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万物を断つ刃

「…………二人は手甲の最終調整をしてる。武器の方は万が一に備えて急ピッチで仕上げたけど出番はなかった。規格外の睡醒者がいたようだから」


「なる、ほど?」


「…………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。彼女の事なのね」



「さっきの戦闘、もしかして見てたんですか?」



規格外のプレイヤーは十中八九ミサさんの事かな?まあ街中で巨大モンスターであるトネルオラージュ相手にドンパチやって、被害など気にせず雷をバカスカ落として建物が壊れたりする音を耳にしたら、何事かと店から飛び出してきてもおかしくない話か。



「…………私の契約内容はこの店に迫る脅威を排除する事。店に被害が及ぶようなら手を貸す予定だった。でも被害が及ぶ前に事が片付いたから、結果としてはそうなる」



これをメタ的な視点で考察するなら、プレイヤーがトネルオラージュを討伐出来なかった時、街に被害が及ばないようにする最終防衛ラインを担っているという事になるのだろうか?


でも「店に被害が」と言っているので、契約範囲外ならスルーする……?

いまのところセオリーとかテンプレを地味にズラしてくるから考察が難しいんだよなこのゲーム。



「…………、()()()()()


『――完成!!』


考察に思考を張り巡らせているとポツリと、耳を澄ませていなければ聞き漏らしてしまう程の小さな声が聞こえたのと、工房の方で歓喜の声が上がるのはほぼ同時の事であった。



「装備、出来たんですかね?」


「…………魔力の揺らぎが完全に固定されたから間違いない」



魔力の揺らぎとはなんのことやら。そういえばフィーさんもリペアドランの素材に対して高濃度の魔力の気配がどうたら言っていたので、目に見えない魔力を知覚するスキルがあるのだろう。


しばらくして、奥の工房からフィーさんが大きな布の包みを抱えて姿を現した。その後ろには純白の鞘に収められた『瑞氷』を握るヴィレジャスさんの姿。ということはあの布の中には依頼していた手甲か。



「あれ!お兄さんもう戻ってたんですね!?」


「時間前行動出来て偉いじゃないか。予定より少しばかり早いが完成した。受け取りな」


「ありがとうございます」


ヴィレジャスさんが差し出す『瑞氷』を両手でしっかりと受け取る。『雪月天』ほどの重さはないが、それでもブロンズソードやシルバーソードよりは重い。まずはこの重さに慣れるところからだな。



――――『瑞氷』を入手しました。

【装備解説】


『瑞氷』


カテゴリ:両刃剣

効果:筋力+200 器用+30 知力+30

戦闘時、消費した魔力量に応じて斬撃威力上昇(上限なし)


説明:三大工匠が一人、ヴィレジャスが手掛けた最高傑作である『雪月天』の試作武器を調整して仕上げた大業物。『白氷光晶』を10%『雪華岩』90%の比率で混ぜた合金を鍛練して作られた。マナを吸収する効果を持つ『白氷光晶』と、マナに反応すると鋭利になる性質を持つ『雪華岩』の効果を反映した刀身は、極めた担い手がマナを吸い上げたこの剣をたちまち一太刀振るえば、万物を濡れた紙のように容易く両断する事も容易い。

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