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大雨警報発令中

再び目覚めると、現在時刻は登校しなければいけない時間をとっくに過ぎていた――なんてことはなく、予めアラームをセットしていた時間に起床。二度寝する前との違いがあるとすれば、窓を叩く雨音だけが強くなっている。


スマホで天気予報を確認すると、どうやら今日は明方から夕方いっぱいは激しい大雨に見舞われるそうだ。加えて大雨の影響で電車のダイヤに乱れが出ているらしい。うーん、雨の日の通学はこういうのがあるから憂鬱なんだよな、リモート登校にならんかな……。まあいい、とりあえず顔洗うか。


部屋を出て階段を降りると、ちょうどダイニングから出てきた母さんと鉢合わせする。



「あら、丁度よかった。いま伝えに行こうとしてたところなんだけど、さっき学校から連絡があって今日は大雨だから登校が困難ならリモート登校でいいみたいよ」


「マジ?」



リモート登校というのは、スマホやタブレット、パソコン等の通信機器を利用して学校外からオンラインで授業に参加し、学校生活を送る形式だ。元は感染症流行や災害時の緊急時を想定して作られた一時的な制度であったが、近年の異常な大雨や大雪で登校不可となる問題の対策として改めて制定された制度である。


ただ、日常的に運用するには都心部の学校だとアクセスの過集中で通信パンクの恐れなどの問題があり、毎日リモート登校出来るというわけではない。今日みたいな悪天候時に臨時休校の対策として一時的に適用される。



「朝食は作ってあるからそれを食べなさい。昼食は悪いんだけど、勝手に作って食べて」


「わかった。あれ、未來は?」


「未來ならもう家を出たわよ、八神さん家が車で送迎してくれるみたいだから」


「ふーん」


「それじゃあ私は仕事行くから。リモート登校だからってサボったらダメだからね?」


「出席は内カメで常に確認されるからサボるにサボれないって。いってらっしゃい」



レインカバーを靴に重ねて履き、傘を掴んで家を出る母さんを見送る。さてと、そしたら登校しなくてよくなったならかなり気が楽になったな。とりあえず顔を洗って朝食を食べてしまおう。


洗面台に向かい、顔を洗って口内を軽く水ですすぐ。歯磨きはどうせ朝飯を食うのだから後でやればいいな。昨夜白湯を飲んで負った舌先の火傷も特に問題なし。さてと、飯だ飯だ。


ダイニングに向かうと、テーブルの上には炒飯がラップに包んで置かれていた。その隣には茶碗一杯分のワカメとネギの入った中華スープ。電子レンジで温め直し……は大丈夫だろ。スプーンを取ってきて椅子に座り、ラップを剥がして両手を合わせて「いただきます」からの一礼。


黙々と食べて飲んで平らげて両手を合わせて合掌「ご馳走様でした」。ささっと食器を片付けて洗面台に移動して歯磨きを済ませ、自室へと戻る。


さてと、リモート登校だから準備をしないとだな。あまり使わないタブレットを取り出し、学校のHPを開いてリモート登校用のページに接続。表示された入力欄に氏名と学籍番号入力して【登校】の文字をタップすると『本日の出席を確認しました』と表示される。


そしてすぐ画面が切り替わると、見慣れた教室内の映像が映し出され、画面の右上に『朝のHR開始まであと32分』と表示された。通信状況は大雨の影響なのか電波が2~3をウロウロしているが、まあ出席自体が認められてるなら大丈夫だろ。


さて、普段は学校までだいたい30分くらいかかるのだが、リモート登校で通学自体がキャンセルされた事で暇になってしまったな。ネットサーフィンで適当に時間を潰すか。タブレットを勉強机にスタンド状態にして置き、スマホを手に取った俺はそのままベッドに寝転んだ。

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