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家に帰るまでが外出

「知力上げたらなんか頭が軽くなった気がする!」


「知識溜め込んだのに頭軽くなっちゃうのかよ」


「うん?……それもそうだな、じゃあ気の所為か?」


「気の所為だと思うぞ」



素でやってるのかわざとボケてるのかわからない友人を流し目で見ながら、俺はステートウォッチに表示されている時刻を確認する。

現在時刻は15時30分、利用上限時間までまだ余裕はあるのだが、レベさんの大鎚で吹き飛ばされた影響なのか精神的に疲労感を覚えている。

早めに切り上げてLDDに関する調べ物をしたい気持ちもあるので、ログアウトするかな。



「モリー、俺少し早いけどログアウトするわ」


「急にどうした?具合でも悪くなったのか?」


「具合が悪くなったというよりは単純に疲れかな、少し休む」


「そっか、じゃあオレもログアウトするわ!一人だと何やっていいかわかんねぇし、丁度トイレ行きたくなってきたからちゃんとしたログアウト方法教えてくれよ!」


「そうだ強制ログアウトだったから正規手順のログアウト方法知らないのかお前」


「いきなり警告音流れてマジでビビった!」



思い起こされる数時間前の警報騒ぎ。また同じ騒ぎを起こすようなら出禁も已む無しなのでここでちゃんとやり方を教えておかないと。


俺とモリーはギルド内の仮眠施設へと向かう道すがらモリーにログアウトのやり方を教え、問題なくログアウトしたのを確認し、俺もLDDからログアウトするのだった。




現実世界にログインしてVR機器から身体を起こしてストレッチを行い、十分に身体を解し終えたのでVR機器から立ち上がる。


「あ、そうだ」


ソーマに早めにログアウトする事を伝えてないことを思い出し、LDDのアプリを起動してメッセージを送信する。メッセージはすぐ既読になり『了解』と短い返信が届いたのを確認してアプリを閉じた。

喉が乾いたのでドリンクバーへ炭酸飲料を取りに行き、雑誌コーナーからVR系ゲームを取り扱うゲーム情報誌をついでに持っていこうとしたがあいにく見当たらず。ネットで調べるか。


個室に戻りVR機器とやや離れた位置に備え付けてあるゲーミングチェアに腰掛け、デスクトップPCのインターネットブラウザを開き検索画面に『LDD 攻略 情報』と入力。ズラリと表示された検索結果から戦闘に関する情報を多く扱っているサイトを開き、利用時間まで調べ物に耽るのだった。




そして気がつけば時間は16時50分。そろそろ利用時間が終わる時間が差し迫っていたのでブラウザ画面を閉じ、俺は入口へと向かった。利用時間を超えると延長料金を取られてしまうからな、不要な出費は回避しておくに越したことはない。


入口に向かうと蒼馬が退店のチェックアウトをしているのを見かけたので声をかける。



「蒼馬、ジャンクは街どうだった?」


「鏡か。機人族が管理する区画なだけあって街中とは異なる異彩を放っていたな。見渡す限り機械だらけで街中の中世的な雰囲気とは異なり、スチームパンクのような景観だった。すれ違うのは機人族のプレイヤーか従機士を連れた人族や亜人族のプレイヤーでNPCは機人族しかいなかった。興味本位で露天商を覗いてみたが、従機士の強化パーツを取り扱っていたな。『これを装備すれば移動速度が大幅上昇!』と店主は言っていたが、それを見たアセリアは『こんな油臭いパーツなんて絶対にイヤ』と拒否感を示して買いはしなかったが。というより値段が高くて手が出せなかった。最低でも2万Gで高いモノだと50万Gを越えていて、とてもじゃないが払える金額ではない。金策か課金を検討する必要がある」


「お、おう。満足出来たようでなによりだ」



それから俺もチェックアウトを済ませ、利用時間ギリギリにやってきた龍斗と合流して退店。

すぐ近くに並び立つファミレスで夕食で腹を満たし、それぞれ自宅への帰路に着くのだった。

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