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初見クリア出来る難易度ではないが、初見クリア出来ないとは言ってない

「今回ご案内が可能な特別なクエストは『迷界の大遺跡の発掘調査』です。大遺跡の深部にて希少な鉱石を採取して頂く依頼なのですが、クエスト名が示すように大遺跡の内部は迷宮のように入り組んでおり、非常に複雑で道に迷う冒険者が後を絶たないのです。また内部に生息しているモンスターは非常に獰猛かつ狡猾で強力であり、生半可な実力で足を踏み入れようものなら即命を落とす為、ギルドにて立ち入りを制限しているダンジョンの一つでもあります」



迷宮かつ徘徊しているモンスターが強いマップでの探索クエストか。戦闘を回避するにしてもこういうダンジョン系だとボスモンスターが重要なマップの前に配置されていたりするから、戦闘の完全回避は難しいんだろうな。



「また『迷界の大遺跡』の内部は特殊な磁場と非常に濃い魔力溜まりが形成されている影響でステートウォッチのMAP機能が使用不可となり、現在地の把握すら困難になります。その為、冒険者各位の研ぎ澄まされた感覚を頼りに遺跡内部を探索して頂く必要があるのです。一応、遺跡内部は先駆者による目印が残されているのですが、徘徊しているモンスターに破壊されている事もあり、絶対に迷わないという保証はございません」



マッピング潰しとかやるのかよエゲつないな……。狡猾ってそういう意味も含まれるのか。



「クーリアさん、このクエストでモンスターにやられてしまった場合ってどうなるんですか?」


「通常のクエストであれば【蒐集部隊(コレクターズ)】が戦闘不能となった睡醒者の回収作業を行いますが、『迷界の大遺跡』のような特別な場所ですと管轄が異なり、即時回収が出来ません。週に一度ギルド上層部直属の『調査部隊(サーベイズ)』が遺跡内部の調査及び回収作業を行うので、その際に発見されない限りそのままですね」


「週に1度、ということは最長で一週間は野晒しになる……ということですか?」


「そうなりますね。ただしそれはあくまで全滅、もしくは個人で探索した場合の話であり、このクエストを受諾された冒険者様にはゴルドノア様が開発された超希少な緊急脱出用の魔道具を支給しますので、そちらを使用していただければ回避出来ます。ただし、その時点でクエストは失敗扱いになるので御留意下さい」



一通り話を聞く限りだと、かなり入念に準備が必要なクエストになりそうだ。まあそりゃ特別なクエストだもんな、そんな初見でロクに準備もせずにクリア出来るようなものじゃないだろう。



「わかりました。このクエスト、受諾可能な期間に期限ってあるんですか?」


「ございません。『迷界の大遺跡』の深部で採取が可能な希少な鉱石は需要が絶える事はないので、受諾期間は無期限となっております。ただし、成功の見込みがある者にギルドから案内するクエストかつ、超希少な緊急脱出用の魔道具を支給する関係で、1度でも失敗された冒険者には再度案内をすることは()()()ではございません。緊急脱出用の魔道具が量産可能になればまた話は代わってくるのですが、その目処がいまだ立っていないので」



現時点ってことは、将来的には失敗しても何回も受諾が可能になるってことか。脱出用の魔道具、つまるところ転移系魔法が本格的にゲーム内で実装されたら前提が覆るのだろう。一瞬で転移するNPC集団を目撃しているから存在しないわけじゃないもんな。大型アップデートとやらでくればいいが。



「――通るよ」


「ちょ!横入りすんなよ!?」


「んー、知り合いが並んでるから横入りじゃないんだよね」


「いや横入りだろうが!?」



と、何やら背後が騒がしいな。プレイヤーが言い争う声が耳に届いたので思わず振り返ると、目に飛び込んできたのは腰辺りまで伸びた一房の長髪と中華風の黒い衣装。



「やあ、メッセージを送ってもなかなか返事がこないから()()()()()



昨日闘技場で別れたレオレクスがそこに立っていた。()()()()()()()()()

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