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黒月  作者: 火村虎太郎
第二章 ヤンチ
12/42

カリコレ詐欺

先を見ているヤンチ


(くっ・・俺達の世代が黒月愚連隊に入れなかったら、

 こいつらが卒業した時は、黒月愚連隊は、火村さん世代だけ・・)正宗


当然、ヤンチが黒月愚連隊に入らないので必然的にそうなる。


「黒月愚連隊潰しか・・そこまで考えてるか、わずか中一のガキが・・」火村

「・・立ち上げるぞ・・卒業したら・・

 いちいち、上から、上納もカスリ取られねえチームを・・」ヤンチ


(そうっ・・黒月で悪けりゃ、黒月愚連隊の流れだ・・

 だけど、結局、トップに立ってもOBに金取られるだけ・・

 それに、やっと中学卒業しても、またヤキの毎日だ、愚連隊に入れば・・)ゼロ


(・・俺、黒月入りてえのに・・)コー

コーは、やっぱりネームバリューが欲しい。

東京の最前線で活躍するこの黒月愚連隊が・・



(どうでもいいやっ・問題は分け前だな・・)剛健

(俺が勝ったら、一万くらい俺だろ・・へへ・・これで、舞姐と・・)ヤンチ


「・・・お前ら、全員どこ見てんだ?」鬼丸


「はっ」ヤンチ

「うっ」剛健

「んっ」コー

「あっ」ゼロ


全員がよそ向いて考え事。


「舐めやがって・・」増本

「大丈夫だ、増本なら」岸

「ああ・・」ヒデ



(くっ、足痛いけど、見とかなければ・・一年の大将の喧嘩・・

 どんなもんなんだ?三年の田淵さんも倒した実力・・・

 そしてこいつ・・増本を舐めてる・・くく、負けるぞこいつ・・)正宗


増本も、この黒北で何年かに一人の逸材。



「・・・やれっ・・増本」火村

「押忍っ!」増本


「さて・・やりますか・・タイマン・・」ヤンチ



「・・・どっちが強い?増本ってのも強いみたいだけど」鬼丸が小声で・・

「あれ?見た事ないんですね鬼丸さん。ヤンチの喧嘩」ゼロ

「これ、喧嘩かっ?って喧嘩ですよ。華が有りますよ。まあ強いですよ」剛健

「踊ってるんだよな、何か。・・あっ!!」コー


「うわあああああ!!」


「ゴッ!!バキっ!バキャ!ドギャ!ゴッ!ドッ!」



「・・・・・・・」(くわっ)火村が、大きく目を見開く

「・・(ブルっ)」アン少し武者震い


「・・・なっ・・・」正宗

「ま・・増本ぉ・・」ヒデ


固まる・・屋上が・・


「救急車~~~~~~!!」全員が叫ぶ


(ちっ!・・駄目だったか・・まあ、一人クズが片付いてよかった・・

 お前等全員要らねえんだよ・・くくく)不良選任体育教師の塚本


(・・・本当、クズだな・・この教師・・)狂犬


狂犬と同じ場所で隠れて見てた伝説の悪党教師、塚本


「・・・・・」ゼロ

(んっ?何か見てる、ゼロちゃんが・・)剛健が、目線を追って見るがもう誰も居ない


「へへっいただき~」ヤンチ

「くく、殴り合えや、せめて・・・」鬼丸


「これは、ひどい・・」コー

「おいっ俺もボンタン狩りがんばったんだから分け前大めにくれよ」剛健

「悪党だよね・・ここ一番は・・」ゼロ



「くく・・かわいい後輩にしといてよかったよ・・

 また家に遊び来いなヤンチ」鬼丸

「あざ~すっ。これ、ゲスト料で・・」ヤンチが鬼丸に一万を渡す


鬼丸が居るから三年を止めれている。

居なければ、タイマンなどにならず、総攻撃だったはず・・


「あと二万・・」剛健

「狩ったボンタンの数で決めようや」コー

「えええ・・じゃあ俺ゼロだけど・・」ヤンチ

「ヤンチ一万!あと、一万を皆で均等割!」ゼロ


「いやっ、俺達いいから、三人で・・」一年(そんな事・・。それより大丈夫か?)


結局、コー・ゼロ・剛健は三千づつ


「じゃあ残り千円ジュース代にして」ゼロ

「あざーす。俺ら大した働きしてないのに」一年



「・・増・・本・・・」正宗

「マジか・・生きてるか・・」岸


集まる人、騒がしくなる黒北・・


「普通やるか?・・」アン

「何言ってんだ?事故だろうが!間違って足踏み外したんだろ?くくく」鬼丸

「ほうっ黒北伝統の屋上ジャンプ失敗かぁ」コー

「残念先輩っ。応援してたのに」ゼロ

「あと、ちょいだったな~くくく」剛健


そう、ヤンチが、増本を三階から投げ落とした後・・・

中途半端に木にぶつかって落ちた増本はピクリとも動かない。

せめて、一番高い所から木に当たってればもう少しダメージも少ないが・・


「ニヤっ・・」ヤンチ


「くっ・・」


もう、二年達はヤンチが見れない・・戦意喪失・・

人を三階から投げ落として、ニヤついてる奴が居るなんて・・


「・・・・鬼丸・・・今度はこっちから攻めらせてもらうぞ・・」火村

「くく・・まさかお前も赤姫の参戦か?」鬼丸


(赤姫・・・赤月のヤンキーアイドルだ有名。・・そして確か・・)正宗


「・・・月を制覇した奴と、付き合うんだってな・・・」火村

「くく・・知ってるじゃねえか。言い切ってるぞ誰でもいいってな」鬼丸


(うぬっ?何それ?)ヤンチ

(あっ・・聞きやがった・・)コー

(絶対参戦するな・・いや、舞姐居るから大丈夫か・・)剛健


「俺も参加しちゃお~」ゼロ


「あああっ!?」火村

「あああっ!?」鬼丸


「うそっ?・・マジだ・・この先輩達・・恐いっ・・」ゼロ


(こりゃ・絶対かわいいぞ・・鬼丸さんがマジだ・・)剛健



(くく・・鬼丸さん、俺から、一万貰ったから、先に借りた二万覚えてねえ・・

 よしよしっ・・これで・・・)ヤンチ


(うわああ・・分かる・・考えが・・鬼丸さんの二万詐欺してる・・

 貸りといてこれどうぞ詐欺だな・・カリコレ詐欺だ・・

 俺それに付け込んで、5千くらい貰っちゃお~鬼丸に言うぞ~って)剛健


通称・二段狩り。を狙う剛健。


「ヤンチ、二万返せよ~」鬼丸


「・・・・・」剛健の方を見て、てへって顔のヤンチ

「・・・・・」ヤンチの方を見て、てへって顔の剛健


「・・・本当、悪党だな・・俺の金を・・」鬼丸




~~~赤月中~~~


「なあ、本当に月を制覇したら、付き合ってくれるのか?」三年の不良

「もちろんっ。やっぱ男は強く、ヤンチャじゃないとね」赤姫


「しゃあ!鬼丸が、なんぼのもんじゃい!」

「ああ。パッキンが、なんぼのもんじゃい」

「火村~?関係あるか~!」


「その前に・・」

「ああ・・今、赤姫に一番近い男・・」



「バラ潰しじゃあ!!」赤月の不良達


(ありゃ・・かわいいのにあの子・・ふふ・・)赤姫


赤月にもイキのいい一年は居る・・


「バラ君、2・3年が狙ってるよ」井伊

「ええ~・・でも俺も、付き合いたいしな、赤姫先輩と」バラ


一年男子の不良、バラと井伊。

というより、赤月の一年には不良は、この二人しか居ない。


そして、一旦鬼丸にヤラれた三年達だが、士気は高い。

赤姫を他所の者に渡したくない・・後輩にも・・


「てか、誰だよ・・俺の事、バラってあだ名付けたの・・昔からだけど」バラ

「なんか広まってるね・・赤月の薔薇で・・原なのに・・本名・・」井伊



~~~黒北中~~~


「原ちゃん、元気にしてるかな~」ヤンチ

「だよな・・南小卒業から、赤月に引越してさ・・あれだけ仲良かったのに」ゼロ

「今度、遊び行こうや!バラのとこ」剛健


「ああ・・もう一人いたんだっけ?南小に悪党が・・」コー(西小出身)


南小四大悪・・・


悪党のカリスマヤンチ

ぶっ込みの剛健

狂気(凶器)のゼロ

血染めの薔薇


「懐かしいな・・綺麗だったな・・いつも喧嘩が・・」ヤンチ

「うまい事、痛くなく一番血が出るように叩いたり切ったりするんだよな」剛健

「何の意味があるんだよ・・痛くないけど、よく、血を噴かすのって・・」コー

「インパクト重視だからね原ちゃん」ゼロ


「まあ、売名の勝負だからな・・不良って・・」コー


一発で、スコーンっと、倒すより、血みどろにして倒したほうが・・


飛び散る鮮血。

いつもその返り血で服が真っ赤に染まっていて綺麗だったから・・

血染めの薔薇。



~~~赤月一年の校舎の屋上でタバコ吸ってる二人~~~


「ヤンチ・・・赤姫はやらねえぞ・・」バラが、遠くを見ながら

「・・んっ?何か言った?バラ君?・・・」井伊



月を真っ赤に染めてやる・・

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