Best Friends Forever略してBFF
「とりあえず今のオレは『レオレクス』だから呼び方には気をつけてもらえるかい?」
「OK!でもレオレクス呼びづらい!レオで呼ぶワ!!」
「本名じゃないならいいよ。それで、クレイは今日も廉価品漁りかい?先週大量に買い込んだとか言ってなかった?」
「先週のはもう全部リペアしたデース!ストックゼロだから新しくこの店でバイバイしマース!」
「だからそれも挨拶……いやバイバイって売買か。あれ、クレイは修理した装備は路地裏で売ってたんじゃないのかい?」
「ヴィヴィが襲われたからストップしてるデス」
「ああ、そういえば片割れがいないね」
「ヴィヴィが『修理工房』から戻ってくるまでトーメンは店に押し売りデス!!レオも必要な装備あればお安くしマスよ?YU-JYO価格!!」
「オレはいいかな。それより見つけたこれ、クレイはいくらで修理出来る?」
「『アイアンバックラー』と『ヒマンテス』なら先週リペアしまシタ。今からバイバイする予定でしたけどレオが必要ならレオにあげマスよ?」
「ああ、オレじゃないんだ。必要なのはそっちの彼」
2人の会話を傍観していると、突然会話に巻き込まれる。クレイはぐるんと身体を反転させてこちらに向き直ると、ジロジロと俺の顔を覗き込んでくる。
「Oh!アナタ、レオの知り合い!?ワタシ以外フレンドいないレオに知り合い!?What's your name!?」
めちゃくちゃネイティブな英語で名前を尋ねられる。ぐいっと顔を寄せられて距離が近い事に後ずさりしながら返事をする。
「シキです」
「シキデス!」
です含めて名前だと勘違いされたなこれ?日本語、ややこしい。
「あー、違います。俺の名前は『シキ』と申します」
「Oh!Sorry!シキ!!覚えたワ!!Nice to meet you!!」
「さり気なく聞き捨てならない事を言ったねクレイ?心外だな、オレは友達を作らないだけで、いないわけじゃないんだけど?」
「HAHAHAHA!作らないNO!作れない!レオ、クールだけど性格サイアク!!Bad girl!!」
「ははは。大っぴらにそう言うキミが人のことを言えた義理かい?」
「言えマース!ワタシ、フレンド100人以上イマース!!……ケドBBFはヒナキだけデスよ?」
「オレ知ってるんだよね。そういう特別感出すような言い方する人間は、決まって他の人間にも同じ事を言ってるって。あと呼び方、次はないよ?」
「Oh!暴力ハンターイ!?」
レオレクスに詰められたクレイは俺の背後に回り込み、そのまま腰を掴んでまるで盾のようにレオレクスへと突き立てる。あのなんかジワジワ体力減ってるんだが?手に毒でもついてます?
ステータス異常にはなっていないので、クレイに掴まれて圧迫感のある腰部分が恐らくダメージ判定を受けている。なんつー仕様だ。というか掴んでるだけでダメージ発生するレベルの筋力、野放しにしたらダメでは?




