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ミッションクリア

確保したエリクシードを即座に亜空間箱に収納。よし、これで5個集めたのでクエスト目標達成だ。

放り投げたブロンズソードを回収して来た道を引き返すのだが、洞窟内がやけに静かなのが気になった。


まあ一方的に圧倒していた、というよりもはや蹂躙に等しい戦闘をみせたミサさんがやられているなんてことはないだろうと洞窟を駆け、前後をリペアドランとミサさんに挟まれた場所まで戻ってきたのだが、その両者の姿は影も形も見当たらなかった。


ところどころ地面にクレーターが作られ岩壁が崩壊しているのが見て取れるので、俺が隣を駆け抜けた後に交戦があったのは間違いない。

加えてリペアドランの身体から剥がれ落ちたであろう極彩色の鱗が転々と地面を転がっていた。


リペアドラン以外のモンスターの姿はついぞ洞窟内で見かけることはなく、奇襲の心配もなさそうなので落ちている素材は回収してミサさんに全部渡そう。せめてもの恩返し、というには恩着せがましいにも程があるが。

散乱していた素材をかき集めて一時的に亜空間箱に放り込み、更に坑道を引き返して分かれ道となっていた開けた空間に到着。するとそこには



「遅かったわね。首尾はどうだったのかしら?」



リペアドランを敷き伏せ、その横たわる背に足を交差させて座り、こちらを見下ろすミサさんの姿があった。ダメージを受けた様子もない一分の隙もない完勝だったのが一目でわかった。


やはり強すぎるこの人。今までいろんなプレイヤーの動画を見たり対戦で遭遇したりしてきたけど、知っている限りではTierで表現するなら間違いなく最上位。闘技場での動きと先程の無駄のない洗練された動き、日本最強プロゲーマーの禍秡(マガハラ)さんに匹敵するんじゃないだろうか。



「おかげさまでなんとか見つかりました、ありがとうございました」



気絶している竜の玉座から見下ろしていたミサさんはすっと立ち上がると、そのまま背中から飛び降りて音もなく着地してみせた。なにそれ無音着地とかどうやったんですか……?



「それは重畳ね」


「えーっと、……あ、あとこれ、道中に落ちていたリペアドランの素材です」



ステートウォッチを操作して収納していたリペアドランの鱗を取り出し、ミサさんへと差し出す。



「……、わざわざそれを?」


「……?えっと、はい。落ちていたので。それと御礼でお返し出来ることが思い当たらなかったので、せめてこれくらいは、と」


「………………成程、殊勝な心掛けね」



ミサさんは差し出した素材を受け取り、左手に付いたステートウォッチを操作して亜空間箱へと収納した。よく見るとミサさんのステートウォッチ、メタリックカラーのレッドだ。カラーバリエーションあるのかこれ。

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