表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/220

マスター・フェルパ

シニヨンヘアのメイドさんの後ろを連れ歩き、バックヤードを抜けて案内されたのはこじんまりとした一室。簡素な長机と椅子が等間隔に配置された休憩スペースのような部屋だった。



「ここで暫く待っていてもらえるかしら。店長(マスター)を連れてきます。()()()()()、逃げ出そうなんて馬鹿な真似はしないように」



釘を刺すようにわざとらしく語気を強めたメイドさんは、入口の扉をバタンと叩くように閉めて退室していった。不慮の事故で決して故意ではないのだが、相当ご立腹のようだ。好感度ゲージがあるならマイナス域だろうな。


無論、逃げ出すつもりは毛頭ないので椅子に腰掛けて暫く待っていると、ものの数分で出入口の扉が開き、先程出ていったシニヨンヘアのメイドさんが戻ってきた。


その背後には右目に眼帯を装着し、メイドさんと同じ銀髪で外にハネたセミロングヘアの女性がいた。件のマスター、店長だろうか?



「この少年かな?」


「はい。他のお客様とサラーブが接触し、サラーブが倒れそうになった所を彼が支えようと触れた直後、サラーブが消えてしまいました。彼が説明するに「装備のせい」との事で」


「ふぅん?見ない顔だ、ご新規さんかな?」


「エクレトゥール様のお連れの方です」


「ヴィレさんの店の用心棒だったかな?そうかそうか。…………ふーむ、()()()()()()。ミラーシ、業務に戻っていいよ。後はワタシが対応する。他のみんなにも業務を優先するように伝えておいてくれたまえ。()()()()()()()()()()


「ッ!ほ、本当ですか!?」


()()()()()()()()()()()()()()()()に在るならあとは呼び戻すだけさ」


「しょ、承知しました。ミラーシ、通常業務に戻ります」



完全に蚊帳の外だが、どうやら問題は解決の目処が立ったらしい。このゲーム、プレイヤー放置で物事が進む事がままあるの、自由過ぎると思う。


背筋をピンと伸ばし、手を前に添えてペコリとお辞儀をしたシニヨンヘアのメイドさんはそのまま部屋から音もなく出て行くのだった。



「――さてと、勝手に話を進めてしまってすまない少年。まずはそうだね、少々遅くなったが自己紹介をさせてもらおうじゃないか」



対面の椅子ではなく、何故かすぐ真横に置かれた椅子へ脚を組みながら座った女性は、テーブルに頬杖をつきながら次の言葉を紡ぐ。



「この店の店長(マスター)、フェルパだ。よろしく頼むよ。――それでさっそく本題なんだが少年、()()()()()()()()()

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ