糸口を探せ
「GIYAAAAAAA!!」
「ぐあっ!?」
「ギャッ!!?」
「しびびびび!?」
「ちょっ!?連発ありかよ!!?」
傷を負い怒り狂ったトネルオラージュが乱れ撃つ落雷攻撃で、地上のプレイヤー達は右往左往。直撃を免れたプレイヤーであっても落雷攻撃が直撃したプレイヤーの周辺にいた場合、雨の影響か感電して麻痺状態になり数秒身動きが取れなくなっていた。
「ちくしょう空から一方的に攻撃してくるのは厄介だなぁ!?降りてこい卑怯者ー!!」
「いや言葉通じんでしょうに。とりあえずなんとかして叩き落とすしかないのはそうなんだが」
周囲のプレイヤー達は、それぞれ所持している遠距離魔法に投擲スキルや投げナイフ、弓による攻撃を行うも、まだそれなりに距離があるせいかなかなか攻撃が当たらない。あともう少しで直撃しそうな攻撃であっても、黒い雷を纏ったトネルオラージュが口から放つブレスで爆散してしまう。
「だああクソ!矢が尽きた!!ちょっと矢作るから離れる!!」
「おっけーまかせろり。つってもオレ遠距離攻撃持ってねぇからどうしようもねぇけどな」
「あれくらいの距離なら屋根から跳んで殴りにいけねぇかな!?」
「空中で身動き出来る『エアウォーカー』とか『スカイステップ』のスキル持ってるなら話は別だが、ないなら落雷やブレスの的にしかならんぞ。あと着地の事も考えないと」
「ミサ様!どうにかなりませんか!?」
「……そうね、地上に引きずり降ろすだけなら今すぐにでも可能よ」
「出来るんですか!?あんな高い位置にいるのに!?なら」
「――けれど、それでは何も面白みがないわ。私が手を出せばすぐに片が付くでしょう。けれど試行錯誤すらせず、他力本願で立ちはだかる難題を解決するというのは、はたして貴方達の益になるのかしら?」
「そ、それは……」
リペアドランの時とは打って変わって好戦的な様子が鳴りを潜めているとは思ったが、どうやらミサさんは俺達プレイヤーの出方を伺ってあえて手を出さないでいたらしい。
「でもどうしようもないじゃないっスか!!俺達の攻撃届かないんスよ!?なら出来る人がやるべきじゃないんスか!?それともただ黙ってやられるのを待てって言うんスか!?」
しかしそんなミサさんに反論するプレイヤーが声を荒げる。
言わんとしてることはわからんでもないが、これはあくまでゲームである以上、運営も意地が悪い攻撃をただ仕掛けるだけの理不尽を押し付けるのではなく、何かしらの解決口は用意しているとは思うんだよな。まあ今のところ検討は全くついてないけど。




