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黒月  作者: 火村虎太郎
第四章 ゼロ
17/42

チャリもアウトです。

前話ですが、小月=こつき。に変えました呼び名。

あと、ゼロがやらした屋上ジャンプは、逆屋上ジャンプに変わってます。

「鉄格子だよ・・クラスの窓が・・」ゼロ

「ぶはは、ほぼ刑務所じゃん」剛健


「通学が、めっちゃさみしいよ、一人で、トボトボと・・」ゼロ


小月学院に通っているゼロ。

普通は、小月の奴は黒北とは仲良くないが、まあゼロは黒月だし・・


「まあ、黒北と数々の抗争してきたみたいだしな」剛健

「らしいね。3~4年に一回大きな抗争になってるって・・」ゼロ


過去にも何度もぶちあたった黒北と小月


「黒5くろごつき?」剛健

「うん。そう呼んでる。なんか、昔5対5でタイマン戦やったから、今でも、

 常に、黒北のベスト5を気にしてるみたいだね」ゼロ


黒北の上位5人の呼び名である。

ちなみに、向こうは、小5こごつきである。


「お~い!赤月行こうや~」ヤンチがやって来て

「おおーいいよー」剛健

「・・・・じゃあ駅まで」ゼロ


「あっ・・そっか、ごめん」ヤンチ

「いやっ、いいから行ってきて。代わりに赤月の奴らシメちゃってよ」ゼロ


とりあえず黒月駅に向かう三人。


「じゃあ。ここで」ゼロ

「厳しいな・・でも、黒北で良かったなゼロちゃん」剛健

「うん。また明日黒月でね~じゃ~ね~」ヤンチ


手を振り見送るゼロ


「さて・・帰るか・・」ゼロ

(うん。小月の生徒か。帰ったな。よし。)駅員


逃走防止・・・


小月の生徒は、電車やバス、タクシーなどに乗る事は禁止である。

乗ればペナルティーで、さらに追加で一年小月で過ごさなければならない。

当然、唯一歩いて来れるであろう黒月駅には強力な監視が。


「きついな・・本当に・・。俺はいいけど、他は・・」ゼロ


~~小月学院の寮~~


「もうだめだ!行くっ黒月でも!」

「ばかっ止めとけって」


寮生活の者は、(というより、ゼロを入れて通いは3人しか居ない)

門限があるので、(こちらも破れば一年延長)

本当に歩いて行って、この門限までに帰って来れるのも黒月まで。

そりゃ、必死で繁華街の赤月まで歩いて行っても、門限には間に合わない。


「タバコ・・ちょっとタバコ買ってくるだけだ!」

「用心しろよ・・本当に、黒北の連中は・・」


カスだ。


小月から、黒月へ向かう道、必死で走って向かう小月の生徒

当然ここに送られるほどの悪なら強力だ。


憧れの下界・・

何もかもある。酒・・タバコ・・菓子・・


「はあぁ・・はあぁ・・」


(あれだ・・入所する時に通った。通称出撃門、あれを、突破すれば・・)


そう、たどり着くのは、出撃門。

まあ、人気の無い、いかにもな所。


「おいっ・・あれ、小月の人間じゃねえか?」

「一年のゼロって奴か?」

「いやっ、別だな・・くくく・・おいっお前等」

「ああ・・」

「遊んでやるか・・」


こうなる。


「頼むっ。あと、20分しかないんだ!」小月の生徒


正直、猛ダッシュで帰っても、15分位


「ドッ!」「バキ!」

「うっ・・ううう」小月の生徒


数人に囲まれ、いわゆる遊ばれている・・軽いリンチだ。


「なんだぁ~根性みせろや!小月だろうが!」

「くくく・・俺がタイマン張ってやるよ」


(うっ!よしっ。これなら。俺も日本有数の悪・・地元じゃ負け知らずだ

 この4人相手に戦うよりか、この頭と・・・)小月生徒


「ギャッゴ!!!!」「ガクっ・・ドっ・・」


ぶっ倒れる、小月の生徒


「うひゅう・・強烈・・」

「一発かよ、すげえな・・」

「さすが火村」


現・黒北番長の火村


(ひ・・火村だったか・・畜生・・先に分かってれば・・

 黒5月のエースだ今の。・・勝てるわけねえ・・)小月生徒



~~~小月学院の寮~~~


「ばかっ・・あと、一分しかねえぞ・・」

「くそっ、何人か、付いて行けばよかったな・・」


門の前で、帰りを見守る他の生徒


「分かってて、嫌がらせしやがるんだよ、黒北の連中・・」

「ああ・・二年・三年は、ほとんど、ペナルティーで延長の連中だ」


今居る、二~三年のほとんどが、門限まで、間に合わない・・

電車や、タクシーに乗るなどのペナルティでの延長組だ。


だが・・


「またか・・だから一年は、行くなっつったのに・・」三年

「押忍っお疲れです」

「お疲れ様です」


ここでも上下関係は厳しい。


「だから、買い物は、金払ってでも、三年に任せろや」

「ですね・・延長ないですし、もう・・」


三年をパシリに使うと言う矛盾に・・

まあ先輩なので、当然お金は払う。

三年にしてみれば、いい小遣い稼ぎだ。


そう、三年ならば、もう、ペナルティー食らっても、延長のしようがない。

だから三年は以外に自由だ。

だが、当然このようなリスクも有る。小月狩り・・



「結局、出撃門の取り合いですか?」一年

「ああ・・あそこを押さえりゃ、帰りのルートが確保される・・」三年


そう・・だから、火村達がこの出撃門にたむろしているのだ。

まあ、順番に回ってくるこの役回り。


これの、奪い合いの抗争が起こるのだ・・


~~~出撃門~~~


「じゃあ、明日からは、アン頼むぞ」火村

「ああ・・」アン


(ここは、好きだとか嫌いだとかじゃねえ・・これこそ正に伝統。

 守って行くもの・・ここが落とされれば・・)正宗


小月の生徒はいつでも、黒月に、なだれ込む事が出来る。


とはいっても、守る時間は限られている。

夕方、放課後から、ギリ門限(19時)に間に合う時間

18時45分まで。

まあ、メインは、放課後すぐの時間だ。

小月の生徒もギリで外に出るリスクは背負わない。


~~小月学院~~


「んで、今の黒5月ってのは?」一年

「くく・・歴代でも、最強じゃねえかって言われてるらしいぞ・・」三年

「ごくっ・・」固唾をのむ一年達。


名前をよく、覚えておかなければ・・


「火村・ケンゾー・矢貫・アン・剛健だ」三年


「矢貫・・・通称・黒北のヤンチ・・」

「ああ・・ゼロちゃんとこの大将・・確か、王政復古ってチームだ」

「剛健って奴もだよ」

「マジか?一年が二人もベスト5に入ってるのか?」


~~~赤月~~~


「もうっ!イイさんケンゾー君と付き合ってるって、先に言っといてよ!」ヤンチ

「そうっすよ。俺等ヤキ入れられたら、どうするんですか!」剛健


「ありゃ・・あんた達でも、ケンゾー君には弱いんだ?」イイ


イイを見つけて、まあ、仲良く遊んでる三人


「だって、本気で、刺すんだもん。先輩でも後輩でも」ヤンチ

「だって、始めて人刺したのが小2だよ。」剛健


家が近所で、子供の頃から狂犬を知ってる二人


「ひどい・・そういえば、いつもナイフ持ってる・・」イイ

「喧嘩強いくせに、いきなり刺す奴って、マジやばいっしょ」ヤンチ

「ああ・・だから狂犬って言われるんだよな」剛健


「そこから来てるんだ?狂犬って・・」イイ


「ああ・・あと、本当に狂犬をナイフで殺してたよ・・」ヤンチ

「ああ・・近所でバカ犬が吠えてて、うるせえ!この狂犬が~!って・・」剛健


「ひどい・・ウチの犬刺されないかな・・」イイ

「いやっ、あの人ならポメラニアンの笑顔にもナイフ突き立てるな」ヤンチ

「チワワは食い物だって、言ってたような・・」剛健


「・・・・・・」狂犬


(ふふふ・・後ろに居るの気づいてないや、二人共)イイ


すでに、後ろでウンコ座りしてる狂犬


「唯一、口にするものが生き血だとか・・」ヤンチ

「ああ・・生まれた時も、母親食いちぎって生まれてきたとか・・」剛健


「日本の行方不明者の半分以上が狂犬さんの仕業だとか・・」ヤンチ

「ああ・・もう懲役くらったら、7千年は確定だとか・・」剛健


「布団代わりに、毎日ダイナマイト抱えて眠るとか・・」ヤンチ

「ああ・・もうちょっと寒くなったら火を付け・・ボンっ!だ・・」剛健


「・・・そろそろ、止めとけ~」狂犬


「・・・てへっ」ヤンチが舌を出し

「・・・てへっ」剛健もとぼけた顔で


(かわいい・・舌出した・・知ってたんだ、居たの・・

 本当仲よさそうだな、ふふ。)笑顔のイイ



この楽しそうな会話を遠くから見てる赤月の生徒


「くそっ・・黒北の汚ねえヤンキー女子と付き合えよ・・」

「ああ。なんでウチの二枚看板の一人と付き合うんだよ・・」

「矢貫にしても、姫の姉貴取りやがって・・」

「まさか双子だったとは・・」

「ああ・・でも、継続中だ。赤姫の月を制した男と付き合うってのは・・」

「でも・・」

「ああ・・」

「まさかな・・」


今、月の地区で、もちきりの話題・・


小月が頭が・・参戦するんじゃ・・・



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