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未だ底見せぬ実力

「…………だぁぁぁぁ!!負けた!!まだまだ弱ぇなオレ様!!」



予想的中。とはいえ即オチ2コマのような瞬殺ではなく、多少は粘りを見せた。一瞬ではなかった攻防を振り返る。


左腕に盾を構えた状態でミサさんに接近したナギは、繰り出したミサさんの右拳を盾で受け流した直後、ミサさんの顔面を捉えるのに右ストレートを繰り出した。


ミサさんはそれを完璧なパリィでこともなげにいなすと、間髪を容れず肉薄して胴体目掛けて放った寸勁のスキルで弾き飛ばす。衝撃で後方に吹き飛ばされるナギだったが、即座に復帰して再び突進。


今度は真正面ではなく跳躍し、空中に移動した直後に盾を大盾に切り替えて、盾に全体重を乗せてそのまま面で押し潰すような体勢で迫る。


が、その程度の攻撃がミサさんに当たるわけもなく、ナギの身体は大盾ごと下から繰り出された突き上げで跳ね返される。

すぐさま装備している盾から手を離したナギはステートウォッチを操作して別の大盾を取り出して宙に置き、即席の足場を作り出す。

足場となった盾を踏みしめて反発し、ミサさんに跳ね返された盾を思い切り蹴り返して再び押し潰さんと試みる。


ミサさんは今度は盾を押し返さずにバックステップで回避。抵抗されることなく地面に叩きつけられた大盾でナギはそれを「押し潰した」と錯覚したのか、踏みつけた大盾の上で一瞬立ち止まる。


そしてその一瞬の隙を逃すミサさんではない。ミサさんが距離を瞬く間に詰め、高速で繰り出された突きがナギの顔面を掠めて勝負あり。



「盾を即席の足場にするアイデアは悪くなかったけれど、盾を攻撃に転用するのであればもう少し重量を重くするのをお勧めするわ」


「……俺の見間違いじゃなければ大盾のプレス攻撃、あれ普通の突き上げで跳ね返してなかったか?」


「マーサル君の見間違いじゃないと思うよ。スキルエフェクトなかったもん」


「当然のようにパーフェクトパリィ、あまりにも自然にやるもんだが狙って出せなきゃ対人戦で勝ち抜けやしないか」


「ま、ナギもいい勉強になったんじゃねぇか?」


「……ハッ!次は負けねぇ!!強くなってまたすぐリベンジしてやるからな!?」


「そう。なら次は闘技場で相まみえましょう。貴女の成長した姿、愉しみにしているわ」



ミサさんはそう言い残すと、踵を返して去っていくのだった。

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