ある“Family” 仮説12 炎上する神の前で 仮説10 Stockbridgeの騒乱 仮説11 非日常と日常の境目 仮説10
は…は……。」
終わった。やっと終わったんだ。
Albert Glenwoodは死闘に勝ったのだ。
ナイフが、物を燃やす能力を持っていると知ったとき、彼は考えた。爆発を起こせるのではないかと。
彼は転んだ後すぐにトラックのタイヤの前に動いた。運搬作業用のトラックのタイヤには圧縮した空気が多く含まれている。それを開放した際にはもっと大きな空気圧と温度上昇により爆発が起こせるのではないかと考えた。そしてそれは実際成功した。
青年がナイフを突き立てたときタイミングを見計らって回転して右に避けた。そのナイフがタイヤを刺し、青年は吹き飛ばされ止めてあった自動車に激突した。
その後小さいが爆発が起きたため、Arbyもそれに巻き込まれ、火傷や小さい破片が身体に突き刺さっている。だが…まだ歩ける。
青年も意識を取り戻しそうだ。
Arbyは渾身の力を振り絞って自動車の前まで行った。
そして問う。
「何で…ここに来たんだ?」
青年は言った。
「このままこの街にいると、君は危険だ。君のお友達も危険にさらされるだろう。彼らは…。」
青年は間をおいてから言った。
「君たちを殺そうとするだろう。」
「分かった。ありがとう。」
Arbyは青年の顔を殴った。
青年は今度こそ気絶したはずだ。
どっと疲れや痛みが出てきた。
Arbert Glenwoodという少年は倒れた。
計画4つのうちのすべてが進行中。2つが完了。
進行率計測不能
午後5時14分
「覚えちゃった。」
《非道》はボソっと呟く。
《記憶》それは彼女にとって大きな意味を持つ言葉だ。
彼女の特異な能力は《魔法》が使える、以外にもある。
それは《観察力》、《記憶力》がとてつもなく発達しており、そこから付いたその能力名は《模造者》。
目の前で行われたすべてを記憶し、解析し、自身の身体で再現する。
再現したものが《魔法》だった場合、その完成度は平均93%ほどにもなる。
彼女が今回《模造者》で習得したものは《復活の天使》の《一芸特化魔法》である《መነቃቃት》。
これは5本の突起が出ている無機物に自身の傷や病気を転嫁する《魔法》だ。
彼女はヒトデのストラップを1つ掴み、口で噛んだ。
「የዚያን ሰው ድርጊት እናጽድቅ።」
傷が癒え、ストラップが傷に耐えきれず砕けた。
「思い出した。」
そう。この《魔法》は自身の傷や病気をストラップに転嫁する《魔法》。つまり、記憶喪失という障がいも転嫁されるということ。
「どうすればいい?」
《勇者》……《魔王》………《魔法》………《非道》………《祝福》………………………………………
《非道》の頭の中で情報が氾濫を起こす。
そして気づく。この状況では自分は何もできないという事実に。
元の世界に帰る方法がわからず、帰れない。
《非道》はため息をつく。
「帰ろ…う…今日の夕飯…考えない…と…………。あっ…」
《非道》は《復活の天使》の血に滑って倒れた。
そのまま情報過多で脳の処理が追いつかず気絶した。
計画4つのうちのすべてが進行中。3つが完了。
進行率計測不能
午後5時15分
爆発音がした。
炎が広がる。
とてつもない咆哮
Clyde Quitmanはゆっくりと立ち上がり、フレアガンを床に落とす。
硝煙が漂っている。
フレアガンは発射されたらしい。
Clydeは狼が突進してきた瞬間にフレアガンの引き金を引き、横に飛び避けた。
その際、Jasonも反対側に避けていた…はずだ。
その後、炎をまとった獣はそのまま車のメンテナンス用のガソリンが入った容器にそのまま突っ込み、爆発した。
終わったのだ。命の危機は。
「Jason…どこだ?」
JasonはClydeが倒れていた10mほど先に倒れていた。
やけどを負って意識を失っている。お腹から真っ赤な血が…。
「クソッ。」
Clydeは自分が背負っていたポーチを漁り始める。
「あった。」
Tylenol。それはアセトアミノフェンを含んだ解熱鎮痛薬だ。
NEOSPORINかなんかがあればもっと良かっただろう。
「Cly…de……。」
Jasonが目を覚ました。
Clydeはポーチから水筒を取り出した。
「Jason、大丈夫か?」
「まあ…な…。これくらい…大…丈夫。」
「一旦痛み止め飲もう。」
「ああ…ありがとう。」
Jasonは水筒を手に取るとゆっくり飲み始める。
Clydeはこれまでのことを思い出す。
Jasonと知り合ったのはClydeたちの家に元々Jasonが住んでいたからだった。
その頃彼はまだ大学生で、Oglethorpe Univercityに通っていた。
彼はClydeやAmyにいつもギターを教えてくれた。チューニングの仕方や手入れの仕方、さらには簡単な曲の演奏の仕方……。
Jasonが水筒を取り落とす。Jasonはまた倒れた。
彼はいつも他人に親切にしていた。
だからだろう…だから…こんなにも早く死んで…
しまうはずないだろ。
「助けるんだ。今!」
水で洗い流すだけじゃだめかもしれない。だけど自分ができる精一杯を尽くすのだ。死んでしまわないように。
そこに1台の車が止まる。
「病院に行くぞ。急げ。」
そこにあったのは1台の黒いバン。
ドアが開き、中から誰かが手を差し伸べている…
「Amy?」
「急げ。兄貴。」
何があったのか。それを説明することにしよう。
計画4つのうちのすべてが進行中。4つが完了。
進行率計測不能
午後5時17分
Amelia “Flyer” Quitmanは走っていた。
口に血の味が広がっている。喘息の発作を起こしているかもしれない。それでも10月の冷気にスカートのしたのふくらはぎを刺されながら走る。
スニーカーで遊びに行ってよかった。走りやすい。
Patriciaと一緒に行ったのに《遊び場》内ではぐれてしまった。
ただ、今はそれを考える暇はない。さっき助けてくれたお兄さん(?)が無事かどうか気になる。
あの炎を纏った化け物から逃げなければいけない。
死ぬかもしれない。
だから走る。感覚がなくなった足を無理に動かして走る。逃げろ!本能的に足を動かす。
少し灰の匂いがした。体感気温が上昇した。
これは…さっきの怪物が近づいたときと同じ感じ…まさか。
目の前に“それ”はいた。
火を纏った爬虫類。化け物。
私は前に進めない。
爬虫類が一歩ずつ踏み出す。
私は後ろに一歩ずつ下がる。
一歩、また一歩。
視界が反転する。浮遊感。
石?
どうにか手をついて頭をうつことはなかった。
だが爬虫類が近づいてくる。
その時だった。
銃声。猟銃だろう。
爬虫類が銃弾を溶かす。爬虫類が咆哮をあげ銃が撃たれた場所に走っていく。だがその隙に私は爬虫類の横をすり抜けることができた。全力を出して足を動かした。
後ろは振り返らない。
悲鳴は聞こえない。狙撃した人は生き残っているといい。
300mほど走っただろうか。
目の前に車が止まった。
扉が開き、手が差し伸べられる。
私はその手を、取った。
計画4つのうちのすべてが進行中。4つが完了。
進行率計測不能
午後4時58分
「敵は?」
「あの怪物なら30mくらい先だ。引き離したいな。」
「Jasonの血が止まらない。」
AltoがJasonの傷口にハンカチを当てている。
ハンカチはもう既に赤色に染まってしまった。
「そのまま押さえてろ!」
「スピードを上げて!」
「よっしゃ。つかまってろ。」
Will、Alto、Amy、Clyde、Jasonの3人はバンに乗って火を纏う爬虫類からの逃避行を繰り広げていた。
午後5時過ぎのメインストリートはいつもなら人が多くいるはずだが今日はほとんど見当たらない。
火事が起こったからだろうか。
突然、Amyが叫んだ。
「Will先生、前見て!」
目の前にいたのは…州兵の一団だった。
思わずWillは車を止める。
一人の軍服を着た男が近づいてきた。
Willは窓を開けた。
男は言った。
「怪我はないですか?」
「Jason…保安官さんが…。」
Altoが言うやいなや男は叫んだ。
「医療班!至急来い!」
白衣を着た人々がやってくる。
男が言う。
「私は、Alfred Roswell少佐です。Stockbridgeに派遣され、市民の安全確保を…」
咆哮。
炎を纏った化け物が追いついた。
「3隊!攻撃に備えろ!」
Alfredが叫ぶ。
周りにいたマシンガンを持った銃兵たちが一斉に構える。化け物は州兵と睨み合ったあと背を向けて森に消えていった。
少しメインストリートから離れた住宅地に設置されていた州兵のキャンプの危機は去った。
計画4つのうちのすべてが進行中。4つが完了。
進行率計測不能
午後5時23分
終わりは始まったばかりだ。
その時、《復活の天使》は死を一度克服した。
理由は簡単。
Tesifa Glenwoodが、《復活の天使》の能力の真の力を理解せず、そのうえ《復活の天使》に対するトドメを怠ったからだ。
《復活の天使》はゆっくりと起き上がり、自身の池に沈んだ《非道》を見た。
《復活の天使》に四本の新たな羽が生える。
彼女は冷たい咆哮を上げた。
Seraphus…そう定義される怪物…彼女は求めていたものに生まれ変わった。
そして、目の前のShitに《Сталинградの剣》を振り下ろそうとしたその時…
Seraphusとなった《復活の天使》に2つの風穴が空いた。
一つは心臓を正確に打ち抜き、もう一つは脳を正確に打ち抜いていた。
銃声は…しなかった。いや、聞こえなかった。
彼女は倒れた。
《Сталинградの剣》が地面に落ちて金属の音を立てる。
もうヒトデのストラップのストックはない。
銃を撃った人物はサイレンサー付きのM1911を下げたあと言った。
「Duane!Emma!仕事にとりかかれ!今日は眠れないぞ!」
その人物はJudithと書いてДжудитと呼ぶ難しい名前の人物だった。
計画4つのうちのすべてが進行中。4つが完了。
進行率計測不能
午後5時47分
作戦成功。
負傷者2人
死者2名
生存者3人
作戦目標・・・Tesifa Glenwoodを世界の抗争の最前線に浮上させること。そのために異世界転移のために失われた記憶を取り戻させる必要があり、そのために魔術による襲撃を行う必要があった。
結果的に犠牲者がこれだけだったのは奇跡に近い。
よってこの作戦を成功とみなし、第2フェーズに移行する。そのためにO.T.Oや《財団》などに別個協力を依頼する。
作戦責任者 《祝福》(実名非公表)
作戦副責任者 Natalie Helen
西暦2010年10月6日水曜日
同刻、افغانستان مارجه د هلمند ولایت近郊にて。
U.S.Armyによる大規模掃討作戦が進行中。
「こちら、デルタ。オールOK。」
「了解。デルタ、待機を命じる。」
「了解。」
「敵機襲来。デルタ、銃撃に備えろ。」
「了解。・・・ありゃなんだ?」
「どうした?デルタ?」
「敵機の腹に少女がくくりつけられている。司令、どうします?」
「待機だ。」
それが仇となった。
「今、少女が落とされました。」
「それが本当ならその少女はもう助からない。待機だ。」
「少女から翼が生えた?大変だ。逃げろ!こっちに来るぞ!whasoiajjrhegwjbrhhdghhhhhggggggggggggggg」
「デルタ?デルタ応答しろ。何があった?デルタ!」
それがOperation MoshtarakにおいてU.S.Armyに3567人もの犠牲者を出した《مارجهの悲劇》の始まりだった。
Tesifa Glenwoodは目を覚ました。
部屋を見渡すとそこは病院の四人部屋だった。
「起きたのね。《先生》に言わないとね。ああ大変ね。」
看護師が、彼女が起きたことに気づいたようだ。
看護師は病室から出ていった。
その数分後、白衣を着た男が入ってきた。
Nnamdi Magnus…あの《Nigeria》系の好青年だ。
「大丈夫そ?CIAの人たちが君を連れてきたときはびっくりしたよ。そういや、今日偶然リハビリの予約は入ってるんだけどどうする?今やる?結構強めに頭打ってたから、記憶全部なくなりました〜☆やばめ〜☆とかない?」
「大丈夫…です。」
「よかった。そうだ!ガム噛む?」
「だめなのね。まだ病院食以外食べさせちゃだめなのね。」
「じゃあクッキーは?自作なんだ!チョコチップを食べれば…」
「お腹に入っちゃうからもっとだめなのね。」
話を遮られた《医師》は膨れた顔をした。
「まったく。点滴変えとくよ。」
またチューブだ。
「私は…」
「うん?なんだい?」
「全部…思い出しました。」
「それはよかった。自分で思い出せたのならね。」
「聞かないんですか?」
「聞かないよ。聞かせたいなら聞くけどね。」
「点滴変え終わったのね。」
「そうか。分かった。」
《医師》は病室を離れようとして止まった。
「1つ伝言だ。君のお友だちかな?彼らもここに入院してるよ。君の弟さんもね。」
「は?」
「2日後くらいなら面会できるよ。点滴が取れたら一緒に行こう。」
なぜArbyが入院沙汰になったのだろう。もしかしたら私のせいなのかもしれない。
「大丈夫。ちょっと大規模出血しただけだ。今は落ち着いてるよ。」
「なぜ?なぜArbyはケガを?」
「よくわかんないけど不審者に襲われたらしいよ。」
「はあ。」
「まあ、大丈夫だよ。手術は終わったしね。」
「そう…ですか。」
Tesifaはつけるのを忘れていた少し洗剤の匂いがする耳当てをつけた。
いつも通りの触感。安心する。落ち着いた。
「ふぅ。」
戦いは終わり、平和が訪れた。なのになぜ落ち着かないのか。
私にはそれが分からなかった。
銃声。
白衣を着た《ایران》人が何かわめいている。
もう一発銃声。
湿ったグチャという音のあと大きな物体が倒れる音がした。
箱型のトランシーバーを手に持ち、メッセージを伝える。
「Aaron、Aviva、Naomi、西ゲートは制圧した。入ってきていいぞ。」
『了解。Wedefītiは怪我はないのか?』
「全くだ。切るぞ。」
『了解。』
「おい!何やって…」
銃声。
「まったく。絶滅すりゃいいのに。」
《勇者》Wedefītiはشهید علی محمدی核施設に立っていた。
一方その頃、《Deutschland》のSonthofenの山中にある隠れ家では…
「さてと…どうしましょう。」
Merkelが言った。
von der Leyenは怖かった。
《Deutschland》ではクーデターなんて戦後、一度も起こったことなんでなかった。
なのに何でこのときなんだ。
なんで私が労働・社会大臣のときなんだ。
ほとんどの国は政府のシェルターを持っているといっても過言ではない。
それが《Deutschland》ではSonthofenにあった。
Merkel政権はそこに避難してきたわけだ。
「《Hoffnung für die Zukunft》は現在。西側、《France》にも勢力を広げたという情報が入ったわ。でも南部はあまりちょっかいを出してこない。だからまだ猶予があるわ。」
「けど問題は移民と難民だな。」
DeMaiziereが言った。
「約2000人の難民が国外退去させられてますね。」
これは私。
「まずは事態が好転するのを待ちませんか?」
これはSchavanで。
「悪化していく一方だと思うが?」
これはSchäuble。
電話の音がした。
「朗報よ。《U.S.》が協力してくれるらしいわ。」
Merkelが言った。
後に欧州委員会委員長になるvon der Leyenは不安を拭いきれなかった。
《創造》はValencia湖を望むゴーストタウンであるBarrio el Bosque de Yuma, Caraboboの中心に立っていた。
「あぁ。ついに始まったか。《非道》が力を取り戻した。不完全ではあるがね。これから始まるのは何なのだろうな。どう思う?《Carl》?」
《創造》が話を振ったのは隣に立っていた南部の保安官のようなカウボーイハットをかぶり、ジャケットを羽織った15歳くらいに見える少年。肌はアルビノくらい白く、髪は黒く染めたように見える。
「僕に話を振らないでくれ。なにも分からないぞ。」
「Aleister Crowleyの後継者を名乗っているのに?」
「・・・。それを言わないでくれ。僕泣いちゃうから。」
「まあいいか。《祝福》や《救済》が動き出しているらしいぞ。《生きる屍》たちはどうする気だい?お得意のサタン攻撃でもするのか?」
「どうもしないさ。まだね。まだ。」
「《Deutschland》と《France》についてはどう思う?祖国だろ?」
「どうも思わないよ。ただ、《非道》が出しゃばってくる可能性はあるな。」
「そうか。Albert Glenwoodについては?」
「あいつただの学生だろ?」
「そう思うのが…普通か。」
「?」
「何か他には?」
「そうだな…一つだけ・・・」
私は…言わなければならない。何が起きているのか。私に何があったのかそして、弟や友人を危険にさらしたのは一体何なのか。償い?まあ、そうなるな。
「だ~か~ら~。終わりだって言ってるんだよ☆」
銃声。
「私にちょっかいを出そうとするからこうなったんだよ。最初のミッションだけをやっとけばよかったんだよ。《崩雷》さん!」
《壊れないもの》は倒れている生物質の物体を蹴飛ばす。
《崩雷》はうめき声を漏らす。
「ねえ?こっからどうする?」
《崩雷》は動けない。
「じゃあ撃つわ。バイバイ。」
2度目の銃声
うめき声。
もう身動きが取れない。
《崩雷》は命を落とした。
そこには何も残らなかった。
選択を変えれば何か変わったかもしれないのに。
だからこそ、
「私は、運命やらなんちゃらをすべてを否定してみせる。この黒十字にかけても。」
Stockbridgeは始まりに過ぎない。
いや、すべては始まりだ。
歓迎するよ。始まりへようこそ。
第一反復は2010年を舞台にしているため、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。




