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黒月  作者: 火村虎太郎
第三章 イイ
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14/42

おかず。

何も無かったかのように振舞うのは、こんなにもしんどいとは・・


「遅れてごめ~ん」舞

「うんっ。イイさんに遊んでもらってたし。」ヤンチ


「プリクラまで撮った。かわいいでしょ」イイ


イイが舞にプリクラを見せる。



「はは。浮気記念って」舞


プリクラに書かれた文字・・


(破裂しそう・・今度は心臓が・・)ヤンチ


少し話して、イイは帰って行く。

そして、舞が私もって、またゲーセンにプリクラを撮りに・・


「・・・っ」舞

「へへっ」ヤンチ


絶対撮ってしまう、プリクラでのキス写真。


「ふふ・・せめて来年ね」舞

「はいっ。」ヤンチ(やりてぇえ)


まださすがにヤンチが中一なので・・

中二でも早いような気がするが・・


帰って、まあ、中学生ならやる事は・・

妄想で動く手・・・


(もうだめだ・・イイさん・・うっ・・・)ヤンチ


こっちで・・


~~~黒月~~~


夜。


黒月の端にある。誰も来ないような場所


通称・出撃門


ここ一番の勝負の時は、ここから出陣して行く黒月愚連隊

過去の勝利にあやかった、ゲン担ぎというか・・



「おっ・・おいっ・・」正宗

「おお・・すげえ・・」誠



「気合入れろおらーーー」

「ドっ!」

「押忍っごっつぁんです」ガン


去年の黒北番長ガンが、ヤキを入れられてる光景


「死んだって構わねーぞ!」

「おお」

「押忍」


「一世一代の大勝負だぁ勝つぞ」

「おお」

「押忍」



「すげえ・・フルメンバー出撃だ・・」アンも騒ぎに気づいてやって来る

「あっアン先輩、お疲れですっ」正宗

「抗争・・ですか?」誠


「出撃門からの出撃だ・・多分今日、相手チームとの全面戦争・・」アン

「すげえ・・鳥肌・・」正宗

「ああ・・不良チームが全面戦争なんて・・」誠


中学生からしたら、もう異次元の世界

恐くて、昼間くらいしか行けない東京の繁華街で

不良グループがぶつかる。

地区の代表として・・

誇りを胸に。


(くうぅがんばれよ黒月!)正宗

(黒月はエース級ばっかりだ大丈夫。黒月が一番強ぇ)誠


「特攻隊前に出ろやっ」

「押忍」ガン


「親衛隊っしっかり守れっ」

「はいっ」


「・・・くそだな・・・」ヤンチ

「うるせえよ・・寝てるのに・・」剛健


「なっ!一年っ」誠

「くそは、ねえだろ黒月愚連隊に!」誠


増えだすギャラリーの中にはヤンチも。


「・・特攻隊に、親衛隊ねぇ・・」ヤンチ

「何が悪いんだ・・かっこいいじゃねか」誠


「・・・剛健行ってみるか?暇だし」ヤンチ

「おお~いいぜ。もう寝れねえしな」剛健


(まだ20時だぞ、不良はもっと遅く寝ろよ・・)アン

(行くのか?補導されるぞ・・)誠

(根性あるな・・恐くて行けねえけどな・・)正宗

ヤンチと剛健は夜の繁華街へ電車で向かう。


「・・眠れねえな・・」正宗

「ああ・・なんか、胸が高鳴るというか・・」誠


「ふっ・・俺は帰るぞ・・気になるんなら、凱旋門行ってろ・・

 喧嘩ってのは、あっさり決着付く・・遅くても一時間位だ」アン


「凱旋門か」正宗

「行こうやっ正宗~」誠


凱旋門・・


勝っても負けてもここから黒月に戻ってくるから付いた呼び名

本当は、ヘタレ門・・

勝った時の印象が強いから凱旋門だが・・


しばらくして・・・


「ウォン!」



「うおっ!帰ってきた!総長と、ナンバー2の単車だ!」正宗

「くう~無傷か!かっけーな」誠


すでに飛び交う情報。繁華街での全面戦争は黒月の勝利。

まったく汚れてない特攻服に。先頭で戻ってくる総長とナンバー2のニケツのバイク


「・・遅いな・・他・・」正宗

「ああ・・ガンさん見たいのに・・」誠


~~少し前の繁華街~~


「突っ込め!突っ込め!」総長

「押忍っ!」ガン


「何やってんだ!突破してきたぞ親衛隊!」総長

「押忍っ!」


高1世代が特攻隊で、高2世代が親衛隊である。


絶対に負けられない・・

総長として・・黒月愚連隊の名前にかけて・・


抗争は、黒月が圧倒的に優勢。

不良で一番強いのは、先輩が見ている時の後輩である。


普段・・今までは素手の喧嘩に自信や美学を感じていたのに・・


「ゴッ!!」


「はは、やりやがった、ガンの野郎」総長

「無茶しやがるな、相手の総長の頭思いっきりブロックでしばいたな」ナンバー2


(いつから?・・なんでこんな事に・・俺・・)ガン


いかに、インパクトあるように・・・

単車のケツに乗り、ブロック抱えて来たガン

先輩にも、相手にもアピール。

こんなもので、人殴るのか?・・・って。


「このガキっ!」

「ぶっ潰せ!」

「うわあああ」ガン


恐い・・

やれば、やられる。


だが人数で押す黒月のほぼ勝利。

相手の総長は、ガンに頭割られて、まだ動けない状況・・


「タイマン張れや・・」黒月総長

「くっ・・」相手総長


絶対負けられないから・・・


「・・くそだな・・」ヤンチ

「まあ、気持ち分かるけどな・・」剛健

「だね」イイ


「・・・誰?このきゃわいい、おねえさま・・」剛健

「舞ねーのお友達~へへっ。俺かわいがってもらってるんだ~」ヤンチ


イイが座って見てるヤンチの背中から軽く抱きつきヤンチの顔の横から顔を出す。



~~~戻って凱旋門~~~


「カラっ・・・カラ・・・」


「はあ・・はぁ・・はあ・・はぁ・・」ガン


「・・・・・」正宗

「・・・・・」誠


あれから数十分経って、やっと、特攻隊が帰還


ぶざまに、腫れた顔。汚れきった特攻服。

さらに、相手に壊されたのか、カラカラと、音を立て、押して帰ってくる単車。


それでも、急いでこの凱旋門へと・・


恐いから・・・


抗争には勝ったが、残像を思い出す・・

振り回されるバットや鉄パイプ。

向こうも、負けられない戦い。地域の代表として・・

全員地元に帰れば、各地区の番長クラスのはず・・


それに、もしかしたら、追手があるんじゃないかと・・・


「・・なんか、すっげー後ろ気にしてんな・・」正宗

「ああ・・ちょっと歩くたびに振り返ってる・・」誠


ヘタレ門・・

最短で黒月に逃げ帰る事が出来るから・・



~~~繁華街~~~


「へ~ヤンチ君って、黒月なんだ。」イイ

「すんません・・嘘ついて」ヤンチ

「大丈夫。俺も外じゃあ、赤月って言ってるし」剛健


「それ言いすぎ。自分の顔見てみなよ・・」ヤンチ

「そうかぁ・・じゃあ俺も白月くらいで・・」剛健

「ははは」イイ


中学生の一年と二年が繁華街でただ座ってしゃべってるだけで・・


「おっ地元の連中なのかな?」

「中学生位で、この街でたむろしてるってなりゃそうだろ」

「おしゃれだな。やっぱ」

「ああ。俺等の田舎街とは違うな」


聞こえてくる、街に遊びに来てる高校生くらいの会話


(ふふ・・俺都会っ子~)ヤンチ

(地元だよ~地元だよ~・・って顔!顔!ふふふふ~ん♪)剛健

(まあ・・いっつもだし~このあたりで~遊ぶの~)イイ


まあイイも、たまにだが・・


「イイさん、よく来るのここ」ヤンチ

「んっ?まあ・・ね。」イイ

「ぜってーヤンキーだ・・このお姉さま・・」剛健


まあ、見ればわかるもん。

決して真面目とは言えない格好によく手入れされた髪は僅かに茶色い。

三人でゲーセン行ったり、ドンキ行ったり・・

まあ、ほとんどお金は使わないが楽しい時間。

平日の夜中に繁華街で遊ぶなんて。


「ねえ、見てっ。あれウチの生徒。こんな所で遊んでるんだ~」

黒北の女子が親と一緒に


他にも、親と一緒に、食事にでも来てたのだろうか?黒北の生徒が何人か・・


「ヤンチ君と剛健君だ。かっこいいな。こんな夜中にここでたむろして」女子

「うおっヤンチ君と剛健君。明日話しかけちゃお。居たでしょ~って」男子


だから不良は止められない。

たったこれだけでかっこよく見えてしまう。


「またねーイイさんっ」ヤンチ

「んじゃあ、今日お姉さんをおかずに~」剛健

「ははは、またね~」イイ


電車から降りて行くイイ。


話の途中でイイが赤月だと分かる。

(思い込んでた・・舞ねえと友達で出会ったのも無月だったから・・)ヤンチ



「ふぁあ~・・眠い・・」ヤンチ

「てか、抗争ってクソだったな・・」剛健


「あんなもんなんだろ・・大人になれば、パクられるのも恐いし

 誰かに押し上げられたら、もう、絶対負けられないし・・」ヤンチ


負けないようにするには、人数で押すか、総長自ら喧嘩に出ない事・・



「じゃあな、明日学校くるんだろ?」剛健

「行くよ。じゃあなおやすみ」ヤンチ


不良ならではの会話である。普通は行くものである学校には・・


~~~赤月~~~


(へへ・・かわいいなヤンチ君は。黒月か~。鬼丸と仲良さそうだったし、

 最初白月って言ってたから、絶対白月だと、思ってたな・・)イイ


自宅に帰り、自室のドアを開けるイイ


「ガチャっ」


「あっ!」

「あっ!」


「・・・何やってんだ!クソガキ~~~!!!!」イイ


イイの部屋で何やら物色してる者が二人・・


正座させられる二人。


「お前か!最近私のパンツが無くなったと思ったら!この変態弟が!」イイ


「違うよっ。ねーちゃんのパンツ、すっげーー高く売れるんだよ」井伊

「そうっすよプレミアっすよ。自分も本当は、欲しいくらいっすよ

 いやっ、自分はさすがに、友達の姉ちゃんですから、そんな事しませんが」バラ



「・・・・・お前の・・その頭にかぶってるのなんだ?・・・」イイ



パンツっす・・・



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