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The Chaos Effect  作者: Michael Lange
第二反復 2010年
21/23

定義1 《雷狼》Idili

オレはオマエを殺した。

殺してしまったんだ。


「Idili。それがあなたの名前ね?」


殺したんだ。


「あなたは私の騎士様なんだから。ちゃんとしなさいよ。かっこ悪いわよ。」


殺してしまった。


「大丈夫なの?《雷狼(ነጎድጓድ ተኩላ)》?」


いつもそのとぼけたような顔を思い出す。


もう…失ってしまったのに。


その日々を思い出す。


「おい。《雷狼(ነጎድጓድ ተኩላ)》!働け!《祭事》が始まるぞ。」


やめてくれ。逃げたい。もう逃げたいんだ。


「まあまあ。落ち着いて。《雷狼(ነጎድጓድ ተኩላ)》クンは疲れているんじゃん?」


思い出させるな。押し寄せる。やめろ。


《狼》!!!!!!


「オイオイオイ。オレを困らせんなよ。逃げられる心配はして来てねえんだからよォ。」

いや。逃げてるのはオレの方じゃないのかァ?


「諦めんなよ。逃げるって決めたんなら逃げ続けろ。」

諦めるな。たぶんオマエはオレよりも強いはずだ。


「オレの前に立っている自覚を持てよ。それは…オマエは…戦うべきなんだ。オマエはただ殺されるって言われて、抵抗もせずただ逃げ惑っているだけなのか?違うだろ。オマエは人間だろ。抵抗しろ。武器を取れ。武器なんてどこにでも転がってる。せめて…生命力を見せろ。」

そうだ。逃げ続けるな。オレみたいになるな。まだ若いんだから高い壁に立ち向かっていけ。


「俺は、いつかお前と対峙する。だから、待ってろヤバいヤツ。」

よかった。やっちまえ。さあ、抵抗しろ。敵を倒せ。未来を切り開け。そう…だから…

「あぁ。待ってる。」

「ガンバれよ。」


《狼》は疑えと言っている。

疑え、今すぐ殺せ!と言っている。

だが…逃げろ。オレが見失うまで。逃げろ。

逃げろ!!!


人狼になる。ただそれだけ。

それだけのことで殺してしまった。殺してしまったんだ。

彼女は死んでしまったんだ。

あのとぼけたような顔はもう見れない。

終わったのにまだ彼女がいると錯覚する。

終わったんだ。ただそれだけ。

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