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最終話『Echoes of Myself』(私自身の反響)
三人の戦いが、今、終わりを迎える。
友情か、勝利か、それとも――。
ミッション完了画面が表示され、3人は一息つく。
「ふぅ……やったな」
「よくやった。“煩悩姫”、いや……九重紗雪」
紗雪は、少しだけ照れながら頷いた。
「ありがとう、ふたりとも。こんなふうに笑えたの、久しぶり」
現実では言えないことも、ここなら言える。
素の自分を、隠さなくてもいい。
「強さって、なにかを演じることじゃないのかもね」
「その通り。……心の静けさが、真の力を呼び覚ますのだ」
最後にケンジが叫んだ。
「結局、煩悩は力だって証明されたな!」
「……台無しよ、それ」
笑い合う3人の背に、ログアウトの光が差し込む。
やがて、それぞれの現実へ――。
ご愛読ありがとうございました!
最後に、彼らが選んだ“現実”とは。続くエピローグもどうぞ。




