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ルビナンス戦記  作者: たま。
第1章・転生篇
4/13

#1 死んだ……俺が?

三人称の練習作品です。

ロボット物が書きたくなったので書いてしまいました。

「やぁ、目覚めたかい?」

(誰だ?こいつ…)

「こいつとはヒドイなぁ。これでも僕は神様なんだよ?」


牧瀬弘まきせひろは、自分自身を神と名乗る変人がいる何もない空間で目を覚ました。


「最も、君がいた世界の神ではないけどね」

(俺がいた世界?神?

…それよりも口に出していない筈なのに何で会話出来ているんだ?)

「簡単な事だよ。僕は神様だからね。

それと君には口と言える器官がない…君の考えた事イコール言葉…いや言霊として僕に届いてているんだよ」

(口がない?)

「そう、自分自身をよく見てみると良いよ」

(見る…!!?)


彼は自分自身の手を目の前に持っていた…筈だったのに見えなかった。

手だけではない自分自身の体が全く見えなかった。


「君には体がない。厳密に言うと君は魂の存在だ」

(どういう事だ?)

「………君は死んだ。召喚に失敗してね…」

(死んだ……俺が?)

「体を君の世界に残して魂だけが、こちらの世界に来たと言う事だよ」

(……何でこんな事に?)

「失敗のショックだろうね。死んだ理由ぐらい思い出させてあげよう」


神と名乗った者は、魂だけの存在になった彼に手を添え目を閉じた。

そして、意識は彼が死んだ日に遡る。



◆◆◆



――2015年11月13日、PM18時過ぎ


牧瀬弘は、退屈なバイトの時間が終りバイト先から自宅であるアパートへ向かう途中、

何度も通っている筈の道で初めて見るゲームセンターを発見する。


「あれ…こんな所にゲーセンあったか?」


いや、ゲームセンターと言えるのかどうか怪しい程古びた佇まいだ。

普通ゲームセンターと言えば、目に悪そうなネオンと耳が痛くなる程の騒音を撒き散らしているイメージがあるが、このゲームセンターは、今にも消え入りそうな1mほどの看板と暗い店内そして音が一切漏れてこなかった。

普段なら間違いなく通り過ぎる程の存在感であったが、彼は妙に気になり店舗の中に足を運ぶ。


まず、店に入ると木製の小さなカウンターがあり、その奥には今時珍しいブラウン管テレビを見ている80過ぎであろうお婆さんがいた。

彼の姿をチラ見したようだが、すぐにテレビへ視線を戻す。

手前には80年代辺りに流行ったあのイン○ーダーゲームが2台置かれていた。


「…これって、何だっけ……思い出せないけど、すげー古いゲームだよな」


彼は、ここまで古いゲームを見たのは初めてだったので気になりはしたが、

それよりもこの店には不釣合いな程、真新しいゲーム筐体を見付ける。


「なんだこれ?初めて見る筐体だな…」


この筐体は、完全密閉型のようでかなり大型だ。

結構古いが今も現役で稼働中の『戦場○絆』の筐体よりも2回りから3回りほど大きい。

この古びた小さなゲームセンターの3分の1は、この筐体で占めている。


「説明書きはない、か…。ま、よく分らないけど面白そうだし一丁やってみるか。

おば…お姉さん、このゲームのコイン投入口どこ?」


コイン投入口と言えば、大体筐体のすぐ横か中の筈なのだが、近くには無さそうだし

ドアはビクともしないので中を確認出来なかった。


「ふん、お世辞など要らん。そいつは、後払いじゃ…」


お婆さんは、椅子から腰を上げカウンターの下を覗き込んだ後、

筐体のドアが”プシュッ”という小さな音を立てて少し手前に浮く。

恐らく、カウンターの裏にボタンかスイッチがあったのだろう。

彼は、ドアの取っ手に手を引っ掛け、手前に引く。

すると、彼の目の中に飛び込んできたのが、何かのコクピットらしき筐体内だった。


筐体の内張りは、座席の真後ろを除いて全てディスプレイのようで、座席の横には前後に動作出来る2本の操縦桿があり、座席前には本物か飾りかは分らないが可動式のキーボードが、足元には3つのペダルが備わっていた。

パッと見ただけでもゲームにしては複雑すぎる操縦システムなのだが、よく見ると2本の操縦桿には、5指全てにボタンが割り振られていた。


「すげぇ~。何かのシミュレーターかな?」


彼は、座席に手を置きシートに身体を滑り込ませる。

車でいうバケットシートの様に身体がずれない構造をしている。

座席の大体肩ら辺にあったシートベルトの金具を腰の前ぐらいにあった金具に繋ぐ。


身体の固定は終わったが、この後どうしたら良いのか分らなかったので目の前にあった

キーボードを画面手前に持って行く。

テンキーを見てみるが、日本語でも英語でもなかった。


「んんんんん……日本語でおk。

……ん?、若干英語に似てなくもないな。これか?」


ボタンの配置や配色それに英語のSTARTに似てなくもない文字から取り合えず押してみた。

すると、何か始動する音とシステムが起動する音が鳴り響き前面のディスプレイに文字が表示される。


「ア?…いや違うな…。ルか……『ルビ…ナンス』かな?」


ルビナンスと表示されたロゴはしばらくして消え、短い暗転後に注意書きのようなものが表示される。


「ちょ…注意書きぐらい日本語にしてくれよ……。

えーと、まじで何て書いてあるんだ?」


彼がディスプレイに表示されている文字を指でなぞるとディスプレイにカーソルらしきものが表示される。


「ぉ、もしかして、タッチパネルみたいなやつか?

ん~、お、良く見たら右上と右下にボタンらしきものがあるな」


画面右上にはプルダウンリストのような表示と右下には英語の”NEXT”とも読み取れる単語が書かれていた。

彼は、取り合えず右上のプルダウンリストらしきボタンを指でクリックする。

すると…様々な言語の文字がリストアップされており、そこに彼が普段見慣れている文字を発見する。


「日本語?……あるじゃん日本語…というか、何で初めから日本語に設定されてなかったんだ?」


彼は、リストから日本語を選択肢すると、注意書きらしき文章と右下の単語が日本語に変換される。


『これは、騎士適性シミュレーターVer0.19です。

まず最初に、シートベルトで身体を固定し座席後部にあるヘルメットを装着して下さい』


「騎士適性……シミュレーター?って、ゲームじゃねぇの?か。

というか、ヘルメット?」


彼は、座席後部を手で探ると流線型の堅い物に触れる。


「ぉ、これがヘルメット…か?」


彼が取り出したのは確かにヘルメットであったが、ヘルメットとして大事な場所が見当たらなかった。

それは、視線の確保…所謂ゴーグルの場所がなく、口元部分だけが露出する仕様のヘルメットであった。


「大丈夫か…これ?」


ヘルメットを装着すると、それはヘッドマウントディスプレイと呼べる代物であった。


「なるほどね。そういう事か…。

でも、操作はどうするんだ?」


彼が次どうすれば良いのか迷っているとディスプレイの右端に新しく文字が並んでいるのを発見する。


『音声入力正常。タッチ操作正常』


「音声入力出来るのか…ならば…ゴホン。”次へ”」


すると、画面が切り替わり新たな注意書きが表示される。


『プロトタイプの為、何らかの不具合がある可能性がありますので発見された場合は、

所属する騎士団の団長もしくは開発者にご連絡お願いします。』


「”次へ”」


突っ込みたい所が幾つかあったが、取り合えず彼はスルーした。


『尚、安全確保の為シミュレーションが終了するまで外には出られませんのでご了承下さい。』


「………へ?………」


ただの新作ゲームだと思っていた彼であったが、シミュレーターという辺りで少し変だと気付き、プロトタイプや騎士団そして安全という単語からタダのゲームいやゲーム等ではないと気付く。

そして、シミュレーションが終了するまで出られないという現実に後悔する。


「今更だけど、見るからに怪しかったもんなぁ…。

ブラウン管でテレビを見ていた所とかさぁ…。

はあぁぁぁぁぁ、まぁ良いや分ったよ…やってやるよ。………”了承”…っと」


すると、何かのプログラムが走る文字列が一瞬表示され、次の画面へ切り替わる。


『あなたの名前を入力して下さい』


ディスプレイの中央に仮想のキーボードが表示される。

しかし、彼はすぐに入力せずに、本名で入力か偽名で入力かで躊躇する。

何故なら、先ほど一瞬走ったプログラムに”Network Conect”という文字列があったのに気付いたからだ。


「流石に、本名は拙いよな。

それにこのゲーム?自体が得体の知れない物である訳だし…」


『レイツ=エルウイッシュ』


この名前は、彼がMMORPGをプレイする際にいつも付ける名前だ。

よく使っているとはいえ流石に、この名前から本人割れはしないであろうと思ったからである。


『登録中…』


数秒ほどで登録作業を終え、次の画面に移り変わると同時に

レイツ=エルウイッシュという名前が表示画面の左上に表示される。


『あなたの階級を選択して下さい』


「階級?適当で良いのかな…。

じゃぁ、カッコ良さそうな。”黒騎士”」


彼は、ヒーローよりもダークヒーローの方が好きだったのと、欲張り過ぎて”聖騎士”とかを選んで実は難易度の選択でした…という事態を避ける為に、丁度中間にあった”黒騎士”を選択した。



『照会中…』


「照会中???」


『該当騎士が見当たりません…』


「照会するのかよ!?ってか、どこに照会してんだよ!!」


『もう一度、あなたの階級を選択して下さい』


「じゃぁ、”なし”で…」


『照会中………登録中…』


一瞬、照会した後に登録中へ切り替わる。


『既存の装甲騎士から選択して下さい。

尚、仮想の装甲騎士でのシミュレートも出来ます』


「装甲騎士?…ああ、ロボットの事かな」


彼は、既存の装甲騎士とやらにも興味を引かれたが、この際だからと仮想の装甲騎士の方を選択する。

すると、数秒のローディングの後、画面が切り替わりディスプレイ中央に人の骨格に似ているが明らかに人間ではない骨格が表示される。

そこに指を持っていくと、骨格がハイライトされ注釈のような感じで”基本骨格(聖アルゼルフ王国仕様)”と文字が表示される。

”基本骨格”の下には、現在の性能らしき表示がされていた。


「…これがベースって訳か…」


画面中央から目を離し、左右に分かれたリストに指を持っていく。

すると、指の置かれた項目が少し右に動くと、さらにその下にリストが表示される。


「えーと、あ~、これ”基本骨格”のリストか…。

すると、その下は……”人工筋肉”のリストね。

あれだ…”装甲騎士”とやらのエディト画面って訳だな」


”基本骨格”以外のリストは、見るからに膨大でエディトするのにこれまた膨大な時間が必要なのが分った。

しかし、彼はいつもMMOでキャラメイクに時間も忘れて没頭する性格だった為か、

膨大な時間がいると分っていてもあえて”装甲騎士”のエディトに着手した。

感想・誤字脱字などのご指摘などありましたら、書き込んで下さい。

あ、もし宜しければE/Oの方も宜しくお願いします。

※5/28、サブタイトル変更。冒頭部分を新たに書き加えました。

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