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The Chaos Effect  作者: Michael Lange
第一反復 2001年〜2010年
1/23

混沌の意味は 仮説1

彼女が歴史上、初めて文書に登場したのは強盗事件の報告書だった。

2001年9月10日、New York市にて、4人組の強盗がBattery Park近くにあるスーパーマーケットを襲撃した。

NYPDが駆けつけると、彼らは驚いた。なぜならすでに強盗は鎮圧されていたからだ。それも、とても惨たらしく。

彼らは、店内の目撃者に話を聞いた。その中でもAugustus Albuquerqueの証言を参考に、起こったことを整理する。

彼の証言を要約するとこうなる。事件当時、彼はそこで夕食のための買い物をしていた。そのとき、4人組の強盗が現れ、1人がレジの店員に銃を突きつけた。目的は店の利益の金。

もちろん店内はパニックに陥ったが、他の強盗たちが客に銃を向けたことで、誰も悲鳴を上げたりもしなかった。Augustusはその時咄嗟に戸棚の裏に隠れたため、NYPDに通報することができたという。

「本当に怖かったですよ。なにせいつ銃を向けられて撃たれるかもしれないですからね。」

その間5分間ほど緊迫状態が続いたという。

それは、強盗たちが店の金だけでなく、客の金にも手を出し始めたからだった。

客たちは必死に抵抗した。

その時だった、強盗たちの銃が彼らの手ごと“落ちた”という。

「そのとき、鈍い音がしました。私は彼らに目も当てられなかったです。とても痛そうでした。」

その直後、その前までCampbell's Soupの缶を見ていたブロンドの髪色をした美しい(Augustusによると、まるで周りの景色から切り離されて見えるほど美しかったという。)、耳が異様に長い少女がパニーニを手につかんで店から出ていったという。その少女の服装はとても奇妙で、黒色のダンスローブのようなものに白色のジャボが付いている。また、靴はブーツで、泥に汚れているほか、英語ではない他言語が縫い付けられた革のポーチを持っていた。

その後、Augustusら客と店員は力を合わせて戦意喪失した強盗たちを鎮圧した。

「あとは簡単でしたよ。ロープがあったので、くくりつけてやりました。」

そう言う彼の顔が少し笑っていた。

その後、その耳の長い少女は目撃されていない。

これから彼女のことを話そう。

彼女は不思議な細長く、高い建物が立ち並ぶ場所で彷徨っていた。

このような高い建物は昔見たことがあるけれど、

それらはたいてい泥レンガか、はたまたただのレンガでできていた。このような派手な物は今まで見たことがない。

彼女の頭の中には何もない。昔、がんばって詰め込んだ知識があるだけ。詰め込んだ?いつ?自分が詰め込んだ?自分がなぜここにいるか、そもそも自分が誰なのかがわからない。このような状況を冷静に考えて彼女は結論づけた。「記憶喪失…か。」

1日目、彼女は、適度な森林を見つけ、入った。Teardrop Parkで、彼女は興味深いものを見つけた。

何だこれ?イェジマレ・アヒグチ南部語で書かれた雑誌?知らない単語もあるけど読めるはず。友達がイェジマレ・アヒグチの南部の国(何て名前だったっけ)出身だった。友達?何のことだろう。私は何を考えているの?まあいいや。

その雑誌には必要なことは載っていなかった。載っていたのはよく分からない殺人事件の概要やおいしそうなお店の情報だけ。

彼女はそれを読むのをやめた。

面白くなーい

彼女はそんなことは気にせず、できることをしようと思った。

まずは家を建てよう。気づいてたけど、右手にやけどをしていたね。まああまり関係ないか。たぶん。

枝を数十本集めたから、切って焚き火を作ろう。

彼女は枝を空中に放り投げ、親指と薬指と小指を折り曲げた右手を振り下ろした。すると、刃物も何もなく、まるでナイフに切られたような断面で枝が10本ほど丸ごと切れる。

あれ?なんでこんな事ができるんだっけ。まあいいや。考えることは栄養を使う。今はお腹ペコペコ。どこかに食べ物ないかな。探そうっと。

彼女は食べ物を見つけられず、その夜Washington Market Parkの奥で、落ちていたカーテンと枝から作った小さなテントの中で寝た。

2日め、彼女は悩んでいた。New Yorkの朝は寒い。それはたとえ秋だとしてもだ。食べ物もない今の状況で、生きるのは難しいと言っても過言ではない。そして、彼女は見つけた。食料を。しかし問題があった。

この町で市場を見つけたはいいものの、中には入れないのである。しかも大雨である。早く雨宿りしたいこともあって、ガラスを何度もたたいた。もちろんこの行動は人の目を引いている。いや、引きすぎている。

まずい、これはまずい。この透明な板はなんなんだろう。一旦退いて、他の人の行動を見るか。おなかが空いた。何も考えられない。この板壊すことしか思いつかない。たぶんだめだよね、それ。よし、一旦遠くから見ていよう。

彼女は一旦様子見をすることにした。

一人の中年の女性がドアを開けて店内に入っていく。

なるほど、ドアがあったのか。それならできるな。よ~し。

彼女はドアを開けた。ドアはまるで開かれるのを待っていたかのように自然に開いた。そして彼女はカゴを取り、目の前の棚の中身を丸ごとカゴに入れたい感覚に襲われた。しかし、その時彼女は気づいた。自分が等価交換できるようなものを何も持ってないことを。

流石にヤバイヤバイヤバイ。このまま食べ物がないと死ぬ。だけど万引きとかしたら社会的に死ぬ。食べ物〜 金〜。

そうこうしているうちにドアが大きな音を立てて開いた。サングラスをかけ、マスクをし、キャップをかぶった人物が四人ほど中には入ってきた。1人は真っ先に会計所に向かい、他は、まるで視界を広げるかのように店内に散らばった。

そして会計所に向かった1人が店員に簡易火器を突き立ててこう告げる。「有り金全部出せ。今すぐ!」

他の3人も同じく簡易火器を取り出し、客に突き立てた。緊迫状態。

まずい?そんなでもない。でもあんまり“力”を使わないようにしないといけない。たぶんまだ合成できない。何を言っているんだ私は。頭に浮かぶクエスチョンマーク。でもケガをさせたくないしなぁ。いっか、やっちゃうか。

መለኮ(もしそれが君の捉える)ታዊ(世界だとしたら) ሰይ(私はそれを)(否定する)

彼女はまた親指と薬指と小指を折り曲げた右手を振り下ろした。

強盗たちの銃を持っていた手の手首から上がきれいに切られた。それも全員の手である。

断末魔の叫び

今のうちにパン取って逃げよう。できるだけ草と肉がいっぱい入ってるやつがいい。あったこれだ。

強盗を撃退したんだし、報酬があってもいいよね。

彼女はサンドイッチを手に取り店を去った。

「ふぅ~」

彼女は大きく息を吐いた。

3日め、彼女は鳥のさえずりを聞きながら起きた。

サンドイッチでお腹が満たされたこともあり、昨日は早めに寝てしまった。

そういえばこのポーチなんなんだろう。

このポーチは記憶がなくなる前からずっとつけていたと思われるもので、ተስፋ ለማድረግと縫われている。

はて?

というわけで今日は海沿いを探索していこー。難しいことは考えない。そう。考えない。おー。

彼女はティアードロップパークを出て、ノース・コーブ・ヨット港の方面へ向かう。

100ヤードほど歩くと海が見えてきた。

水面に近い場所に見える魚は…ማኬሬል(メバル)

まずい、お腹空いてきた。あのማኬሬል(メバル)取りたい。焼いて食べたい。とっちゃえ。

彼女は、水面に手を伸ばしてこう頭の中で唱えた。ውሃ(生命の源よ、) ፣ ውጣ(解き放て)

水が切られ、魚が跳ね、目の前の地面に落ちた。

これ本当にማኬሬል(メバル)かな?

ちょっとトゲトゲしてる。まさか…ሮክፊሽ(カサゴ)(※2)?

別にሮክፊሽ(カサゴ)だったとしても毒針を取り除いてから焼けば問題ない。木を燃やして。ん?何で燃やせるんだ?まあいっか。もうちょっと進もうかな。7:42。彼女はBrookfield Placeに入りたいと思ったが、等価交換できるようなものを持っていないことを思い出したためやめた。8:02。Boardwalkからきれいに大きな石像が見えた。彼女は、拠点に戻ることにした。8:28。またNorth Cove Yacht港が見えてきた。8:45それはおこった。爆発音、いや大きな衝突音がした。ここからも聞こえる多くの人の悲鳴。金属と金属がぶつかりあう不協和音。空を見上げると青空に煙が立ちこめ、太陽が見えなくなっていた。さすがに彼女も気付いた。「まずいな。」8:47。彼女は、塔くらい高い建物に機械仕掛けの大きな鳥のような物が突っ込み、煙を上げている様子を見た。その時思い出した昔の記憶。何でだろう。気が変わった。絶対に、助ける。これから。誰を?

2機目の航空機が南棟にぶつかるまであと…15分。

彼女は力のかぎり跳ぶ。高い建物を2つか3つ飛び越え、どうにか北棟につく。そしてまた跳んで93階。飛行機の中に生存者がいるかどうか確認する。「United Airlines」そう書かれている破片を見つけた。機体が強くひしゃげていて、黒煙が噴き出しており、炎に包まれている。地獄、そう置き換えて言うこともできるかもしれない。

まずはとにかく誰か見つけないと。

肉が焼ける匂い。

「助け…て。」

誰かの声が聞こえる。

その人は全身にやけどを負っており、傷の一つが心臓に達していると思われる。無理だ。助からない。

私はその人を置き去りにした。何でこんな環境下で冷静になれるんだろう、わたしは。いや、たぶん「慣れている」んだ。人が死んでいく状況に。

火が勢いを増している。もう彼らを助けることは無理だろう。

「ごめんなさい」彼女は飛行機から飛び降りる。体の向きを地面と垂直に維持したまま、地面へと落ちていく。一つだけ追悼をしようと考えた。

ከጥልቅ ውስጥ(君は深淵から)ትወጣለህ(抜け出すだろう)

彼女は建物の欠損部とその周りに「何か」を展開し、真空にすることでビルの崩壊を未然に防ごうとしている。

「私にできるのはこれくらいかな?」

その時彼女は見た。南棟に同じような飛行機が突っ込もうとしているのを。

「あっちもか。」

嘆息混じりの言葉を発したあと思った。

私は一体何をしているのだろう、と。

第一反復は2001年を舞台にしているため、調査が2007年頃までしか遡ることができず、もしかしたら当時なかったはずの店や場所が出てくるかもしれません。

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