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金は天下の

「――あった『シルバーシリーズ』!ンでこんな奥底に突っ込んであんだ!?めちゃくちゃ時間食っちまったじゃねぇか!!」


「アクセの鉱脈ッ!!吟味してる時間ねぇからいいや全部買ってけ!!」



拘束から逃れようと身じろぎするも、万力で固定されてるかのように微動だにせず静かに減少していく体力にどうしたものかと頭を悩ませていると、すぐそばのプレイヤーが声高らかに叫んだ。どうやら目当ての装備を掘り当てたらしい。



「Oops!目的忘れてたデース!?ゴーニュ!とりあえずそこのBarrel全部抑えてクダサーイ!」


「御意」



目当ての装備を持って我先にとカウンターへと駆け出していくプレイヤーを見たクレイが、ゴーニュと呼ばれた巨人男へ指示を出す。その直後、クレイの拘束が緩んだのでなんとか難を逃れる。なんだかんだで3割くらい体力が減った。再ログインしたら体力全快してたのに、まさか戦闘せずに3割も削られるとは……。


クレイの命令で動き出したゴーニュは武器の詰め込まれた樽を軽々と両脇で抱きかかえる。まさか()()()()()()()()2人が来店してすぐプレイヤー達がボヤいていたのはそういう事か。



「クレイ、キミのそれ悪いクセだよ。金に物を言わせるなんて」


「Why? リミットないからNo problem!それにワタシお金なら溢れる程ありマース!あと日本のことわざに『金は天下の回し()』ありマス!それを実践してるだけデース!!」


「回し者じゃスパイなんだよね」


「Oh!そうとも言いマース!」


「いやそうとしか言わないから。大体そんなに買い込んでまだスキルはレベルアップしないのかい?」


「ンー、確かあと58回リペアすれば『再構築』から『創造鋳造』になりマス!そうなったらワタシ作り放題デース!!」


「まだそんなに?累計100回くらい修理してなかったかい?」


「トータル142回デース!」


「うわ、よくやるねそんなに」


「リズムゲームみたいで面白いデスよ?あとピカピカになるの見ていて飽きまセーン」



生産職系のジョブの話だろうか。装備の修理がリズムゲームってなんだ……?金槌をタイミングに合わせて打ち下ろす的な感じなのか?



「ふーん。まあいいや、それでクレイは『アイアンバックラー』と『ヒマンテス』は修理したのを持ってるんだね?」


「Yes!『修理』じゃなくて『再構築』でのモデルチェンジだからスペック少し違いマスけど、同じのありマース!」


「ならそれを彼に渡して。あとついでにこれも買って『修理』して一緒に予備装備として。拳系武器と盾は耐久値が減りやすいから複数あった方がいいからね。これでオレのリアルネームを呼んだ件は水に流してあげるよ」


「Why!?許されてなかったデスか!?」


「オレは『次はない』と言っただけで『許す』とも『水に流す』とも一言も発してないんだよね」

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