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男子たるもの

「そういえば次のダンジョンって言ってたけど?」

「あれリオンさんってこの世界に召喚されたばかりですか?」

「うん・・まあ」

しかも魔王側に召喚されている・・・。

「私もそんなには長くはないんですけど・・・もう2年ぐらい・・・かな」

「十分長いとは思うけど・・・」

「ん?」

「いや・・なんでも」

「この世界ってもうほとんど魔王軍のものなんですよ。あちこちで魔物たちが人間に嫌がらせをしていて人がまともに住めるのってほんの一部、首都があるリエルガルドの城の一体ぐらい・・・他はみんな魔物だらけで魔王軍の支配下なんです」

「へぇー」

たしか魔王軍のカリエステルもそんな感じの事を言っていた気がする。

「魔王軍はあちこちに祠とか塔とか洞窟とかをつくりそこを拠点に人間に嫌がらせを続けているのよ。それに対抗するために私とかリオンさんみたいな人たちが異世界召喚されて勇者として活動して祠とか塔とかダンジョンを攻略してちょっとづつ領土を奪い返しているって状況なの」

「そうなんだ・・・」

っで奪え返されたのを奪い返すために俺みたいに魔王軍に召喚されたやつがいるってことか・・・。

いやだなぁ魔物と戦うっていうのは良いんだけどここから先は人間同士の戦いになる可能性があるって事か・・・。

って言うか召喚された人間同士を戦わせる代理戦争みたいになってないか?

「どうかしました?」

「いや・・・」

みんな疑問に思わないんだろうか?

そんなことを考えながら歩いているとさっきまで晴天だった空が曇ってきた。

明らかに雨が降りそうなどんよりした黒い雲。

「天気悪くなってきたね」

「そうですね・・・そろろそ魔王軍の支配エリアに入ってきましたね」

「ん?天気の話・・・魔王軍?」

「そうです。このあたりの天気の悪さはこの付近の塔にいる魔物ザーザードのせいなのです」

「天気悪いのが魔物のせいってこと?」

「ずっと雨が降り続けることで人々の気分がずっと落ち込んでいるのです」

そこ?落ち込むとかより天候不良で作物が出来なくて食料が不足するとかそっちだと思うんだが・・・。

さらに先を進み村に着いた頃には大雨になっていた。

「ずっと雨が続いていて困っておるのじゃ、こう毎日雨が続くと気が滅入ってしまう」

そこ?

「それよりも作物が取れないとか現実的に困ってたりは・・・?」

「あぁ・・まあ確かにそれもあるが・・・やっぱり気分が・・・」

気分・・・なんかそんなに困ってない気がしてきたが・・・。

「助けましょう!!」

えぇまあ助けるために来たので助けるけど・・・。

「何とかしてくださるのか?それは助かる。ここから南へ行ったところにある天雲の塔にザーザードがおるんじゃ頼むぞ」

頼むぞってざっくりしてるな・・・なんか倒すための情報とかなんとか何にもないのかよ。

いろいろ疑問や不満はあるもののマリンが行くというなら俺は行く。

男子とはそういうものだ。


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