで歩いてくる剛健を発見
わずかに赤月の生徒も反応・・
「これっくらいっの~~♪」剛健
(ふふ・・おべんっと、ば~こ~に~♪か)イイ、ジュースを飲みながら眺める
「ブっスが、好き~♪」剛健
「ブーーーーーーーー!!」 口に含んだジュースを吐き出してしまうイイ
「・・・・なんちゅう歌詞付けたんだよ・・・・」イイ
剛健は、こちらまで来ず、途中の店に入る。
そして・・
「うぬっ!」イイ
「ふふふ~ふふ~ん♪」ヤンチ
ヤンチも鼻歌で歩いてくる
「これっくら~いっのっ♪」ヤンチ
(・・・流行ってんのか?黒月で・・・)イイ
ヤンチが剛健と同じ、お弁当箱の歌を口ずさみながら・・
(どうせ、ブっスがっ好き~・・だろ)イイ
「ブっスでっもセ~フっ♪」ヤンチ
(・・・・・思春期で済まそう・・ブスでも行けるって歌ね・・
あっ!剛健が入った店に入った・・待ち合わせだったか・・
ふふ、覗いてみるかな)イイ
そして、聞こえてくる、会話・光景
「ええ~今回の合コンの主催者井伊です。
今日は絶対彼女作って帰りたいです」井伊
「イェ~イ」バラ
「おー」「パチ、パチ、パチ」
「井伊ちゃんありがと、セッティングしてくれて」剛健
「赤月のおねーさんと遊べるなんて楽しいな~」ヤンチ
「へへっ、私ヤンチ君の隣~」ってヤンチの腕組む女子
(あんにゃろー!バカ弟!私の同級生と合コンしてやがる)イイ
どうやら、井伊とバラが、合コンをセッティングした模様
「ちょっ!ちょっと待て!ヤンチ!・・・何やってるんだ?・・
誰だ?その腕組んでる女・・」イイ
(うっ)剛健 (うっ)井伊 (うっ)バラ (うっ)赤月の女子達
他は、よくても、ヤンチは見逃す訳には・・
飛び出したイイ
ゆっくり離れていく、ヤンチに絡まった腕
他の物達は、知らぬ顔でよそを眺める
(うまいこと、言っとけ!でないと舞さんにチクられるぞ)バラ
(任せたお前に!無難なのは、無理やり呼ばれてしょうがなく~・・か?)剛健
(ねーちゃん恐いから女子もびびってるよ・・
人数足りなかったから、仕方なく~・・が無難か?)イイ
「・・・・・・」ヤンチ
「・・・・・・」イイ
何かの攻防が始まっているヤンチ・・
「・・・・これ・・・部活のマネージャー。」ヤンチ
(アウト~)全員
(こんにゃろー!!)イイ
いつだって、緊張感ゼロの、王政復古の主たるメンバー・・
ちなみに、全月(月の地区すべて)不良部らしいです。




