表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/220

会員章はお持ちでしょうか?

「ああ、それと次回来店以降に制限を課す補填の意味も兼ねるのだが、シキ少年には()()を渡しておこう」



フェルパさんが握っている杖を小さく揺らすと杖先端にある宝石が淡く光り輝き、溢れた光が収束すると小さな銅色のピンバッチのようなものが宙に浮かび上がった。



「本来であれば当店へ幾度と来店して注文をしてもらい、尚且つ一定期間後に渡すモノではあるのだが、今回は特例措置として当店の『会員章(かいいんしょう)』を渡しておこう。階級は【ブロンズ】だがね」



フェルパさんが杖を軽く翳すと、宙に浮かんだ『会員章』とやらがゆっくりと手元まで飛んできて、眼の前で落下す――あぶねぇ!? 急に自由落下を始めた会員章を、咄嗟に両手を差し出してキャッチ。



「おっと、すまない」



それは楕円の形状をしており、その中央にはなにやら筆記体で文字が書かれているのだが文字が達筆すぎて全く読めなかった。現実ならスマホでかざして翻訳とかすぐ出来るんだが、ゲーム内じゃあそうはいかないからな……。いやまじで読めない。なんだこのミミズがのたくったような文字。いや文字なのか?



「えーっと、これは一体?」


「おや、ご存知ないか。サラーブ、説明を」


「承知しました店長(マスター)。シキ様、そちらは当店の『会員章(かいいんしょう)』でございます。本来であれば、先程店長(マスター)が申し上げた通り、規定回数の来店と当店料理の購入を経てから獲得が可能な代物です。一見すると何の変哲も無い当店の名が刻まれたアクセサリーではありますが、勿論ただのアクセサリーではございません。こちらは読んで字の如く、当店において優良な『会員(かいいん)』の『(しるし)』でございます」



それで会員章、……つまりポイントカードみたいなものか?というか書かれていたの普通に店の名前だったのか。そうか、これでシュクレって読むのか。…………うーん、読めねぇ……。



「利用頻度に応じて階級が【ブロンズ】【シルバー】【ゴールド】と上昇し、階級に応じて商品の値引き割合の増加、二階フロアの解放、限定商品の優先提供など様々な特典を受ける事が可能となっております。ちなみにシキ様がたった今受取になられた【ブロンズ】の会員章では、当店商品全品5%の割引特典がございます」


「なるほど」



ゲームのちょっとしたやり込み要素というかコレクターズアイテム兼お得効果のある装備って感じか。他の店でも同じような事をやってたりするのであれば、コンプするのめちゃくちゃ大変そうだな。


まあそもそも街中移動するだけで数十分かかるような広大なマップのあるゲームでコンプリートとか、土台無理ゲーな話ではありそうだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ