失った記憶 仮説2 See You in the Morning 仮説1
どうしてこうなったのか。
僕にはどうしてもわからなかった。
甲高い咆哮。歯と歯の間から滴り落ちる鮮血。
異形。
「今日も私、Anne Hathawayに似てるって言われちゃった。」
Taylorが帰ってきた。
「これで累計52回目だっけ?」
「53よ。」
「そんな似てる?」
僕は母親がTaylor Swiftに似ていると少し思う。
「Chrisぅ〜。」
「きゃー(棒読み)」
「だから、これで俺の勝ちだ。」
「は?ありえないよ。クソ兄貴。」
「騒がしいけどいい雰囲気だ。」
騒がしいのは事実だろう。
誰だってホームパーティーのときはこうなるだろう。
Albert Glenwoodはこの雰囲気が好きだ。
自分がこの中で“本当に”生きていると感じられるのだ。
実は今日はTaylorの誕生日でもある。
誰かの誕生日や感謝祭、クリスマスなどのときはChrisが朝から夕飯の支度をし、ArbyやAmy、Clydeは手伝う。
そしてSan Diegoのケーキ屋で働いていたことのあるGrayとMelとTesifaが秘伝のバタークリームカップケーキを大量生産する。{手が器用(1人を除いて)組。}
その日はTaylorは午後2時半過ぎにWhite Houseから戻ってきて、同じ頃にライブハウスから帰ってくるCarmillaと一緒に部屋の飾り付けを始める。(祝われる本人が飾り付けをするなんておかしな話だ。)
そして午後5時ごろにパーティーが始まる。
今回はAmyが始めてメイン料理(1)のミートソーススパゲティの調理を任された。(メインは5つあり、Amyは不器用である。)
そしてそれに対するTaylorの感想…「上達したわね。Amy.とてもおいしい。」
Amyは少しドヤ顔をした…気がする。少し顔を赤らめた。
そして食事が終わった後はみんなで食器を片付けた後、各々の時間を過ごす。
AmyとClydeとGrayは3人でオールドメイドをしている。
Carmillaは自室にこもり作曲活動。
Chrisはうまい紅茶の淹れ方を研究し、Melに飲ませている。
そして僕とTesifaはTaylorの話す話を聞いている。
その時インターホンが鳴った。
「はーい。」
Taylorが玄関に出ると、そこには一人の女性がいた。
真っ黒のコートの下に白いシャツを着ていて、黒いトランクスを履いている。
「こんばんは。」
その女性はTaylorに語りかけた。
「えっと…。」
「パーティー中、失礼する。この家のTesifa Glenwoodに話があるんだ。」
「確か一度会ったことがあるわよね。確かWhite Houseで一度だけ。CIAの…」
「ああ。私はCIAのJudith Tallahasseeだ。」
「それで、その名前で思い出したことが一つだけ。あなた隣の家に住んでたJudyちゃんよね。」
Judithと名乗った女性は少し恥ずかしそうな顔をした。
「ああ。うん。そ…そうだ。そうだ。」
「言ってくれないと分からないじゃない。久しぶりね。」
その時、Tesifaが玄関にひょいと顔を出す。
「誰なの〜?」
「あーこちらはね。私の友達のJudithよ。」
「こんばんは。」
「で、こっちが私の娘のTesifa。なんか話すことがあるんだったっけ?」
「そーなの?」
「ああ。ここでもなんだから。家のなかに入ってもいいか?」
「ええ。どうぞ。散らかってるけど。そういえばカップケーキのこってるから食べる?Grayのカップケーキがおいしいのは知ってるでしょ。」
「ああ。幼い頃Grayおじさんのカップケーキは作ってもらったことがあったな。美味しかった。」
TaylorとJudithは食卓につく。
「この人は?」
Amyが聞いた。
「えっとね。」
「Judyだろう。懐かしいな。帰ってきたのか。」
「え?Gray知ってるの?」
「ああ。昔たまに遊びに来てた。」
「お久しぶりです。」
「まったく。来ると知っていればカップケーキをもっと作っておいたのに。」
Grayがカップケーキを皿に乗せてJudithに出す。
「で?話って何ですか?」
Tesifaが聞いた。
カップケーキにフォークを入れながらJudithは
「チームの一員として《Wien》に一緒に行ってほしい。」と言った。
「なぜ?」
「詳しい真意は知らない。上司の指示だ。」
「どうせ拒否権はないのね。」Taylor。
「ああ…そうなるな。」
「私は何をすればいいの?」私。
「私は知らない。ただ連れてこいとだけ言われている。」
Taylorは30秒ほど考えてから言った。
「いいわ。そのかわり、Tesifaには傷一つつけないこと。」
「それは約束できない。《Wien》は《Hoffnung für die Zukunft》が狙っている。いつ戦場になってもおかしくない。」
「ならなおさらよ。」
Judithはため息をついてから言った。
「ああ。分かった。出発は3日後だ。それまでに1週間滞在できるくらいの準備をしておけ。いいな?」
「わかったわ。ほら、Tesifa、返事!」
「はい…分かりました。」
8月12日午後7時46分(Stockbridge時間)
第三反復は2011年を舞台にしているため、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。




