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The Chaos Effect  作者: Michael Lange
第一反復 2001年〜2010年
7/23

混沌の意味は 仮説7

現実味を出すために当時あった店の名前や地名、団体、人名、作品名、事件名などが出てきます。そこはご理解いただけたら幸いです。

Tesifaは目を開けた。記憶がなくなってから12回目の朝が来た。鳥の鳴き声がうるさいくらいに聞こえる。たぶんチャイロツグミモドキだろう。

彼女は大きなあくびをしてからあたりを見回した。

ここどこだっけ?

彼女はいつの間にかベッドに寝かされていて…足が重い。特に太ももが…誰かが彼女の太ももの上で寝ている?

「やっぱり…Taylor!起きて!ここどこ?」

Taylorがゆっくりと起き上がり、目をこすった。

「え?もうそんな時間?」

Taylorが勢いよく起き上がり、私は一瞬驚いて驚愕反射してしまい、ベッドの後ろの壁に頭をぶつけた。

「痛ー。」

「あー…大丈夫?」

Taylorが少し今の状況に戸惑いながら聞いた。

私は涙目でこう答えた。

「うん。大丈夫。」

私が部屋を出ると、狭い通路に出た。前は壁で左右に通路がある。Taylorは私が困っているのを見て言った。「ついてきて!」

Taylorは右に進んだ。ドアが3、4枚あり、その横を抜けていく。

廊下を抜け、階段の前に来た。

「大丈夫?降りれる?」

Taylorが聞いた。

私は頷いた。

Taylorは階段をゆっくりと降りていく。私もそれに続いた。

階段を降りると、大きな部屋にでた。270sq/ftはあるだろうか。子供が3人カードゲームで遊んでいる。

「ダウト!」

「え?」

「やっぱりね。」

「バレた…。」

何をやってるんだろう。

気になって少し近づいてみた。

「わっ!」

子供の1人の男子…赤毛で結構ハンサムだ…が声を上げた。

「耳長っ!」

違う一人の男子…どことなくTaylorに似ている…が失礼なことを言った。

私はムカついたけどね。まあ私は大人だから。見逃してあげよう。そう思ったのに。

「変なの!」

もう一人…女子だ。赤毛でかわいい。綺麗という言葉よりもかわいいという言葉が似合う女の子。

完全に私はムカついた…その時、Taylorが言った。

「もう。Arby!この子はあなたのお姉ちゃんよ!」

Arbyと呼ばれたTaylorに似た男の子は呆然とした顔でTaylorを見ている。

「え?どういうこと?」

「だから…Tesifaはあなたのお姉ちゃんになるの。」

私も多分Arbと同じ顔をしていただろう。衝撃的だった。

「意味がわからない。」

Arbyが言った。

「どういうこと?Taylor」

私もTaylorに話しかけた。

「ふぅ。」

Taylorはため息をすると言った。

「Tesifa.私はあなたを養子にします。」

Taylorはそう断言した。

だれもその言葉に応答することができなかった。

部屋には沈黙が流れた。




私は食卓に座った。先ほどのTaylorの衝撃的な発言から3時間後…私は午後まで寝ていたらしかった。

その食卓に座っているのは私の他に7人ほど。

Taylorが言った。

「ここに住んでる人を紹介するわね。私の家は代々下宿をやってきたの。まあ、代々って言ってもおじいちゃんの代からなんだけどね。」

Taylorが紹介を始める。

「まず。あなたが知っている通り、私はTaylor、Taylor Glenwood. 」

Taylorが手を挙げる。

「それでさっきあなたに失礼なことを言ったのが私の息子のArbyよ。Albert Glenwood」

Arbは私の顔をじっと見つめていた。

「ハーイ。私はMelissa Quitman. Melって呼んでもいいよ!」

Taylorと同じくらいの年の赤毛の女性。とてもハキハキとしゃべる人で、グラマラスな体型をしている。Taylorはスレンダーな体型だったから対照的だな。いや私は何を考えているんだ?

Melが続ける。

「ほら、Tesifaに自己紹介しなさい。」

Melは隣にいた2人の子供に話しかけた。

「はーい。」

男の子の方が自己紹介を始める。

「俺はClyde Quitmanです。先ほどは妹が大変な失礼をいたしました。」

「いえ、そんなこと…。」

あったな。そういえば。変なの!って言われたな。

「ほら、Amy!謝りなよ。」

Clydeが急かす。

「やだよ!お兄ちゃんが謝ればいいじゃん。」

「はあ?それはないだろ。さすがに。」

Clydeが6歳とは思えない大人びた口調でAmyと口論している。

「ごめんね。私の娘が…強情で。」

Melが申し訳なさそうに謝ってきた。

私は一言、

「大丈夫です。」

とだけ言った。

「この子はAmeria Quitman.この子たちのお父さん…Hughは今Atlantaで出稼ぎに出かけているの。」

Taylorが説明した。

「でもね。たまに帰ってくるんだよ。クリスマスとか、元日とかね。」

Melが補足する。

「それでここにいる世界一のバンドマンはー?」

Taylorが煽るような口調で二人隣の人物に話しかけた。

「うるさい!からかうな!」

その人物がわざとらしく怒鳴った。

「でも世界一でしょ?」

「はあ。俺の名前はJohnathan Camillaだ。Taylorが言ったようにバンドマンだ。よろしく。呼び方はJohnでいい。あとCarmillaって呼ぶな。吸血鬼でも女でもない。」

「なるほど。」

私は相槌を打った。

Johnに睨まれた。やはりCarmillaと呼ぶことにしよう。

「じゃあ次は私の順番かな?」

60代くらいの男性が話し始める。

「私はGray Roswellという。」

「Grayさんはね。私のおじいさんの代からこの下宿にいるのよ。」

Taylorが補足する。

「よろしく頼むよ。」

「こちらこそ。」

私は快く返事をしたはずだ。

どうやらこの老紳士はTaylorみたいに幼稚ではなさそうだ。ホッ。

「Tinaは…今日も来ないか。」

Taylorがすこし苛立ったように言った。

「もう一人、ここで住んでるのよ。Christina Barton.えっと…Tinaは…いい人よ。いい人何だけど…部屋からあまり出てこないの。」

食卓が静かになる。

「ケーキを切らないか?早く食べてしまおう。Tesifaとの新たな生活を祝して。」

Grayが提案する。

「ええ…ええ、そうね。そうしましょう。」

Taylorが少し微笑んで答えた。








だから?

「やめてくれ、死にたくない。」

男が答える。

だから?

「来るな!来るな来るな来るな!」

だから?

「やめろ!」

だから?

「なんで?なんで出れないんだ?結界?」

だから?ああ説明するか。

「私はね。弱いんだ。だから絶対に当たってもらわないと困るんだ。分かるよね。」

「やめろ!やめろ!来るな!」

男が《ተስማሚ(理想)》を体現する。私はそれをかわし、男に人差し指と中指を突き立てる。

「お願いだ!やめてくれ!」

「終わりにしよう。」

「この《አስጸያፊ(非道)》!」

「そうだよ…私は《አስጸያፊ(非道)》だ。」

私は怒っていた。ふつふつと沸き上がるような怒りを手に込めて。

男は中指を立てて牽制する。

もうやりきれない。私はなんでこんなことをしているんだ?

ああ…そうか。『彼』のためだ。『彼』の生きる未来を守るため。

「今度こそ終わりだ。」

詠唱開始。私は腕を大きく振り上げる。

አንተ(それが君の)የምታውቀው(信じている)አለም(世界だとしたら)ይህ ከሆነ(私は)ህልውናህን(君の存在を)እክዳለሁ።(否定する)。」

私は腕を振り下ろした。

መለኮታዊ ሰይፍ(神剣)》が男を覆う。男は叫び声をあげた。《መለኮታዊ ሰይፍ(神剣)》が結界を美しい紫水晶の破片が飛び散るように崩壊させ、Казанский(カザン) Кремль(クレムリン)の屋根を突き破る。4本の美しい塔が《መለኮታዊ ሰይፍ(神剣)》によって切り刻まれ、倒される。

数十秒後、そこに残されていたのは赤く染まった雪だけだった。そして《Республика Татарстан》は更地になった。月の光が雪で反射され、地面に赤い星が散っているように思えた。空をゆっくりと仰ぎ見ると、オーロラが光っていた。

2015年11月17日。

その日、Казань(カザン)国際空港で大きな事故があった。

第一反復は2001年を舞台にしているため、調査が2007年頃までしか遡ることができず、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。

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