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EPISODE:1

[1]

暗いなぁ、真っ暗だ

フッフッフッ…♪

でも私は全ッッッ然怖くない!



~ある日の冬の午後~


「イレビー、みーつけた♪」

黄色の髪に私とお揃いの赤いカチューシャを付けた小柄な女の子、この子の名前はイレビーっていうの!

同い年でいつも弱気なことば〜っかり言っている私の大親友。

でもウジウジしているところがまた可愛いんだよね。


「ハロパちゃん、だからこんな何もないところでかくれんぼなんて無理なんだよ」

イレビーが小声で弱音を吐きながらウルウルした瞳で見つめてくる。


「それ、毎日聞く意見!」

ちなみに私の名前はハロパ。

見て見て、私の緑の髪色綺麗でしょー?我ながら結構気に入っちゃってるのよね。

この赤いカチューシャはイレビーが作ってくれた親友の証!世界で2つしかない私の宝物。

本当にイレビーは手先が器用で羨ましい〜。

あとイレビーは料理も得意なんだよ、そういう女の子らしいところもまた羨ましい〜。

それとね、あとね、イレビーはね………

あれ?私、自分の自己紹介してたはずなのに、いつの間にか親友を紹介しちゃってる!?

まぁ、それだけ私はイレビーが大好きってこと♪



「よぉ、お二人さん!今日も仲良くかくれんぼかい?隠れる場所もないのによくもまぁ毎日毎日飽きないね」

…なんか呼んでもないのに急に出てきたコイツ、ジュウジャ。

2つ年上で面倒見が良くて優しいんだけど全てにおいてキモい、ただただ変なやつ!

この世界で武器をたくさん作ってる武器マニアで、ただただ変なやつ!

実は私の彼氏なんだけど…こんなヤツを彼氏にしている私も、きっとただただ変なやつなんだろうなって自分でも思う。



私はね…可愛い親友と変な彼氏、2人とも大大大好き!!

これからもずーっと3人で一緒に笑って生きていくんだ。




[2]

「ほら、2人に武器を作ってきたぞ!」

ジュウジャは自信満々にハロパとイレビーに言った。


「そう言ってまた意味のないガラクタを作ってきたんでしょ?」

私は目を細めて訝しんだ。


「何を言うか!お前にはコレだ」

「…なにコレ?」

「丈夫な樹皮を細く削って何層にも重ねて作ったんだ。それを着れば防御力アップ間違いなし。着て守る…名付けて“ 着るマモ君”だ!この時期には防寒にもなる」

「え…やるじゃん、ちょっと使えそう」

「その代わり、通気性ゼロだからものすごく蒸れて臭くなる!」

「前言撤回!絶対返品決定!!」

「ハロパ、着てはくれないか?もしお前に何かあったら俺は…」

「(ドキッ)急に真顔で何言うの!?」

「そして、“着るマモ君”を脱いだらぜひ匂いを嗅がせてくれ!!ご飯が進むと思うんだ」

「うわぁ…さすがにキモすぎない?」

そう言って私たちは一緒に笑いあった。



イレビーは私たちのやり取りを見ながらモジモジしていた。

「あぁ、イレビーすまない。きみにはコレを作ってきたんだ」

ジュウジャは木製の包丁を2本手渡した。

「イレビーは料理が上手いだろう。これを使って美味しいものをたくさん作れるように日々精進してほしい」

「あ、ありがとうございます。すごく嬉しいです」

イレビーは照れながら恥ずかしそうに小声でお礼を言っていた。



「ねぇねぇイレビーには実用的な包丁で、私には絶対着ない“着るマモ君”って…なんか差がない?」

むくれてジュウジャに言った。

「また何を言うか!愛があれば“着るマモ君”を着れるだろう。あ、俺が着た直後の“着るマモ君”なら着てくれるということかな?」

「うわぁ…重ねてキモすぎない?」

また私たちは一緒に笑いあった。



イレビーが私に近寄って耳打ちしてきた。

「ハロパちゃん、私先に帰る。もうすぐ夕御飯の時間だし、ハロパちゃんとジュウジャ君の邪魔しちゃいけないし」

「え!邪魔なんてそんなことないよ」

「また明日ね」

イレビーは小声でそう伝えると、ジュウジャにペコッと頭を下げて走り出した。



「(ジュウジャ君が私のために作ってくれた包丁早く使ってみたい。

それに…親友と親友の彼氏、その彼氏を好きになっちゃった私にとって2人が楽しそうにしているのを見てるのは幸せなんだけど、心がチクチクしちゃうから)」

イレビーは相反する気持ちと葛藤しながらモヤモヤした気持ちを振り切るように走って帰った。




[3]

「あの子ったら変な気を遣うんだから…あーぁ、イレビーも帰っちゃったし私ももう帰ろうかな」

「なら家まで送るとしよう」

「じゃあ、帰り道のついでに果物取りにいかない?私甘いジュース飲みたい気分」

「今からか?もうすぐ夕暮れだし危険じゃないか?」

「そこは彼氏なんだから、私のこと守ってくれるんじゃないの?」

「何のための“着るマモ君”だ!それに、ハロパは俺より強いだろう」

「まぁ…それなりに自信はあるよ」



そう、この世界は残酷だ。

チカラのない人は気付いたらいなくなっているなんてよくあることだ。

だから私もたくさんヤツらのことを学んでたくさん鍛えた。

私が使う武器は薙刀で、これもジュウジャに頼んで作って貰ったの。

ちなみに名前を付けてて“愛橋(あいきょう)”っていうの。薙刀って長いからさ…愛の橋、、、ネーミングセンス抜群の愛嬌たっぷりの私らしさ全開の名前!

いいでしょ〜?あげないよー笑


ジュウジャは武器ばっかり作ってて戦闘はあまり得意じゃないの。

男だけど全ッ然筋肉とかないし…。

でも色んな創作武器を使うから、敵に回したら厄介だと思うんだけどなぁ。


「で、行くのか?果物を取りに?」

「もっちろん!知ってた?可愛い女の子はみんな甘い物が好きなの!」

「味の好みは個人によるだろうが。今この瞬間、甘い物が嫌いな全世界の美人を敵に回したぞ?」

また私たちは同じタイミングで笑いあった。



果物が成っている森林地帯は、徒歩3km程のところにあるけど、、、

ジュウジャとバカな話をしながら歩いているとあっという間に着いちゃった。

さて…ヤツらなんて怖くないし、ササッと果物を取ってジュースを飲むぞー!


時間的にもう周囲は暗くなってきた。

でも、暗くても全然怖くないの。

私は特殊な目をしていて、暗くても周りが昼間みたいにしっかり見えて視野もものすっごく広いの!

だからヤツらのちょっとした動きでも絶対見逃さないんだから。


「俺はどーすればいい?戦闘なら俺よりハロパの方が向いている。指示を出してくれた方が動きやすい」

「ジュウジャはとりあえず、“着るマモ君”を着てね」

「おいおい、これはお前のために…」

「分かってる♪でも今日は狩りじゃなくて果物を5つくらい取るだけだから、一応念のため戦闘が苦手なジュウジャが着て!私が愛橋を持てば鬼に金棒なの知ってるでしょ?」

「んーまぁ、否定はしないが…」


森の奥を見た。全てが見える。

果物は………少し先に成っている。

「うー、喉乾きましたね!!さて、ジュウジャ先輩、元気に行きましょう〜」

「なんでお前はそんなに緊張感がないんだか…」

私たちは暗い森の奥へと足を踏み入れた。

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