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見知らぬ天井

【用語解説】


ルーシッド:作中の舞台となる惑星。自転周期は地球と同じ24時間

サンセット:多くの人族が暮らす東方に位置する大陸

ルナティス:多くの亜人族が暮らす西方に位置する大陸

ゴルドノア:多くの機人族が暮らす海上都市

ムルフィーム:サンセット、ルナティス、ゴルドノアを結ぶ交易都市。様々な種族が生活するルーシッド最大規模の巨大都市。プレイヤーの最初の拠点となる場所でもある。

目が覚めると視界に飛び込んできたのは見知らぬ天井、木造建築の一室。

硬さを感じる簡素なベッドから横たわっていた身体を起こすと、ギシギシと軋む音が響いた。

無駄に凝っているというかなんというか。何の変哲もないベッドひとつでこれは驚愕を通り越して末恐ろしさを感じるレベルだな。



「えーっと、確か初回ログイン時にはムルフィーム内の宿泊施設で目が覚めるんだったか」



『LDD』に初めてログインしたプレイヤーは、最初の拠点となる街『ムルフィーム』に多数存在している宿泊施設の一室からプレイスタートとなっている。


そこから基本的な操作を学ぶ為に冒険者ギルドに向かうのが、開始位置がランダムの為、乱数によっては冒険者ギルドから離れた位置で開始になることもあるようだ。


さて俺の現在位置は……。というかマップはどこで見れるんだっけ?

視界を右往左往させていると、自身の左手にスマートウォッチの様な端末がいつの間にか装備されている事に気がつく。


「ああ、これか?」


端末の液晶パネルに触れてみると、ホログラムのウインドウが空中に投影される。

項目には『ステータス』『装備』『所持アイテム』『MAP』『MENU』と表示されており、画面右上隅には時刻も記載されていた。

『LDD』のゲーム内時間は現実世界と時間が完全にリンクしているため、現在の時刻でもある。


ちなみに現在時刻は9時30分。

本日利用している漫画喫茶で選択したコースは9~17時の8時間の為、ログアウトとか諸々考慮するなら16時30分くらいには一区切りをつけないとだな。



「ステータス、一応確認しておくか」



ホログラムに触れてステータス画面を開くと、自身のアバター姿とステータスが表示される。


しかしゲームとはいえ今いる建物は中世みたいな雰囲気なのに、この端末だけやたらハイスペックがすぎるだろ。世界考察系の情報もあとで読み漁った方がいいのかもしれない。






PN:シキ

Lv:1

職業:剣士

所持金:5000Gゴルド

体力(HP):50

魔力(MP):15

スタミナ(ST):35

筋力(STG):25

敏捷(AGI):20

器用(DEX):15

知力(INT):5

耐久(VIT):20

精神力(MND):10

幸運(LUC):5



スキル

・スラッシュ

・ダッシュスラッシュ


魔法

・なし


装備

右:ブロンズソード

左:なし

頭:なし

胴:ブロンズメイル

腕:ブロンズアーム

腰:丈夫な布

脚:ブロンズブーツ

アクセサリー:なし





初期ステータスは種族事に異なっており、人族は物理戦闘がメインなので体力が高く設定されている。レベルアップで上昇するステータスも物理系がメインで上がるらしい。

魔法の項目があるってことは一応修得はできるみたいだな。


ただ人族は魔法特化の亜人族とは違って魔法関連のステ上昇値が低いという情報を見かけたので、あまり期待しない方がいいだろう。


まあ『LDD』は自由さがウリのゲームなのだから、将来のアプデでなんらかの強化イベントがあるんじゃないかと噂されてるからその時が来たらまた考えるとするか。



ステータスのウインドウを閉じ、今度はMAPを選択して現在地を確認。

どうやら俺が今いる場所はモルフィーム3番街に存在する宿屋のようだ。

冒険者ギルドはムルフィームの1番街にある。

現在地から距離はそう離れていないな。これならすぐ到着出来そうだ。


ルートの確認を終えた俺はベッドから立ち上がり、屈伸、腕伸ばしで身体の動きを再度確認。


……うーん、やはり身体がスムーズに動きすぎる気がする。

今使用しているプロ御用達のVR機だからだろうけど、これやっぱり継続的に同じ機体でプレイ出来ない環境下じゃないなら悪影響なんじゃないか……?



「まああれこれ考えてても仕方ないな。とりあえずギルドに向かってアイツらと合流するか」


一抹の不安が頭をよぎりつつも、俺は歩みを進めて部屋のドアノブを捻り前へと押し出すのだった。


ムルフィームの小話


ムルフィームは全部で9つの区画に分割されている円形状の都市

9番街が中央に配置され、北に1番街北東に2番街……と時計回りの配置になっている


1番街は冒険者ギルドを筆頭に冒険に必要不可欠な武器屋や道具屋が建ち並ぶ

2番街は料亭や雑貨屋

3番街は宿泊施設

4番街は闘技場

5番街は球技場

6番街は魔道具や魔導書店

7番街はカジノ施設

8番街は機人族が管理するジャンク屋

9番街は治安維持部隊の本部など行政に関する施設


ムルフィームには地下街が存在している。

入口は9番街を除いて複数箇所存在するが、地下街に入るには特定の条件をクリアする必要がある

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― 新着の感想 ―
確かに世界観を見ると睡醒者の腕についてある 端末には何かしら意味がありそうですね。 僅か3話の中に色々な伏線があって 面白かったです。投稿頑張ってください。
2025/03/13 12:18 退会済み
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