11話 懐の探り合い
「セレスタ、おはよう。」
「ああ、ミカリスさんですか。おはようございます。」
会話は弾まない。出会ったばかりの敵同士、警戒するのは止むなしであろう。かという私も、まだ彼女を信じられていない。これは必要な過程なのだ。
「あー……今日もいい天気だな」
「昨日は曇りでしたからね」
出てくるのは無理矢理捻り出したかのような世間話のみ。これと言った仲もなく、つい昨日知り合ったばかり。これは仕方ないのだ。
「ミカリスさんは、普段何を?」
「……戦闘だな。よくないことだとわかっているが、集落のものを守るのが私の使命だったんだ」
「すみません。野暮なこと聞いて」
「謝らなくていい。いずれこの紛争も終わるのだからな。」
「それも、そうですかね。」
あなたのように前向きになれたらいいのかもしれない。だが、今の私にはまだ難しい。
「少し嫌なこと、かもしれないのですが、今日は戦場には向かわれないのですか?」
「今日はもとより非番さ。いくら屈強なものと言えど、休息がなければ体は朽ち行くのみだからな。」
これ以上会話は膨らまず、お互い黙ったまま互いを観察していた。目も合わせず、ただ互いを見たまま。初日は、奇妙な時間を共に作り出していた。
「それでは、そろそろ私は帰るとするよ。安らかな夜を、おやすみなさい。」
「わかりました。おやすみなさい。」
話はあまり進まなかった。いや、焦るのはいけない。これは必要な時間なのだ。気が早いだけ、気にしない。




