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【グリーフケア宗教×科学エッセイ】悲しみは愛の最後の形 ~私はずっとあなたを呼び続ける~  作者: 藍埜佑


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7/7

おわりに それでも、明日へ

 証明はできない。


 あなたが失った人の意識が今もどこかに存在しているか、あなたを今も想っているか――それを科学は証明できないし、本稿も証明できない。


 しかし、こう言うことはできる。


 あなたがあの人を愛し、その愛を受け取ったという事実は、消えない。

 それはあなたの中に、宇宙の構造の中に、因果の連鎖の中に、永久に刻まれている。


 そして、あなたがここで問い続けているということ。

 あの人はどこへ行ったのかと問い続けていること。

 その問いの根っこに、あの人への愛があること。


 それはあの人があなたにくれた、最も深い贈り物ではないだろうか。


「なぜ生きるのか」という問いに、誰も代わりに答えてくれない。しかし「何のために生きるか」は、あなた自身の中にある。あなたがあの人から受け取った愛を、次にどう渡していくか。それを探し続けることが、今のあなたにとっての「生きること」かもしれない。


 探す必要すら、今はないかもしれない。ただ悲しんでいるだけの時間が、まだ必要かもしれない。


 それでいい。


 悲しみには悲しみの時間がある。ヴィクトル・ユゴーは最愛の長女を溺死事故で失った後、十年以上、その喪失を直接書くことができなかった。十年の沈黙を経て、ようやく娘への詩を書いた。悲しみの時間は、人が決めるものではない。あなたの悲しみが、あなたの時間をかけて、あなたの形に変わっていくのを、ただ待てばいい。


 人は二度死ぬ、と言われている。

 一度目は息を引き取るとき。

 二度目は、誰にも名前を呼ばれなくなるとき。


 だから、呼び続けてほしい。


 あの人の名前を、いつまでも。


 朝、目を覚ましたときに。

 夜、眠りに落ちる前に。

 あの人が好きだった季節が巡ってきたときに。

 あの人が笑いそうなことがあったときに。


 その一つひとつが、あの人をこの世界に繋ぎ止めている。


 あの人は、あなたの中で、散逸しない。


 それがあなたにできる、最も確かなことだ。


――あなたの悲しみと問いに、深く敬意を込めて。

――そして、かつてそうだった私へも。

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