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The Chaos Effect  作者: Michael Lange
第一反復 2001年〜2010年
2/23

混沌の意味は 仮説2

世界の《終わり》もしくは《始まり》。9.11が始まる。

南棟に飛行機が突っ込むまであと87秒。

「どうしよっかな?」彼女は悩んでいた。今いる高度ではどうしてもあの鳥っぽいやつが突っ込むであろう階に行くことができない。さて、どうするか。《跳ぶ》ことは空中では難しい。彼女に高い建物が目に入る。One Liberty Plazaだ。 よし、飛び移ろう。

彼女は着地できるような位置に移動する。

「ここらへんかな?」

あと79秒。

よし、አቆምሃለሁ(世界は反転する)

彼女は頭の中でこう唱えた。

One Liberty Plazaの屋上に魔法陣が展開される。

彼女はそこに着地しようとしているのだ。

あと68秒。

彼女はそこに着地した。轟音が響く。魔法陣によって着地時に発生した力が吸収され、それがまた『跳ぶ』ためのエネルギーとなる。そして…彼女は跳んだ。その直後、彼女は手を振り上げる。なんとか77階の窓の縁に手が届き、彼女そこに立ち上がろうと試みる。建物の中から不特定多数に奇異の目で見られている。その中のひとりが近づいてくる飛行機に気がついたようだ。悲鳴が聞こえ、連鎖する。彼女はそれに気づかず、近づいてくる脅威に対し、冷静に対処方法を考えている。

たぶん、あの鳥の中にも人がいるな。

だとしたらあの鳥の向きを変えるか。

でもそれだと他の建物にぶつかってしまうかもしれない。

だったら…

あと23秒。

機体が98フィートほど先に見える。

彼女は、窓のふちから跳び上がると、10mほど落ちたところで機体全体が見えたのを確かめ、頭の中でአንተ የምታውቀው() አለም ይህ ከሆነ እክዳለሁ።()と唱え、親指と薬指と小指を折り曲げた右手を振り下ろす。

飛行機がきれいに真っ二つに切れた。破砕音。様々なものが落ちてくる。

シートの破片などがお腹や頭に直撃し、彼女は痛みに顔を歪める。

飛行機本体も切られたことで衝突するほど勢いがなくなり、落下していく。

「下の人たちは大丈夫かな?」

落下中、下を見ようと体を外側に丸めたが、下からの風が勢いを増しており、髪がボサボサになっていく。下が見えない。

髪がすごいことになってるな。帰ったらセットし直さないと。帰る?どこへ?

彼女は自分の状態を予想し、クスリと笑った。

その後、自分の置かれた状況がだんだんと分かってくる。

うん、地面が近いな。

彼女と、機体は地面に垂直ダイブを試みようとしている。

このままだと彼女は地面に落ちてばらばらになるだけでなく、機体に踏み潰されてミンチにされるかもしれない。

まあ、彼女はそんなことは一切気にしていない。どうせ『たぶん死なない』から。

もしも世界中の人々が思考で生きる生き物だとしたら、彼女は感覚で生きる生き物だ。彼女の『感覚』は生き残ることに関しては誰も右に出る者はいないだろう。一人を除けば。

まだ感覚が戻ってないな。感覚?なんだっけそれ。

地上までおよそ419フィート。

One Liberty Plazaの屋根が近くに見えてきた。

「この人たちは…まだ生きてるはずだから…助けるか。」

ならば…

「ちょっとだけ乱暴するよ。感覚が戻ってないから詠唱アリで」

ወደ ታች(すべては) ትገፋኛለህもっとコンパクトにできる

2つに離れた機体のうち、一つの右翼部分を強引につかみ、乱暴に投げ飛ばす。

1トンはありそうな機体が野球ボールのように吹っ飛んでいく。

「もう一個!」

彼女は空を泳ぎ、もう一つの破片の左尾翼をつかみ、同じように投げ飛ばした。

2つの破片は放物線を描いてHudson Riverに落ちていく。

彼女の眼前にOne Liberty Plazaの屋上が見える。

「やばっ」

体をくねらせてなんとか避けきる。

「あとは…私か!」

地上まであとおよそ288フィート。

思い出せない。何とかこの状況を打開できる《魔法(አስማት)》を《魔法(አስማት)》を《魔法(አስማት)》を《魔法(አስማት)》を

…思い出した。

あと183フィート

なんだあんまり心配する必要なんてなかったじゃないか。さっきまでやってたやつをもう1回行うだけだ。

あと76フィート

あと53フィート

あと38フィート

あと14フィー…

በአንተ(地面よ) ረድቶኛል።(私の身体を守れ)

アスファルトが大きく凹む。Church Streetに衝撃が伝導する。彼女はうまく着地し…た?

「あっ」

視界が回っていく、38度、60度、90度…。着地時に着地した場所がぬれており…彼女は盛大にコケた。

彼女はそれを予測することができず、頭を強く打った。

痛…くない…いや、《感じない》。

意識が薄れてゆく。

野次馬が集まってきた。

その中に近くのStarbucksから出てきた20代ほどの女性がいる。その女性が持っているのはカプチーノだった。

その女性は、倒れている彼女を見て顔を青くし、近くに寄って座り、切羽詰まったように言った。

消えゆく意識の中で、その女性が放った言葉を彼女は聞いた。

「あなた、大丈夫?」

意味はわかる。だけど…疲れた。

第一反復は2001年を舞台にしているため、調査が2007年頃までしか遡ることができず、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。

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