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戦闘訓練

【用語解説】


戦闘訓練

冒険者ギルド『レーヴ』で行われている新人冒険者に行われているいわゆるチュートリアル。

LDDで出現するモンスターは基本的に徒党を組んでいる為、戦闘訓練もそれに応じて多人数で行う訓練となる。

戦闘訓練は亜人族の中でも戦闘に長けた者達が指導を行うこととなっており、登場する種族やキャラは完全にランダム。

戦闘訓練の成績に応じて特別な報酬が手に入ることも。

人混みの流れに任せて歩みを進めると、四方を壁に囲まれた闘技場のような広々とした場所の中央に、朗らかな雰囲気を漂わせたブロンドヘアの巨女が佇んでいた。


「人が多いとみんな動きにくくなるからこの辺で一旦区切るね!」


彼女が指をパチンっと鳴らすと背後の入口に突如として土の壁がせり上がり、俺の後ろを歩いていた他のプレイヤーと分断される。訓練参加人数上限に伴う処理だろうか?



――いや、そんなことよりまずは目の前にいる巨女である。



「はーい、じゃあ今から新人冒険者であるみなさんの戦闘訓練をはじめたいと思いまーす!」



演出の考察を放り投げた代わりに飛び込んできたよく通る大きな声。

とりあえずデカい。細かい説明不要。とりあえず本当に色々とデカい女性がそこに立っていた。


周囲の一部プレイヤーからも「うおでっか……」「あの脚に挟まれてぇ……」などというどよめきが聞こえてくる。

俺も無言で何度も頷いた。あのふっとい脚にはロマンが詰まってる、間違いない。



「今日もたくさんいるねー!あ、自己紹介がまだだったね、私はレヴェリング!気軽にレベって呼んでね!!」



レヴェリング、もといレベと名乗った彼女は手をヒラヒラと振りながら愛想も振りまいた。

ま、眩しい……!

ゲーム内なのに心臓が痛むくらい激しい動悸すら覚える。

とりあえずレベさんを観察して心を落ち着かせなければ。


まず身長、目算3mくらいある。バスケットゴールの高さがそれくらいだった気がするので、それを見上げている感覚と同じだ。すごくデカい。

ふわふわなブロンドの髪が肩辺りまで伸びており、碧眼のタレ目で目元に泣きぼくろがある。キャラメイクしたであろう運営の癖を感じる。いい仕事してるなぁ。


次に脚、長いしこれまたデカい。今にもはち切れんばかりの密着した黒のタイツがなんだかいけないモノを見させられている気分にさせられる。

胸部装甲は眩しすぎて直視出来ないが、鎧の上からでもデカいことしかわからない。


……とてもまずい。思考が邪に支配され邪念が蔓延り始める。

不意打ちで巨女は駄目だろ…!


いや亜人族の種族に巨人族がいたからお目にかかる事もあるとは思っていたが、チュートリアルの戦闘訓練で出てくるなんて予想してなかったって。



「じゃあ早速だけど戦闘訓練やってこっか! 最初は不安だろうけど大丈夫!ケガしてもリラちゃんが治してくれるからガンガンいこう!」

「レベ、うちの紹介がまだなんやけど」

「あっ!?ごめんリラちゃん!」



リラちゃん、と呼ばれた小柄な女性がレベさんの背後から姿を見せる。

とはいえ比較対象のレベさんがデカすぎるせいで錯覚に陥り小さく見えるだけで、彼女の身長はレベさんの腰くらいの高さはある。150前後くらいだろうか?



「うちはリーラライフ。うちの事を気安く『リラちゃん』呼びした人は回復せぇへんから、発言には気ぃつけんといかんよ?うちをそう呼んでええのはレベだけやさかい」



腰まで伸びた銀髪がとても目を引き、凛とした佇まいに見とれて思考が落ち着きを取り戻す。


リーラライフさんのおかげでとりあえず挙動不審さのあまり通報される展開は回避出来そうだ。ありがとうリーラライフさん。


周囲の同士と思しきプレイヤー達も落ち着きを取り戻していたが、今度は別の方角から「銀髪エルフ…」「はんなりや…」という声が聞こえてくる。

今度はエルフスキーの癖に串刺し祭り。LDD、末恐ろしいゲームだ……。


そんなリーラライフさんは切れ長の紅眼でエルフ耳。

エルフ族はたしか回復魔法が得意な種族だったな。


巨人族は土魔法が得意な種族だし、先程入口を塞いだレベさんの土魔法で攻撃を仕掛けきて、それをプレイヤー達が各々立ち回り、傷ついたプレイヤーはリーラライフさんが治すのが一連の流れになるのだろうか。

白峯鏡(しらみねきょう)の小話


白峯鏡シキは身長が高い女性が好みのタイプで、普段は落ち着いていますが巨女を見ると思考回路が暴走します。

幼少期に見た身長が高いハリウッド女優が主演のアクション映画を見て脳が焼かれて以降、映画アニメ漫画の次元を問わず癖になっています


ちなみに蒼馬ソーマはロボやメカ娘が好き

龍斗モリーはエルフが好き

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