第三反復 See You in the Morning 仮説3
第三反復前半はこれで終わりです。次回は…いつか更新!
いくつもの朝を迎えて。
昔観たことがあるようなないような。
あらすじは忘れた
Calicoに着いたのは家を出てから10時間後だった。
まず、Carmillaの運転でHartsfield-Jackson Atlanta Airportまで行き、そこから4時間ほどかけてOntario International Airportに行く、この3人組のなかで男は僕一人だったので少し小っ恥ずかしかった。まあ、二人とは旧知の仲なので、飛行機の中で写真撮ってTaylorに送ったり、Sidneyが持ってきてたトランプで遊んだりした。あとは…beef or fishと聞かれて、fishを頼んだらほかの2人がbeefを選んでてpredatorだと煽ったら同類だと言われた。其の人応ふる能はざるなり。そうか、fishもpreyだったのか!
そんなこんなでOntario International Airportに着いた。
ゲートから出ると、単調な白の広い部屋に出る。
搭乗口だ。
その搭乗口から出ると、目の前の道路に黄色い車が止まっていた。その車に見覚えがあった。
「叔父さん?」
そこには叔父のCarlos Sylvesterがいた。
「Arb。久しぶりだな。」
僕は叔父とハグした。
「AmyとSidも久しぶりだな。」
「久しぶり。元気にしてた?」
「まあまあだな。」
Amyが尋ね、Carlosが答える。
Sidneyはただ頷いただけだ。
Sidneyが前にここに来たのは8年ほど前だ。記憶が薄くなっているから人見知りモードが発動している。困った。
「Sidney!ほら、挨拶!」
「あ…うん。お久しぶり…です。」
「久しぶり。」
Amyのおかげでなんとかなった。良かった。
「えーと、乗ってく?」
叔父はイエローのプリウスに3人を乗せた。
プリウスが動き出す。
車で少し進むと低い山々が見えてきた。山の間を抜けていくと、砂っぽい草原が左に見えた。そしてそのまま高速道路を走っていくと平野(砂漠)に出る。そして15号線をそのまま進み、高速を降りる。
目の前にガソリンスタンドが見えた。
Ghost Town Roadを進んでいく。
周りは電線の他に砂漠しか見えない。
やっと民家が多くなってきた。
そして右にカーブしていくとそれは現れる。
「ようこそ。Calico Ghost Townへ」
叔父が小声で言った。後ろを見るとAmyとSidneyは寝ていた。
8月21日午後4時23分(Calico時間)
「なんで私たちがまたこんなCIAの尻ぬぐいみたいなことしなけりゃならないんですかね。天下のFBI様なのに!」
「仕方ないだろ。仕事だ。」
「あーあ。来週から有給取ってやる。」
「残念だったな。この仕事何ヶ月かかるかわからないぞ。」
「は?死ね!」
「汚い言葉を使うな。公務員。」
「国家公務員でも使うんですよ。こういう言葉。」
「黙っとけ。」
「いだっ。急にデコピンすんのやめてくださいよ。」
「お前のせいで俺の人差し指が汗で汚れた。損害賠償。」
「はぁ?」
物音がした。
「何かいるな。」
「いますね。」
「ボンベ用意しろ。」
「ボンベってなんでしたっけ?」
彼は小さいガスボンベをバッグから取り出す。
「これだ。」
「ああ、それですね。それかぁーー(棒)」
「忘れたのか。」
「ごめんしゃい。」
「気温が上がってきたな。」
「あの………あの!」
「近づいてきてるな。」
「冷静に考えてください。私にそのボンベを渡してくれたらいいでしょう。」
「一本だけな。全部で10本しかないから使いすぎるなよ。」
「まったく。United States Secret Serviceは何をやってるんですか?」
「お門違いだろ。あいつらは偽造通貨とか大統領警備だ。」
「はあ。嫌だな。ケガしたくないな。」
「やけどくらい我慢しろ。見えてきたぞ。」
森の中から炎を纏った二足歩行の大きなトカゲが現れる。
「準備しろ。」
8月21日午後7時23分(Stockbridge時間)
「ねえ、言ったよね。言質取ったよ…助けに来てね。絶対だよ。」
それは褐色の肌をした少女だった。青いドレスに泣きはらしたような顔…
目が覚めた。
いつもと違うベッドだと寝づらい。寝たのは寝っ転がってから1時間ぐらいかかったか…寝汗がすごい。
起き上がって背伸びをする。
叔父はCalico近くのモーテルの経営をしている。
そのモーテルの一室で僕は起きた…隣に部屋を間違えたらしい赤毛が転がってる。何もなかった…よな。(僕がいることに気づかないとかどういう神経してるんだ?)
まあいい。普通に朝のルーティンを始める。
まずメールの確認・・・母さんから大丈夫かどうか元気かどうかの連絡。異常なしと答える。
次に歯磨き・・・歯ブラシがない。どうしよう。
一旦飛ばそう。
次は髪を整える。髪を水でぬらしてクシで髪を整える。いい感じになった。
次は…赤毛がこっち見て悲鳴をあげた。
「なんであんたが私の部屋にいんのよ。出てけ!」
枕投げられた。顔にぶつかった。後ろに倒れる。
頭をぶつけた…視界がぼやけてくる。
「ここ…僕の…部屋なんだけど……」
8月22日午前7時32分(Calico時間)
「えーと。来たね。」
「そうらしいな《دماوند》、君は…大丈夫か?」
「大丈夫。元気ではある。」
「元気かどうかは聞いていない。」
「わかってる。何かあったら…殺せる。大丈夫。」
「良かった…ちゃんとヒジャブはつけるのだよ。」
「大丈夫。チャドル着てるから。」
「私にとっては足を晒しすぎだと思うがね。」
「うるさい。ひげのおじいさん。」
「まだそんな歳じゃないぞ。」
「はあ。رهبرのくせに大人げない。」
「君も早く大人になれよ。」
8月22日午前7時46分(Calico時間)
Sidney Augustaは二度寝三度寝したあと、起き上がる。
「寝すぎた。」
隣の部屋が騒がしい。
一旦見てみるか。
ベッドから立ち上がり、ブーツを履く。そしてドアを開け、隣の部屋の鍵が空いているのを確認して部屋に入る。
・・・
殺人現場?
Arbが倒れていて、そこに泣きじゃくったAmyが必死に「ねぇ、起きてよ!」と叫んでいる。
あれ?Arb起きてんじゃね?
「何この茶番。」
「あ、Sidぉ〜。Arbyが、Arbyが私のせいで…」
「あの…うん…多分起きてるよ。」
「は?」
「ギクッ。」
「Arby…どういうことカナ?私、怒っちゃったゾ???」
「ご、ご、誤解です…よね。Sidneyさん。」
「地獄に落ちろ。」
私はこの男に中指を立てた。
「………ギャーーー」
断末魔が聞こえた。
8月22日午前7時50分(Calico時間)
「ああ、だから今こうなってるのか。」
俺の目の前にいたのはボロボロになった甥とその横でガチギレしてる赤毛と黒毛。
そういえばツンデレとかいう属性があったな。Amyたちはそうなのだろうか…いや違う…たぶん。
なんて変なことを考えてしまった。
「で?朝食は?スクランブルエッグ?ソーセージ?パンは食パン?それともクロワッサン?」
「マカロニサラダ。」
「それは無理だ。」
「なんで?」
「食材がない。一応聞くか。Aby〜マカロニってあったっけ?」
そこにブロンドを三つ編みにした女性がひょっこり顔を出す。
「そうっすね〜。ないっすよ〜」
さて、ここからはArby Glenwoodが解説を務めます。
彼女の名前はAbigail Bowdon。叔母になりそうでならない人だ。何年も叔父と同居してるが、結婚する素振りがない。たまにフロントでチェックイン作業を行っている。
「やっぱりか。」
「すねー」
ほっぺをつつき合ってる。
叔父のこんな姿は見たくなかった。
「で?この町の感想は?」
「寂れてるね。」
「寂れてるわね。」
「寂れてる。」
「一緒のこと言うなぁ。しかも辛辣ぅー」
「でも…西部劇みたいな感じがいい感じ…だとは思う。」
僕らは昨日、Calicoに着いてから(AmyとSidneyを叩き起こしてから)少しだけ観光した。
まずLane House & Museumに入ったあと、町の真ん中で記念撮影をした。そのあとカフェでフライドピクルスを食べて、叔父のmotel(Calicoからは少し離れている。)にやってきた。
「そういえば今日はどうする?山に登るか?汽車に乗るか?」
「あの汽車って子供用じゃなかったっけ…です。」
「わっSidneyが喋った!」
Sidneyが人見知りキャラを崩壊させた…だと?!
「いや、あれは歴史観光鉄道って言ってるくらいだから色々鉱山の跡地を見学できるぞ。たぶん映える写真がとれる?」
「叔父さん…なんで最後疑問符ついてるの?」
「最近のSNSを知らない。」
「・・・。」
空気が固まった。
「山登りって結構いいッスよー。」
Abyが機転を利かせた…のか?
8月22日午前8時13分(Calico時間)
暗い中に閉じこもってちゃ意味がない。
「・・・。」
私はある人物に電話をかけた。
「やっほー!久しぶりー!元気してたー?!」
・・・この声を聞くと落ち着く。
「うん。いつも通り。元気。」
鏡を見る。目のくまがひどい。
「うーん。いつにもまして助詞がないねー!」
仕事前はいつもこうだ。
「うん。大丈夫。それ。普通。」
寝不足気味だな。
「うわーー!こりゃ、重症だ!ちゃんと寝てる?」
まあ、仕事に支障はないだろう。
「うん。24日前。3時間。」
ああ、過ぎたことは仕方ない。
「だめだこりゃ。休んだら?30分寝ても結構スッキリするよ!」
それは無理だ。
「ううん。実は。今。仕事中。」
《笛》は手元にある。
「……頑張れ!そしてちゃんと寝な!」
《敵》は去年と同じ。
「わかってます。」
あとは不確定要素を潰していくだけだ。
「君はそう言って無茶する人だからなぁ!」
あれ?何か急に視界がぼやっと…そうか、私は眠かったのか。
「ねえ!大丈夫?!ねえ!」
アイツが叫ぶ声が聞こえた。
8月22日午前8時56分(Calico時間)
9時頃、《دماوند》は慣れないテントで起き上がった。
「うわ。もう朝?」
一瞬腕時計が嘘をついているのかと思ったがどうやらそうじゃないらしい。
だるい身体を起こす。
身体は何日間か洗ってない。どっかで無断でシャワー使うのも考えたがそれだと…なんか気まずい。
結局臭くなってきている。なんでこんなことに……。
そっか。決めないといけないんだった。どっちにするか…“彼”を殺すか殺さないかを…
はぁーーー気が乗らないぃーーー帰ったら突っ伏して寝たいぃーーーそれか責任の所在を誰かになすりつけたいぃーーーなんならもう逃げ出したいぃー
でもできないんだよね。
はぁー
ため息をつく。
8月22日午前9時2分(Calico時間)
「さて、2日目だ。まずはどうする?」
叔父が先導しようとしているようだ。
「だからさ…Sidneyはさ。こっちのほうが似合うと思うのよ。」
「そう?鳥の羽がいっぱいついてるこの帽子?うーん。私はこっちのほうがいいかな。」
「やっぱキーホルダーかぁ…ねえ!おそろにしよ!」
「それすごいいいね!そうしよう!」
この2人はどこへ行ってもマイペースだ。
「お前もどうかと思うぞ?なんで1人でMaggie Mineに行こうとしてるんだ?」
どうやら心の声が漏れて叔父に聞かれていたらしい。
「そうっすよ!やっぱりみんなで行くべきっす!」
こいつはこいつでフライドポテトとホットドッグを両手に持っている。
なんか頬袋が広がっててAbyがリスに見えてきた。
「カオスだな。」
通りすがりの人が独り言でそう言った。僕は内心それに同意した。
「おーい!みんなー!早くこっち来いー!Maggie Mineに入るぞー!」
叔父が耐えかねて叫んだ。
結局みんなが集まるまで6分かかった。
「えーと。懐中電灯みんな持ってるか?」
「懐中電灯?!そんなの必要?」
「はぁ。忘れたのか。予備があるから貸せるけどな。」
Amyが懐中電灯を忘れた。
「ごめんなさい。」
こういうときだけAmyはシュンとして反省する。
そういうところが本当にかわい…そうだなーあはは
「で!じゃあ!行くか!」
叔父がまた先導しようとしているようだ。
2分後。
「・・・。」
もちろんみんなバラけた。
「なんでこうなるんだろうな。俺、リーダーシップとかないのかな。」
「叔父さん…頑張れ。」
「そうっすよ!Charlieなら頑張れば何でもできるっす!」
Abyさん、叔父のことCharlieって呼んでたのね。
「そうだな!」
そんなこんなでAmyとSidneyに追いついた。
「暗いね。」
「そうだねー。」
「あれ?そういえばArbyじゃん。」
「ホントだ。」
5分くらい前から近くにいたのに気づかれていなかったようだ。
「気づけよ!そういえばAmyって何でこんなところに来たいって思ったの?」
「ああ…それは…うーん…その…えっと…内緒。」
「内緒かぁ。」
「そういえばさ、Sidneyは何で来ようと思ったの?」
「同じく。内緒。」
「今日は内緒が多いな。」
8月22日午前10時37分(Calico時間)
ふぅ~~焦ったぁー言葉に詰まったぁ〜。
Arbyにはまだ言わないほうがいいな。
まあ、気になるよね。昔からArbyは色んなことを知りたがった。
そういうところがかわ…うそって言われるところだと思うよ(?)。
えっと…理由…言っちゃおうか…私は…
前世の記憶があるんだ。
少しだけだよ…少しだけだけど…
私は炭鉱で働いていた…みたいだ。
黒毛のショートカットで黄色の瞳…
だったらしい。
わからないわからないんだ。詳しくは…
だから…私は思い出したかった。昔の記憶を…
だから…この感覚は…ものすごい懐かしい気がする…
この外との気温差…少し煙たい感じ…そして薄い酸素…ちょっと違うが、昔私がいたと思われる場所と似ている。
「すぅぅぅぅーー」
息を吸い込み、
「はぁぁぁぁーー」
吐く。
いい…とってもいい。
隣のArbyとSidneyに不思議そうな目で見られてるけど私はわかる。
この感じが好きだったんだ。
8月22日午前10時39分(Calico時間)
「始めるか。」
小さな復讐と彼は言った。
国家間の対立などに比べればただの一般人を殺すことなど微小だ。
私は殺し屋。私は殺し屋。
自分に言い聞かせる。
息を吸って〜大きく吐く。
「私は…《等しい昼と夜》。大丈夫。」
今日は少し砂っぽかった。明日はターバンを巻いていこう。
そこにスマホの画面が目に入る。
《壊れないもの》からだ。
「なんだろう。」
「大変だよ!《等しい昼と夜》!《مجری جهاد》が今そこにいる!!!」
「は?」
勝ち目は…あるだろうか。
8月22日午後6時34分(Calico時間)
第三反復は2011年を舞台にしているため、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。




