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弁慶ですら泣く痛み

このプレイヤーが物理的な意味の魔本使いになるのか見届けたい所ではあるが、流石にそれを注視していられるほど余裕はないので視線をトネルオラージュへと切り替える。


突進による吹き飛ばしから復帰して再び果敢に攻め立てるプレイヤー達を、トネルオラージュは落雷攻撃や鈎爪による切り裂きで応戦する。先程ポーションを渡した二人組もすぐさま戦線に復帰していた。


そういえばミサさんはどうしたのだろうか?まさか二重拘束技程度でやられるとは思わないが……。周囲を見渡すと、ミサさんは戦闘が繰り広げられている場所から少し離れた位置で静観していた。


全身に纏っていた紅蓮のエフェクトも消失しており、どうやら効果切れだろうか?身体強化スキル発動時に起動していたヘイト奪取も永続で奪い続ける類いではないらしい。


戦闘に参加しないのは何か理由があるのか、それとも一対一になるまで待っているだけなのか。心の内は計り知れないが、ゲームの遊び方は人それぞれだ。ひとまず今は戦闘に注視するとしよう。



「だーちくしょう!!鱗は硬ぇしダメージは痛ぇし図体はデケェしめんどうだな!!」


「これちゃんと削れてるんだよね!?ダメージ入ってる気全然しないんだけど!?」


「モンスターはデカけりゃデカいほど体力も多い!ゲームの常だろ!そんなことより口じゃなくて手を動かせ!!攻撃が通るなら倒せねぇことはねぇ!!――『ギガントインパクト』!!」


「GIYAU!?」



構えた大槌をスキルと共にフルスイングした攻撃が脛に直撃し、トネルオラージュは体勢を崩して転倒する。



「お!?クリティカル入ったぞ!?」


「脛が弱点部位……?なら足の小指とかも弱点部位だったり……?」


「試せるもんはどんどん試せ!!恨みっこなしの生きるか死ぬかだからな!!」


「ちょっと気が引けるけど……――『天落斬(てんらくざん)』!!」


「GYA!!」


「ッ!クリティカル出た!!弱点部位みたい!!」


「おっしゃぁ!!攻め立てろォォ!!」


「往生せいやァ!!」


「GYAUUUUU!!?!?」



…………む、むごい。どうやら脛と足の小指が弱点部位として設計されているのが判明したトネルオラージュを、生き残っているプレイヤーが集中して代わる代わるにスキルや通常攻撃を放ち続ける。

さながら餅つきのように休むことなく高速で叩き降ろされる剣、斧、鎚、槍、剣、斧、鎚、槍。


一定のリズムで繰り出されてダメージが蓄積して怯むトネルオラージュだが、プレイヤーの攻撃が止まる事はない。むしろこなれてきたのか速度が徐々に増していく。絵面がシンプルに酷い事を除けば着実にダメージを与えられているし、ハメ技を使用しているような状態になっているがこのまま押し切れそうだ。

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