表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/280

疑惑で済ませるには無理がある

「あのさ、立ち話してる所悪いんだけれど、目的を忘れてないかい?」


「む」



2人の仕事話にレオレクスが割り込んだ。考察要素があったので個人的には興味深く聞いていたが、まあレオレクスからすれば知ったこっちゃない事なのだろう。



「容疑は晴れてるんだから早くこのバングルを外して欲しいんだけどな。オレ達だって別に暇じゃないんだからさ」


『まあ。嫌疑をかけられた後だというのに、随分と威勢が良いのねあなた。お名前は?』


「人に名を尋ねる時は自分から名乗るものってオレは教わってるんだけど。キミはどうなのかな?」


「貴様!総隊長に向かってなんだその態度は!?」



背後に控えたフルフェイスの部下が吠える。今にも飛び掛からんとするくらいの怒りが伝わってきたが、それを総隊長と呼ばれたロボの手がすっと部下の前に出る。



『落ち着きなさい。部下が失礼したわね、ごめんなさい。私は治安維持部隊総隊長のパトロよ、第一部隊の隊長も兼任しているわ。改めて、あなたのお名前訊かせて貰えるかしら?』


「レオレクス」


『そう、レオレクス。いい名前ね。ケーラ、彼らの嫌疑の内容は?』


「1番街のフォルジュロン前にて器物損壊と指名手配されていた従機士二人組へ過剰防衛の疑い、並びに我々治安維持部隊への公務執行妨害の疑いだ」


『器物損壊と過剰防衛に公務執行妨、害…………待ちなさい?それだけの嫌疑を掛けた者を釈放するの?分析はしたのよね?それを踏まえた上でのあなたの判断なのかしら?』


「…………、私は問題ないと判断した」



うーん、苦しい。だいぶ苦しいぞこれ。リーラライフさんの仲介によりかなりの温情が入ったのをこの人は知らないし、ケーラはその事実を伏せている。その裏事情を知らない者からすれば疑惑の目が向けられるのは当然である。


しかしまだ疑惑の段階だ。ここで下手に割り込むと圧倒的不利に傾きそうな気配しかないので、成り行きを見守る事にする。



『……、そう。ならあなたの判断を信じるわ。()()()、治安維持部隊の長として我々の活動の邪魔立てをした者達を簡単な取調で無罪放免では示しがつかないのも事実。なので()()()()()()()()()()()()()()



「更生施設送りか?」


『いいえ。今からケーラ、あなたも含めて私達と共に地下街へと向かってもらいます。そこでレオレクス達は非礼を働いた分、我々への協力という形で誠意を示してみせなさい。ケーラはその監視役です。もし逃すような事があれば、相応の処分を下さなければならなくなるわ。気を引き締めるように』


「……、総隊長命令なら従う他あるまい。そういう訳だ、レオレクス、シキ。貴君らの釈放、しばし先延ばしになる」


「そういう訳だ、と言われても、せめてこのバングルを外してくれないとまともに戦闘出来ないんだけど?聞いてる限りだと、荒事に発展するおそれあるよね?」


『解錠処理は行ってもらって構わないわ。これは釈放前の……そうね、最終試験みたいなものよ。働き次第では幹部待遇で我が組織に迎え入れるのもやぶさかではないわ。もちろん、逃走を図ったりすれば釈放が更に先延ばしになるけれど』



釈放から話が一転、地下街への強制派遣調査のクエストが発生する。以前ネット上の情報を調べた限りだと、地下街へ向かう手段はよくわからないとの事だったが、まさかの√発見である。再現性が低いとかどうとかって話だったけど、とりあえずこれは明らかに運営に想定されてる√じゃないだろってのは分かる。


本来であれば治安維持部隊に入隊して実績を重ね、潜入捜査を任される的な感じなんだろう。だが今回は逮捕一歩手前の騒動を起こして本部に連行されて嫌疑を晴らし、そこから出立前の部隊に絡んでからの√解放は流石に突飛が過ぎる。玉突き事故で封鎖された建物へ突撃するようなモノだ。悪運というかなんというか……ステータスの幸運を一切上げてないのが影響してたりしてな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ