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ハードラックと踊りましょう

四度目のテトロドバッドの群れが襲いかかる。テトロドバッドの事情を知ってもやらなければこちらがやられることになるので、あまり気は進まないながらもライトニングを放ち、その効果で十数匹のテトロドバッドが地面に落下する。


――が、前回より数が少ない。前回までは1度の襲撃で50匹はいたであろうテトロドバッドの数がその半分程度になっていた。残存個体数が少なくなったのかと思いきや、すぐに赤い双眸の群れが穴を潜り抜けて迫りくる。今度は更に減って10匹にも満たない。通常攻撃だけで撃ち落とした方が魔力を温存出来るのではと一瞬考えたが、これで撃ち洩らしても面倒だと即座に考えを否定して雷撃を放つ。



「数が少なくなりましたね」


『そうね。個体数が残り少なくなったかしら』


「もしくは我々を油断させる為の調整か」


「どっちでもいいけど、早く片付けて先に――うん?」



レオレクスが何か違和感を覚えたのか、疑問を口にすると同時に眼前の氷壁に亀裂が走った。



「うわっ!?」



亀裂はどんどん広がっていき、パキパキという音と共に裂け目がみるみるうちに氷壁全体に拡散し、やがて氷壁は粉々に砕け散った。



()()()()()()()が聞こえたけど、これ何かのスキルかい?」


『耳障りな音……?あなた、聞こえたかしら?』


「いや、聞こえてないです」



レオレクスが言うには何かしらの音が聞こえたらしいが、俺とパトロは何も聞き取ることが出来なかった。



「私も聞こえなかったが、この現象には覚えがある。おそらくクイーンだけが使える『ウルトラソニック』だ。発生音を聞き取るのも、不可視の為に回避するのも非常に困難な音の波を用いた攻撃で、物体を破砕することが出来るとされている」



同様に何も聞こえなかったケーラだが、どうやらこの氷壁を破壊したスキルに心当たりがあるらしい。リアルでは高周波をガラスに当てると触れずに割ることが出来るらしいが、それを再現したようなスキルだろうか。



「ただ、今のように何かしらの障害物が間にあれば攻撃は無力化する事が出来る為、そこまで脅威ではない。いま直ぐ氷壁を建て直す」



ケーラが前面に出て、氷壁を再び作り直す。



「む――」



しかしケーラが即座に作り直した氷壁はすぐに亀裂が走り、あっという間に砕け散ってしまう。



「妙だな、『ウルトラソニック』は短時間で連続して使えないはずだが、――――ッ!」



何かしらの異変を察知したケーラが、隠し通路の奥へと銃を構えて数発の氷弾を撃ち込んだ。そしてすぐさま氷壁を1枚、立て続けに間隔を開けて2枚目の氷壁を作り上げる。



「――ッ、また不快な音」



レオレクスが不満げに言葉を零すと同時に、ケーラが作り上げた氷壁があっという間に一枚目が破砕し、二枚目の氷壁もほどなくして粉々に砕け散った。ガラガラと音を立てて地面に散らばる氷の破片が足元に散乱する。



『これは、まさか――』


「ああ、これは随分と()()()()。おそらく()()1()()()()

レベルが50を越えているのに幸運のパラメータが初期値の人物がこの中にいるらしい

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