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鉄ノ女

『ケーラじゃない!これから事務仕事?』



階段の踊り場で立ち止まり会話する相手はケーラが見上げる程の巨体――というか漆黒のロボットであった。身長は最低でも2mはあり、見た目は全身甲冑のような風貌で全体的につるりとしたフォルムをしている。



「いや、解錠対応だ。事務仕事なら既に終わらせてある。【機殻鎧装(きかくがいそう)】を纏っているようだが、何かの緊急の案件でも?」


『ええ、これから()()()までね。潜入捜査をしている私の部下からの連絡が途絶えたから、確認の為に少し出てくるわ』



くぐもった女性の声を発するロボの背後には、武装しているフルフェイスの部下が2名控えていた。身に着けている装備の質が、パッと見ではあるが街中で見かけたフルフェイス集団のそれとは異なりかなり上等なモノに見える。



「そうか。しかし、荒くれ者共の巣窟へ乗り込むにはその図体では目立つだろうに。エーシかガドー辺りに任せたらどうだ?」


『部下の失敗は私の失敗だもの。他の部隊に迷惑はかけられないわ。それに、()()()()()()()()()()なら私が出るのが一番手っ取り早いもの』


「……ふむ。消息を絶った部下の最終地点は判明しているのか?我々を誘き寄せる為の罠の可能性もある、そう軽々と()()()()が首を突っ込むのは更なる火種を招きかねないぞ」


『位置を知らせる発信機は2番街の真下を示していたわ。それに、罠なら罠で話が早いわね。私がそれを踏み抜いて、罠を仕掛けた者達を一網打尽にすればいいだけの話だもの!』


「……ヤレヤレ、一大組織を率いる長とは到底思えない発言だな」


『地下街の治安は以前よりも悪化しているわ。幸い、まだそこまで目立った動きはないけれど、近頃はムルフィームの一般市民や目覚めたばかりの睡醒者が被害に遭う事が増えてるもの。この機会に釘を刺せるならそれに越したことはないわ』



話を聞く限りだと、どうやらムルフィームの地下街でロボの人の部下がなんらかの事件に巻き込まれた可能性があるので、その出動最中らしい。


地下街か、たしか名称がジオフロンティアだっけか。街中の至る所に巧妙に隠された出入口があり、そこから行けると言われている場所だ。2番街の真下って事は、やっぱあのあたりだいぶ物騒なんだな。

【用語解説】


機殻鎧装きかくがいそう


機人族が開発した身体拡張型装備の一種。分類としては防具にあたる。

装着して魔力を回路に流し込む事で桁外れの筋力、敏捷、耐久を一時的に得る事が出来るが、効果を発揮している際はかなりの魔力を消費する難点を抱えている。


必ずしも全身に装備をする必要はなく、腕のみ、脚のみといったように特定部位だけ装備する事も可能。

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