逃亡 仮説1
あの日逃げたのは私だけじゃない。そう自分に言い聞かせた。
Sonthofenの山小屋の中、10ヶ月が経った。
私たちはずっと隠れたままでいなければならないのか。
Angelaは何を考えているのだろう。
「まだその時ではない。」
と彼女は言う。
それは私も同意だ。しかし、未だに彼女が考えていることが分からない。まるで…昔と別人のように感じる。
Leyenは割り当てられた部屋で日記を書いていた。
そして、手が止まり、ふと部屋の扉を見た。気配がしたのだ。
夫と子供たちもこの山小屋に一緒に来ている。
部屋に尋ねてきたのだろうか。
Leyenは扉を開けた。
そこには…誰もいなかった。
なのでLeyenは首を傾げながらまた部屋に戻るハメになった。
8月14日午前9時5分(Sonthofen時間)
Sicherungsgruppeの一員で、Merkel政権とともに山小屋に避難してきたGeorg Aalenは何も考えまいと努力していた。これから俺はどうなるのか。俺が厳しい立場に立っているのは分かっている。
でもこれは俺が選んだんだ。これは俺の道なんだ。
たとえ目の前で土砂崩れが起きた後だとしてもその道を歩いていかなければならない。
自分の運命は変わるのだろうか。
コップ一杯の水を取ってこよう。
それでこの不安を流すことができればいい。
それで…俺はまた無茶ができる。
8月14日午前10時53分(Sonthofen時間)
Georg Aalenは1人で山小屋の外に出る。
持ち物はSa61 Scorpionをコートの内ポケットに入るだけと、リュックにはmedionのノートパソコンと1Lの水筒。そしてコード類とナイフが2つ、ついでにPower Barを数本か。
彼のミッションはどこでもよいが、ラジオの放送局を占拠、もしくは隠れて使用し、Merkelたちは逃げない(少なくとも国から)という声明を流すことだ。
また、Georgはそれに加え、PCをハッキングして、そこからYoutubeにも声明を流すということも行っている。
簡単なことではないが、この事態を収束させるためには重要なことだ。
そして、大事なことはもう一つ、山小屋の場所がバレないようにできるだけ遠くに、そしてできるだけ自分が鹵獲されないように気をつけるということだ。
さて、今回、Georgが目星をつけたのは、radio salüの放送局。Alt-Saarbrückenにあり、うってつけだ。
Georgは今日も“無茶”を始める。
《山小屋》は入り組んだ迷路のようになっており、出るのにも30分はかかる。大戦時に要塞に隠れていた人たちはこのような気持ちだったのだろうと感じる。そこから出ると、本物の山小屋の物置に出る。
山小屋には利用客が数名いたが、顔を合わさなかった。合わしたところで何も起こらないことは決まっていたから。そんな《奇跡》を俺は信じない。
8月14日午前11時48分(Sonthofen時間)
さ・て・と。
《Carol》は協力することに同意した。それなら次は…《炎の勇者》か。
赤毛のショートヘアをした女性がMünchenのコンビニエンスストアでペットボトル1本の水を手に取り、カバンに入れた。その数は3本。そのまま何もなかったかのように去ろうとした。その時、店員に手首をつかまれる。
とっさに彼女は店員の顔に手を押しつける。
店員は悲鳴を上げて倒れ込んだ。
彼女はその隙に駆け出した。
店員の顔は焼け落ちていた。
8月14日午後4時23分(Hamburg時間)
《炎の勇者》か。
厳しいだろうね。
なにせ《聖なる力》を持たないのに《勇者》って呼ばれているようなヤツだもんね。
彼女を倒すのは至難の業だと思うよ。
私でも厳しいかも。
相手の使う魔法がわからないんじゃ仕方ないよね。
8月23日午前10時25分(Wien時間)
第三反復は2011年を舞台にしているため、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。




