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再臨

とはいえPK集団から守ってもらっている立場上、勝手に動いてやられては話にならないし、PKに倒されると特殊なアイテムや装備品を除いた所持アイテムが全部ばら撒かれてしまうそうなので、余計な動きはしない方が得策だろう。


それに折角集めたエリクシードもロストしてしまったら今までの時間が無駄になってしまう。納品が終わるまでがクエストだ、最後まで油断してはいけない。



「戦う意思あり、と受け取っていいのかしら?それならこちらも――」



ミサさんが迎撃の意思を示そうとした、その時だった.





「ギャォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!」



「ッ!?」


「な、なんや!?」


「……モンスターの叫び声?」



背後にある黄昏の洞窟内から届いた咆哮に居合わせた全員の動きが止まった。それから周囲を漂う何かが洞窟内へと吸い込まれていく異様な感触がしたので、俺は洞窟の入口から即座に離れた。ミサさんも同様の異変を察知したのか、連れて移動する。



「……おい待て、まさか逃げ――」



突然動き出した俺達を見て呼びかけた男の言葉の続きは、洞窟内から噴出した夜闇を掻き消す光の奔流に飲み込まれて完全に消失する。



「……………………は?おいカシン!?どないした!?」


「パーティーリストからカシンの名前が消えてやがる!!アレがなんなのかはわかんねぇけど、とにかくカシンがやられた!!」


「……あの、ミサさん、もしかして()()()()



洞窟内から放たれた咆哮と圧倒的な輝きを放った光の粒子砲。

俺とミサさんを除いて洞窟内にいたのは再生する特殊なモンスターのみ。

そして再覚醒時、圧倒的強者のミサさんですら厄介だと手を焼く形態変化を備えている竜。



「……、少々厄介な事になりそうね。()()()()



間一髪で逃れた困難であっても、留まり続けたら追いつかれることもある。



「なんやねん急にホン、マ…………あ?な、ちょ、待――ガァァアアアアアア!!!?」



洞窟内から巨大な物体が射出され、暴風を巻き起こしながら真横を突き抜けていった極彩色の巨体が進路上にいた男を遥か彼方へと跳ね飛ばす。



「サブ!?クソが!!オメーもやられんのかよ!!なんだってんだ!!?」


「……虹色の、竜?」



瞬く間にプレイヤーを2人撃破してみせた色鮮やかな竜は急上昇して上空へと舞い上がり、月光を浴びながらこちらを俯瞰しながら己の怒りを発露する咆哮を轟かせた。

Q.リペアドラン、なんでブチギレてるんですか?


A.二回も気絶させて来たやつが目覚めたらいなくなってたのでブチギレたんですが、しばらく暴れたら怒りも収まったので「そろそろこの洞窟を離れるか」でノソノソと出口に向かって移動してたら前方に気絶させてくれた相手を見かけたのでキレました。


LDDのゲームにおいて特殊個体は撃破されない限り、交戦経験のあるプレイヤーの事を覚えています。

ちなみにリペアドランとミサは交戦経験がありますが、この個体は過去に交戦した個体とは異なります。

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